日頃歩いているコースは幾つかあって、気分によって使い分けています。
その中でも秋津川沿いと木山川沿いが、自然の移ろいや生き物たちの様子が間近に見られて好きなコースです。
秋津川は街のすぐ横を流れている都市河川のようなもので、河川整備も進んでいるのですが驚くほど自然の動植物が豊で、となりの大きな木山川よりむしろ多様性に富んでいるようです。
河川整備がいわゆるコンクリートで固めたものではなくて、基礎部分の外側や内側を木や土を使って整備をしたため、自然の植生が繁茂しやすい環境が整っているためでしょう。
河川には汚水が比較的流れ込まず、それ以上に自然の湧水が多いため水生植物も多く小魚から50cm以上の鯉まで悠々と泳ぎ豊富な餌があるため野鳥の種類も多く見られます。
有明海に注ぐことになる小さな川の源流は我が散歩コース内にあるのです。
益城町の木山中学校のグラウンド南端で、堤防を隔てるとすぐ南側を木山川が流れているのですが接続はしていません。
ここから町の南端沿を熊本市まで流れ木山川・矢形川と合流し水前寺・江津湖の湧水と合わさって加勢川になり緑川に合流して有明海にそそいでいるのです。
この一帯は阿蘇や周辺台地に降り注いだ雨が伏流水となりやがて地上に出てくる有数の湧水地帯に属しているのです。
人と自然の動物が共存するため、住民もそっと見守る程度で相互に必要な距離が保たれているため、鳥も魚ものんびり泳いでいます。
大型の鳥も置物のように一日中突っ立っています。
先日はカワセミが魚をとるため水の中に一直線に突っ込むところに遭遇しました。
橋桁に巻き付いた蔦に留まって、じっと水面を見つめるカワセミを写すことが出来ました。
このカワセミの存在が、この川の清らかさを雄弁に物語っていると言えます。
驚いたのは空をぐるぐる回っていたトンビが急降下をして脚で魚をつかみ飛び上がったのですが、魚が大き過ぎて飛ぶのに難儀したのか近くの田んぼに直ぐ降りて行きました。
町中に源流を持ち、わずか数キロしかない小さな川なのに豊かな自然を感じることができる貴重な場所なのです。