ひとり紫苑・プチプラ快適な日々を工夫

書籍「年金五万円が教えてくれたお金の向き合い方」「あるもので工夫する楽しい節約生活」は9万部。工夫の毎日は続く。

着物と高度成長と390!の窮屈ルール

2018-02-14 17:30:14 | しきたり、ルールについて考えた

 

先に紹介した

「きもの文化と日本」(日経プレミアシリーズ・

伊藤元重・矢嶋隆敏孝敏孝)

の矢嶋さんは

きもの「やまと」の方なんですね。


 

堅苦しいルールに捕らわれて、

きもの文化がどんどん衰退していくのを見るに

見かねて、着物人口増やしたいと

きものルールやら、

伝統や流通など、さまざまな面から着物文化を

見直し、盛り上げようとなさっている。


帯の後ろも可愛い。

後ろを見せる世界でも珍しいの衣服。

後ろ結びは、着物のファッション性重視から。

 

この本、着物を着たいけど邪魔な三つの

ハードル、

「わかりにくさ」「着にくさ」「買いにくさ

を、

いかに解消するかに焦点を絞っています。

で、着物のルールの「わかりにくさ」

これは、昭和45年(1970年)の

ベストセラー塩月弥栄子さんの

「冠婚葬祭入門」がもとになっているとあります。


なんと、この本370万部も売れた。


戦後、核家族化が進み、誰か権威のある人に

いろんなこと教えてほしかった。


で、冠婚葬祭のあとの「きものの本」(72年)

では

なんと390ものルールがあるそうです。

皆さん、守っているかい(笑)


一冊にするのに編集者も苦労したんだね(笑)。

とにかくたくさんルールあると

有難いと思う人がいる。

 

 

ルールや儀式って複雑になるほど、

有難いような気がしてくる。

 

 しきたり、儀式、ルールって、キビシイほど、

「ははあ」と有難いと錯覚を

抱かせるところもある。

もちろんその反動もあるけど~~。


 

 

それに高度成長の時代って、

もう一億総中流化に向かって

皆が上を上を目指していた。

男も女もいい学校や、

いい男、女やらを目指してまっしぐら。


それが悪いと言っているのではないのです。

このとき多くの人が着付けを習ったお陰で

今の私たちは着付けを習うことができます。

本やユーチューブだって、着付けを習った人たちが

教えてくれるんだもんね。

私の母はきもの着ていたけど、

着付け教えてくれなかった。

そりゃあそうだ、誰でも着れると思って

育ったから。



デザイナー稲葉賀恵さんの

文藝春秋のエッセイには、

「仕事のためには

和のたしなみが必要だった」とあります。


売れに売れた和服。

昭和42年。


だもんで、

学費」や「習い事」にはお金を惜しまなかった

「着付け教室」もその一つ。

もちろん、名のある学校に行けば

権威だけではなく、

そこの講師にもなれる可能性があるから

「手に職を」との

女性の職業志向にも合致。

 

きもののルールの煩雑さ、

例の一つとしては、

 

黒留め、色留め、訪問着、付け下げと

細かい序列を作ったのは、

きもの業界の策略に近い。

場面ごとに着物を買わせようという戦略

だそうです。

さもありなん。

七緒でもこんなするので、こんな特集」

 

まとめると、

① ある程度豊かになると、

 格付けが欲しくなる。個人でも~~ね。

そこで権威ある人に教えを乞う。

②教える側も、ルール厳しくすれば有難がられる

ので、どんどん細かいルール作った。

③きもの業界、売る側も教える側も、それに

  乗った。

当時はいいビジネスモデルだった。

女性のお仕事も増えたしね。

そのおかげで今の私たちも着付けを習える


④ルール、疑いもなく守る人が増えていき、

ある時期から多数派になっていった。

 

⑤今や、この煩雑なルールがだんだん着物

離れを引き起こしている。

 

「伝統」という言葉を強調しすぎたため、

動きが取れなくなった。

自分で自分の首を絞めることになった。

ビジネスや単に技術だとすればいいのにね。


でも今は、しきたりに捕らわれず

ファッションとしての着付けや

コーディ教えて人気になっている方、

どんどん出てきてますよね。

 

塩月さんの厳格なルールって、

最初はお茶の世界のことを書いていたんだって。


最近では、そのお茶の世界も~~。

少しずつ変化が。


本によると、

 結婚式、お葬式だって紬でOK、だそうです。

紬で、親族の披露宴~美しいキモノ」


この本、「着物警察」につかまったとき、

役に立つ一冊です。

次は、「着付け」編です。

もういいって??

いえ、タネ本あるから。

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4 コメント

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買わせたい側が作る文化 (鴨志田です)
2018-02-14 21:22:39
今日はバレンタインで、日本はチョコを贈るとか?高級チョコメーカーが義理チョコやめようと広告出したら賛否両論沸き上がったとか。賛は兎も角、否があるとは驚き。もともとチョコメーカーがはじめたキャンペーンにのせられているだけなのに。恵方巻きとか、着物も同じですね(笑)。
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バレンタインも (紫苑)
2018-02-18 18:58:58
鴨志田さま
コメントありがとうございます。バレンタインもクリスマスも、ハローインもみな仕掛ける人がいて乗って楽しむ人もいる。それが経済効果になるのはいいと思うのですが、きものはそのことを多くの人が忘れているような~~? でも義理チョコ、やめように反対があるのは驚きですね。別のチョコレートメーカーかも(笑)
返信する
はじめまして (こだまん)
2018-02-23 04:56:00
はじめまして、もう一年近くブログ拝読させていただいておりますが、初めて書き込みさせていただきます。

今回の着物とルールの考察は大変興味深かったです。今回のみならず、自説の根拠となる本がしめされているところも大変に説得力があり、他の着物ブログと違う!と思っています。

今後も着物ルールや洗濯実験他、魅力的な本の紹介など楽しみにしています。
 
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シーン (紫苑)
2018-02-23 10:14:07
こだまんさま
しーんとしている中で(笑)、ご賛同のコメント、とても嬉しいです。きものについてちゃんと習ったわけではないので、やはり不安になります。そんなときこういう知識は力になります。憶することなく大好きなきものを着るためには、やはり正しい!知識が必要だと思います。励ましのコメントありがとうございます。
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