【ML251 (Marketing Lab 251)】文化マーケティング・トレンド分析

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ロックミュージックの社会学

2009年11月21日 | 書評
≪お休みしてた間、mixiの「レビュー」にちょこちょこ書いてた雑文を再編集・転載してます。≫

【2008年12月14日】

『ロックミュージックの社会学』(青弓社ライブラリー)

あるJ-POPのバンドがいる。

彼等が自分達のことを外国人に説明するとき、
「自分達は日本ではU2のような存在」と。

あるメディアでそんな話を知ったときの大きな違和感。

「ぶぁ~かもんが」 という怒りのような、
「あ~あ・・・」 という呆れのような。

これって所謂 「ファン意識」でしょう。
そのバンドが、U2をリスペクトしてること自体は、何ら悪かないんですが。

(そのバンド自体は、好きでも嫌いでもないんで、ファンの皆様、悪しからず・・・)

で、本書には、そんな僕の違和感を構造的に摘出するヒントがある。

■ ロック音楽文化 3つの指標

(1) アウトサイド(反抗・集団凝固性)
(2) アート(芸術・卓越化)
(3) エンタティンメント(楽しみ・大衆性)

尤も、U2とそのバンドのケースでは、
エンタメ指標云々だけでなく、
「大量消費社会の要請」」という外在的(背景の)要因
が絡んでくるのだけれど、
著者は、ボードリヤールの消費社会論・価値論を援用してくれた。
(「超越的価値」→「雰囲気の価値」)

自分の実体験でも、すんなりと理解できるケースもある。
例えば「東京ロッカーズ」⇒パンク・ニューウェィブの流れ。

「SEX PISTOLS」と「P.I.L.」の違い。

UNDERGROUNDなニューウェイブと、「めんたいロック」の岐路。

著者の3指標、大いに援用させて頂きたいなと。

感謝

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ザ・ロック・ギタリスト

2009年11月21日 | 書評
≪お休みしてた間、mixiの「レビュー」にちょこちょこ書いてた雑文を再編集・転載してます。≫

【2008年12月13日】

200CD ザ・ロック・ギタリスト ― 憧れのギタリスト名演ディスクガイド

いつでもいいから、寝転がりながらめくってみるだけでいい。

読むというより、めくるのが楽しい本。

通して読み通すのではなく、
自分の経験・趣味とリンクする部分が少しでもあれば買う、
という類の本ですね。

恒松正敏さんも載ってる。

本書を買ったキッカケとなったのは、
U2のジ・エッジについて書かれた文体と表現が気に入ったから。
(この文章書かれた中山氏、僕と同い歳ね、ヤッパ)

【以下 168ページより引用】

U2というと、アイルランドの伝承音楽との結び付きは、
眉にツバをぬって読むべし。
こういう短絡的な理屈にダマされる人は、
立花隆や本多勝一にもダマされるだろうから。

彼等が初期に影響を受けたのがテレヴィジョンであり、
ヴァーレインの曲調から、モードの世界に入っていったのだ。

音楽の<雰囲気>と<構造>を区別して見極めるのは知性。
その2つが生み出すチカラを感じるのは<感性>。
エッジのギターは、良いアタマの訓練になる。

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