定年後は旅に出よう/シルクロード雑学大学(シルクロードを楽しむ会)長澤法隆

定年後もライフワークのある人生を楽しみたい。シルクロード等の「歴史の道」を調べて学び、旅して記録する楽しみ方を伝えます。

講座「高速道路に迷い込まないためのGPSの使い方」を終えて

2017-11-20 13:55:08 | 講演会
講座「高速道路に迷い込まないためのGPSの使い方」を終えて

昨日、シルクロード雑学大学の定例会では「高速道路に迷い込まないためのGPSの使い方」と題して、シルクロード雑学大学のホームページを担当している会員の前田種雄さんの話を聞いた。

まずは、大学を卒業前の1958年8月から話は始まった。前田さんは大学を出て就職するために、就職試験の結果を喫茶店でテレビを待ちながら待っていたとのことだった。テレビでは、野球の日本シリーズで、読売ジャイアンツ対西鉄ライオンズの試合があり、長嶋茂雄のランニングホームランが出たとのこと。この試合を詳しく知りたい方は、上記をクリックしてください。

家に帰ってもテレビがないので、喫茶店でテレビを見ていて、就職試験の結果は後で知ったようだ。めでたく合格でした。

1959年に無事に合繊メーカーに就職し、研究職を希望したが様々なセクションで働いてきたという。結構、日本国内のあちこち、出向して海外でと仕事の場所は移動。

2000年に定年退職となり、「ツール・ド・シルクロード20年計画」に参加するために、自転車を購入。前田さんは船橋に住んでいるが、秋葉原で買って乗って帰宅したと依然聞いたことがある。購入したのはMTBだった。

当時はMTBがたくさんサイクルショップに並んでいたし、ブームでもあった。わたしの方でも、輸送時にトラブルのないようにとMTBをすすめていたのだった。また、そのころは、クロスバイクもなかったように思う。カーボンレフレームなどもなかった。


サマルカンド


サマルカンドからブハラへと走っている途中。当時は30名ほどの参加者がいた。トップが前田さん。


ウズベキスタンのお土産屋さんで並んでいた民芸品


サマルカンドのモスク

ただ、前田さんは、まずは2000年1月にニュージーランドで37日間の自転車ひとり旅。そして、2000年8月に「ツール・ド・シルクロード20年計画」に参加して、ウズベキスタンのタシケントからブハラまで30名ほどの男女の参加者と一緒に走った。たいていは3分の1の参加者が女性だ。集団走行で、バスとトラックの伴走がついていた。宿泊は事前に事務局で手配、ウズベク人の通訳が案内をしてくれた。宿泊は、ホテルもあれば、民宿もあった。
初心者には自転車の選び方から教え、一緒にサイクル・ショップで行って自転車の購入もてつだっていた。定年退職者が多いからできることかもしれない。

軍の施設やソ連時代のサナトリウムに宿泊したこともあった。まだ、ソ連崩壊直後で、独立したばかりでウズベキスタンものんびりしていた。


ブハラの街の様子


サマルカンドの路地裏、クワの木の下で子供相手にお菓子などを売っていたおじさん


サマルカンドの路地裏。サマルカンドから日本へ留学している学生たちは「もうこういうサマルカンドは、写真の中にしかないんです。懐かしい」と話していた。日本も似たような状況ですね。


サマルカンドのモスク

その後、前田さんは、キルギス各地をサイクリングしている。


キルギスでは5月25日が終業式。9月の始業式まで夏休みだ。子供たちは家族と一緒に標高の高いところへ避暑に行き、羊の世話などをお手伝いする。


避暑の人たちが、移動式の住居ユルタの脇でフェルトを作りに精を出している様子を見ることができるかもしれない。

高速道路に迷い込まないためには、GPSを使って、事前にパソコンでトラックを作り、それをGPSに入れていくのが一番いいという。
また、パソコンの上で道路がつながっていても、デジタル地図では道路が途中でつながっていないこともある。細かくトラックを結んでつなぎ、画面上の地図では道がつながっていても、回り道をするようなルートをパソコンが描くようだったら、デジタル地図の上で道がつながっていないと思ったらいい。デジタルの地図が、間違っているのでルートが遠回りでひょきされることがあるのだという。

特に前田さんがよく行っている様なキルギスでは、デジタル地図がつながっていないと思われるために、パソコンが大回りのルートを描くことが多いという。

また、出発地点から目的地へ行けばいいだけではなく、「途中でどこへ寄りたいからこの道を走りたい」といったサイクリングの目的をしっかり持つことも大切だ、とも話してくれた。そうだ、そうだ。途中のルートも楽しむのが旅というものだ。出張する、仕事の移動と違うのだから。

以前、アルメニアを走っている時に「この風景の中を走るのは、もう私の人生の中ではないかもしれないのでもっとゆっくりと走っていこうよ」という参加者がいた。風景や風の匂いや音、遠征の人々の暮らしにも目を向けて走る。事前の準備も、旅人であることを意識しながら五感で地平線を追いかけたいものだと思った。

前田さんの講演に戻る。会社に在職中は、仕事ばかりで趣味どころではなかった。定年後、自転車旅行に参加することでいろんな趣味の仲間と知り合い、他のグループにも仲間は増えている。定例会の講演の前に電車の中で仲間の顔を思い出すと、シルクロード雑学大学に参加したことで人がった仲間がほとんどだという。

「ここに参加しなかったら、定年後はいったい何をしていたのか、会社の同僚などや団地の自治会以外に仲間ができていただろうか」と趣味の効用を続けた。

在職中、尊敬する上司の言葉は「オイ、種よ。定年後は友人を作るのに金を使え、相続税はかからないからな!」とのこと。

この言葉に背中を押されるように、定例会の後は懇親会で仲間と交流。講演の内容そのままの定年後の仲間づくりでもあった。





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