久々の芝居
青年劇場とは思えないドキドキ感を覚えるタイトル。しかしその淡い期待は間もなく裏切られる。
主人公の農夫・也(のぶや)80歳が、夢中になってい〝る恋人〟は手塩にかけたシャインマスカットだった。
青年劇場はこの30年来、「遺産らぷそでぃ」「菜の花らぷそでぃ」など、日本農業の問題をテーマに芝居を作ってきた。脚本はいずれも高橋正圀で今回はシリーズ5作目ということだ。高橋脚本はテーマこそ重いが人情喜劇で肩に力が入ることはない。まぁ、寅さんを観るような気分だ。
舞台は也夫婦宅から始まる。いきなり「日本の食料自給率は何%だと思う、38%だよ。」也の家に下宿し就農を目指している東京出身の奈緒への講義だ。
地元青年たちのリーダー格は、農業の大規模化と「稼ぐ農業」の波が押し寄せる中、農業を成長産業にしようと奮闘している。「東南アジアなどの富裕層を相手に高級食材を提供すれば、若者たちの未来に希望が持てる」と主張する。これに対し也は「世界の食糧生産額の8割は家族農業」と諭す。
長年連れ添った妻に「ありがとう」が言えない也と親友・善吉。思い切って言葉を発するも「男は何もわかっていない」とかわす妻。身につまされる話が続く。
也役の葛西和雄、善吉役の吉村直、いずれも芸達者で舞台を盛り上げる。終盤かつて2人が演じた農民芝居「金色夜叉」寛一、お宮は出色ものである。
青年劇場とは思えないドキドキ感を覚えるタイトル。しかしその淡い期待は間もなく裏切られる。
主人公の農夫・也(のぶや)80歳が、夢中になってい〝る恋人〟は手塩にかけたシャインマスカットだった。
青年劇場はこの30年来、「遺産らぷそでぃ」「菜の花らぷそでぃ」など、日本農業の問題をテーマに芝居を作ってきた。脚本はいずれも高橋正圀で今回はシリーズ5作目ということだ。高橋脚本はテーマこそ重いが人情喜劇で肩に力が入ることはない。まぁ、寅さんを観るような気分だ。
舞台は也夫婦宅から始まる。いきなり「日本の食料自給率は何%だと思う、38%だよ。」也の家に下宿し就農を目指している東京出身の奈緒への講義だ。
地元青年たちのリーダー格は、農業の大規模化と「稼ぐ農業」の波が押し寄せる中、農業を成長産業にしようと奮闘している。「東南アジアなどの富裕層を相手に高級食材を提供すれば、若者たちの未来に希望が持てる」と主張する。これに対し也は「世界の食糧生産額の8割は家族農業」と諭す。
長年連れ添った妻に「ありがとう」が言えない也と親友・善吉。思い切って言葉を発するも「男は何もわかっていない」とかわす妻。身につまされる話が続く。
也役の葛西和雄、善吉役の吉村直、いずれも芸達者で舞台を盛り上げる。終盤かつて2人が演じた農民芝居「金色夜叉」寛一、お宮は出色ものである。
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