目黒重夫昨日・今日・明日

周囲の出来事を思いつくまま

青年劇場「失敗の研究」

2024-09-20 08:19:56 | 芝居・映画
半年ぶり 電車に乗って
9月も半ばを過ぎたが、猛暑日が続いている。自民党の総裁選騒ぎも過熱の一方で、終われば一気に解散・総選挙といわれている。

実に半年ぶりになるだろう、電車に乗った。目的はこれも久しぶり新宿での観劇。苦労したのが階段、昇るのはいいのだが降りるのは大変。手すりをつかみながら恐るおそるである。前後から速足で来る人を避けるのも一苦労だった。

芝居は「ノモンハン事件」を題材に、「今」にも通ずる失敗から学ぼうとしない人々、組織、社会の在り方を問う。主役となる女性編集者が「事件」の真相を求めて取材を続ける中、行きついたところは「どうしたら戦争を終わらせることができるのか」だった…。

直球勝負の青年劇場、古川健脚本に鵜山仁の味付けで緊張感のある舞台となった。
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ゴジラ-1.0

2023-12-07 09:06:30 | 芝居・映画
迫力満点 狂暴ゴジラ
ゴジラについては何度か書いてきた。1954年の初代ゴジラが、あまりにも強烈な印象だったからだ。70年前の話である。姉に連れられて行った隣町の映画館。小学校に上がる前の私は圧倒されると同時に、「ゴジラかわいそう」の印象を残した。

ゴジラ作品はその後紆余曲折を経た。1984年、原点回帰とつくられたヒロインは初々しい沢口靖子だった。30年を経て私は娘と一緒に観ていた。

そして今回、70周年(実際は来年だが)作品が「ゴジラ-1.0」だった。-1.0って何?、それはぜひ映画館で見てほしい。

今回の作品、ゴジラの凶暴さが一段とパワーアップしていた。まさにド迫力である。それと時代設定が初代ゴジラの前というのがみそである。初代ゴジラで印象に残った「かわいそう」は、最後にゴジラが海の藻屑となるシーンだったと思う。今回も同様のシーンとなるが、復活を予感させるところで終わっている。見ごたえのある映画だった。

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青年劇場「老いらくの恋」

2023-05-31 08:46:32 | 芝居・映画
久々の芝居
青年劇場とは思えないドキドキ感を覚えるタイトル。しかしその淡い期待は間もなく裏切られる。
主人公の農夫・也(のぶや)80歳が、夢中になってい〝る恋人〟は手塩にかけたシャインマスカットだった。
 
青年劇場はこの30年来、「遺産らぷそでぃ」「菜の花らぷそでぃ」など、日本農業の問題をテーマに芝居を作ってきた。脚本はいずれも高橋正圀で今回はシリーズ5作目ということだ。高橋脚本はテーマこそ重いが人情喜劇で肩に力が入ることはない。まぁ、寅さんを観るような気分だ。
 
舞台は也夫婦宅から始まる。いきなり「日本の食料自給率は何%だと思う、38%だよ。」也の家に下宿し就農を目指している東京出身の奈緒への講義だ。

地元青年たちのリーダー格は、農業の大規模化と「稼ぐ農業」の波が押し寄せる中、農業を成長産業にしようと奮闘している。「東南アジアなどの富裕層を相手に高級食材を提供すれば、若者たちの未来に希望が持てる」と主張する。これに対し也は「世界の食糧生産額の8割は家族農業」と諭す。

長年連れ添った妻に「ありがとう」が言えない也と親友・善吉。思い切って言葉を発するも「男は何もわかっていない」とかわす妻。身につまされる話が続く。
 
也役の葛西和雄、善吉役の吉村直、いずれも芸達者で舞台を盛り上げる。終盤かつて2人が演じた農民芝居「金色夜叉」寛一、お宮は出色ものである。
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スカラムーシュ・ジョーンズ

2022-08-25 19:21:50 | 芝居・映画
カトケン公演
猛暑の8月も終わろうとしている。旧統一協会と自民党議員の癒着はとどまるところを知らない。連日、言い訳がましい報道が続いている。

加藤健一といえば一人芝居「審判」で知られている。その「審判」は息子に譲り、本人は新たに「スカラムーシュ・ジョーンズ」に挑んでいる。

昨日本多劇場に出かけた。1時間40分、ノンストップの一人芝居。主人公は今100歳を迎えようとする道化師、生まれてから50年間の数奇な人生を7つの仮面とともに振り返る。

後半の50年はパントマイマーとして無言を通す。この無言には意味があるらしいが、そこはイマイチよく分からなかった。同年代の新たな挑戦に感動し、再開発著しい下北のベトナム料理店のビールで余韻に浸った。
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ドライブ・マイ・カー

2022-02-07 08:50:24 | 芝居・映画
不思議な映画
気になっていた映画「ドライブ マイ カー」をようやく観ることができた。吉祥寺の100人程度の小さな映画館で探すのに少々手間取った。

原作が村上春樹とのことだが、私は彼の本は一度も読んだことがない。開演間際、先入観なしでシートに落ち着いた。

いきなり男女(夫婦なのだが)の怪しげな場面から始まった。アレッ、こんな映画なのかなーと思ったが、どうも2人の会話に意味がありそうなのだ。

夫は舞台俳優兼演出家、妻は脚本家という設定。したがって劇中劇が何度もあり映画と芝居が両方楽しめた。上映時間3時間、やたらセリフが多い。でも最後まで緊張感を保つことができた。

主役の愛車の中で繰り広げられる会話が見どころ。ただテーマがいくつもあり捉えどころのない、なんとも不思議な映画だった。
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