『第一阿房列車(新潮文庫)』
夏目漱石の直弟子、テツの極みの内田百閒の紀行で、ただ鉄道に乗るのが目的らしい、心底テツの著者のエッセー。読み始めたときは、まこと寝本にはちょうどよいぐらいに眠くなるのが早かったが、なかなか、百閒先生の筆はそうは問屋がおろさない。なんとなく惹きつけられて夜ふかしするという仕掛けになっている。
昭和20年代なかば、戦争が終わって物資がまわりはじめ、おそらく空襲でずたずたになっていた鉄道も復旧した頃、百閒先生は「ヒマラヤ山系」と呼ぶお供とともにテツの旅を続ける。
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