
同じくアシュケナージの演奏で「24の前奏曲」(作品28)、前奏曲第25番(作品45)、前奏曲第26番(作品番号なし)、即興曲(作品29、36、51、66)とあわせて30曲の小品か収録されている。録音年代が記されていない。
「24の前奏曲」では第5番32秒、第10番29秒、第15番36秒、第22番47秒、有名な第7番も55秒しかない。一方長いのは第15番「雨だれ」で5分14秒もある。
最初は戸惑ったが、24の主題をもつ1つの曲と考えると楽しめるかもしれない。前奏曲というと何かと決まった様式があるのか、と聞きたくなるが実際は即興曲のような具合である。
そして即興曲の方は大体4分~5分ほどの長さである。長いといっても他の作曲家の曲から見れば断片のようでもある。
私は前奏曲24曲を聴くのは少し落ち着かない。短すぎでどこか慌ただしい。聴くときは即興曲の4曲をひとつの曲としてまとめて聴く。合わせて20分ほどの4つの部分からなる曲だと思うことにしている。
第1番の明るい明確なリズムは第1楽章にふさわしい。早いパッセージを有する第2番はスケルツォ風の楽章でもある。第3番は少し内省的で終止形とならないメロディが漂っているような楽章である。第4番は最後を締めくくる堂々とした風格がある。後半へと上り詰めていくフィナーレにふさわしい。


