自衛隊のサマワ駐留に通訳として同行したフリージャーナリストのルポ。
戦闘糧食が米軍のものは内容も豪華だしひもを引くと加熱されるのに自衛隊のはレトルトパックでお湯がないと食べられない(戦場でお湯を沸かしてられる?)代物だとか(44~45頁)、住民の陳情に対してオランダ軍は隊長が即決していくのに対し自衛隊は陳情を文書にしてもらって防衛庁の上層部に諮らないと予算が下りない(104頁)とか、いかにも日本の役所らしいところが呆れるというか哀しい。結局はイラクの人のためじゃなくて国内向けに国際貢献の実績を作って防衛庁の防衛省昇格のステップにすることが狙い(123頁、214頁)だったんでしょうね。
イラク側にも独裁政権下で長く過ごしたイラク人は自分のことばかり考えて事情をよく理解しようとしない「町内のすべての家が壊れても、日本とアメリカがいれば、明日には全部直してくれるなどという人さえいる」(185頁)なんて考えもあったとか。時々弁護士にそういう非現実的な期待を持つ依頼者もいますけど・・・。
弁護士としては、アラブ流の交渉術について、強気に出るときは徹底的に主張するが信頼関係が築ければ相手の言い分を素直に受け入れる(130頁)、組織間の交渉でも目の前で交渉している個人との関係を重視する(132頁)、敵とみなせば命が尽きるまで攻撃してくるが味方に対しては命をかけて守ってくれる(134頁)という指摘に興味を持ちました。

金子貴一 学習研究社 2007年3月20日発行
戦闘糧食が米軍のものは内容も豪華だしひもを引くと加熱されるのに自衛隊のはレトルトパックでお湯がないと食べられない(戦場でお湯を沸かしてられる?)代物だとか(44~45頁)、住民の陳情に対してオランダ軍は隊長が即決していくのに対し自衛隊は陳情を文書にしてもらって防衛庁の上層部に諮らないと予算が下りない(104頁)とか、いかにも日本の役所らしいところが呆れるというか哀しい。結局はイラクの人のためじゃなくて国内向けに国際貢献の実績を作って防衛庁の防衛省昇格のステップにすることが狙い(123頁、214頁)だったんでしょうね。
イラク側にも独裁政権下で長く過ごしたイラク人は自分のことばかり考えて事情をよく理解しようとしない「町内のすべての家が壊れても、日本とアメリカがいれば、明日には全部直してくれるなどという人さえいる」(185頁)なんて考えもあったとか。時々弁護士にそういう非現実的な期待を持つ依頼者もいますけど・・・。
弁護士としては、アラブ流の交渉術について、強気に出るときは徹底的に主張するが信頼関係が築ければ相手の言い分を素直に受け入れる(130頁)、組織間の交渉でも目の前で交渉している個人との関係を重視する(132頁)、敵とみなせば命が尽きるまで攻撃してくるが味方に対しては命をかけて守ってくれる(134頁)という指摘に興味を持ちました。

金子貴一 学習研究社 2007年3月20日発行