白珠だより

札幌にて美人画と武者絵を扱っております白珠画廊のブログです。

Nipponia nippon

2010-01-09 | 画廊の様子
お正月がいつの間にか過ぎてしまい、すっかり普通の日々になりました。
みなさま、如何お過ごしでしょうか。

新年をお祝いし、また幸せが訪れますようにと「おめでたい鳥」、
「幸せを運ぶ鳥」と云われる鴇(とき)を描いた手染めの手ぬぐいを画廊に飾りました。


鴇はコウノトリ目トキ科で学名は[ニッポニア ニッポン]といって国の特別天然記念物に指定されており、また国際保護鳥です。
江戸時代にはごく普通の野鳥でしたが、その美しさのために乱獲されたり、公害に侵されたりで日本の鴇は絶滅寸前になりました。
この美しい姿を失うことは日本の宝を失うことであると四十年ほどまえに鴇保護センターが開設されました。

今朝のニュースに鴇のこれからの保護と繁殖のために分散飼育を各地で行うことや
雄の一羽が繁殖期に入った兆候が見られることなどの記事がありました。

手ぬぐいの鴇は朱色の美しい日の出の空を薄桃色の羽いっぱいに広げて飛んでいます。
この淡い桃色は鴇色といって日本の伝統色です。
四季の自然から生まれた美しい色の名前とその由来が日本にはたくさんあります。

この鴇がその真っ白な体、桃色の風切羽と尾羽の美しい姿をいつまでもこの地上で見せて欲しいものです。

そして、たくさんの貴重な生き物が消えて無くならないようにこの地球を守らなければならないと思います。

日本の大きな空にこの鳥の優雅な姿が飛び交い幸せをたくさん運んでくれますように祈りたいものです。
                    

s・y  

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