眠りたい

疲れやすい僕にとって、清潔な眠りは必要不可欠なのです。

最後の一滴

2006-12-13 | 
滑稽な仕草で芸人が笑いをとる
 舞台を眺め
  思わず笑ってしまった

   悲劇の主人公みたいな顔をして
    マスターが僕の顔をみていつも茶化した

     「残された時間の中で
      貴方になにをしてやれるのだろう?」

       唄が流れた

       家の中のアルコールを全部飲み干した
        ウイスキーの最後の一滴を舐めている
         倉庫の中もあさぐってみたものの
          親父が酒を止めてから
           残された筈のボトルも
            ついに最後になってしまったんだ

     今朝 奇妙な夢を見た
    僕は赤い血を流している
   でも傷口が解らなくって呆然としていた
  父が部屋にやってきて
 どうした?
と いつもの様に尋ねる
 血塗れの腕を見ると
  手馴れた手つきで傷口を探し当て
   適切に止血してくれた

    大丈夫 大した傷じゃない

     僕は父の背中にしがみつき
      やっぱりお医者さんなんだね
       と泣きついた

        目が醒めると日常が流れた
         僕は仏壇に水をウサゲテ
          手を合わせる

          ごめんなさい

         いつだって
        心配してくれてるんだよね

       いつだってほんの少し
      傷跡を治療してくれたね

     ありがとう

    仕事に行ってくる


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