眠りたい

疲れやすい僕にとって、清潔な眠りは必要不可欠なのです。

開封

2006-12-30 | 
行進する行脚の群れ
 暗闇に
  存在の証明が優しく灯る

 酒ばかりだ
  誰かが呆れたように舌打ちする
   新しいボトルを
    今晩 開けた

 千年の刻印が
  刻を刻むのなら
   嗜む酒は
  精神を方向ずけた

   怯えた面持ちで
    届いた手紙を
     開封する

   「青」は良い
    空が晴れ渡る
     高圧線の電信柱の向こう
      空は晴れ渡り
       僕は
        傷を癒す
  
    「灰色」もまた美しい
     天使の羽が
      瞬きの瞬間
       覚醒し震える
   
      どうして我々は
       やたらとはしゃいでみせ
        慟哭するのか

      悪性は良性よりはましだが
       ごめん
       生きる行脚は
        それすらも
       あるがままに受け入れるから

    「どうしていますか?
      元気ですか?」

   その裏の真相は
  だがしかし
 垂れ込めた暗雲
容赦なく照るつけた陽射しの名残

   {dareni aitai no desuka ?}

  僕を救う
   魔法の水
    キリストは
     パンと葡萄酒で祝福された

   余す所無く
    ヴァイオリンの音色が
     場末の酒場で
      安酒を
     気の利いた味に育てる

   リュートの音色は
    余計な物を困惑させない
     繊細で
     心を開く
      闇夜で
       ロウソクの灯りと
        安酒の甘い香り
         世界の始まり

     アダムとエヴァの間にも
      蛇に身をやつす
       リリスの紅い舌がそうっと
        詩を紡いでいた

  電線を飛び越えて
   手紙は開封されるのだ
    開封されるのだ
  
    誤嚥を怖れてはいけない
     飲み込み
     排泄する
      
  「戦場のメリークリスマス」

     ロストロボゥーウィチの
      無伴奏チェロ組曲

     スコッチを開けた

      タンブラーグラスの氷が音を奏でる

       世界の不思議

        手紙と

        世界を

        開封したよ



        開封したよ






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