けんきゅうきろく(と、あともうひとつ)

レアル・マドリー、リーガエスパニョーラ関係の、なんとなく気になるニュース。

ウェールズ、ポルトガル

2016-06-26 20:19:13 | football

決勝トーナメントがスタートしました。残念ながら、ここでモドリッチとコバチッチのクロアチアが脱落。試合自体は(眠くて、すべて見たとはとても言えないのですが)クロアチアの方が優勢だったように思いますが、何しろ延長で最後に決勝点が入るまで、どちらも枠内シュートゼロというちょっと信じられない経過。そもそもシュート自体も少なかったし、決して良い試合ではなかったような(今大会の試合が総じて保守的?な感じなのでその流れの通りといえばその通り)。それでも、あのもうPKかな?となる時間帯でも、ナニ、クリスチアーノ(この試合最初のシュートにしてアシスト)、弾かれたところをクアレスマ(この試合2本目のシュート)が、カウンターで走りきったからこそ、ゴールが決まった。試合は最後まで何があるかわからない、サッカーは思い通りにいかない、予想や試合の流れとは異なる結果にもなり得る、ということを改めて感じさせられる試合ではありました。……が……モドリッチ泣かないで……。



ウェールズのベイル。チームごと、勢いに乗っているというか、良い流れと空気の中にいるんだなと思います。4試合連続ゴールはならなかったものの、決勝点のOwn Goalをアシストですからね。

ウェールズ、ポルトガル、あと1つずつ勝ち抜いたら対戦することになります。そこまでぜひ見たいですね。

モドリッチ、コバチッチ、それから今日でコパが終わったハメス。時間はあまり長くないかもしれないですが、ゆっくり心身とも休めていただきたいと思います。


「私が指揮したクリスチアーノ」
イギリスTelegraph紙掲載のアンチェロッティの記事が、クリスチアーノについてでした。以下、日本語にしたものを。
(元記事は英語なので、いける方は、ご自分で読まれた方が確実だとは思いますが)。
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クリスチアーノ・ロナウドが所属するチームの監督になると、違う種類の彼を見るだろう。世界の残りの人々は、彼がどう見えるかということに取り憑かれている。そうでなければ、彼が自分がゴールした時にどう祝っているかとか、物事がうまくいかない時に彼がどうリアクションするかとか。私が見たのは、常に彼自身のベストを尽くしたいと願っている男、それだけだった。

第一に、私は彼が、ロッカールームの鏡の前に立っているところとか、自分がどう見られているかを気にしているところとかを、一度も見たことがない。クリスチアーノにとって、プライオリティは常に勝利することだった。

レアル・マドリーのロッカールームには、多くの強い男たちがいた。大きな個性が必要とされること、それがあのクラブにいるための基本的な必要条件だった。

彼らの中でも、ロナウドとセルヒオ・ラモスがチームのリーダーだった。それは、試合前に彼らがチームの仲間たちに話し掛けるということを意味していた。

ロナウドはチームのことを気にかけていた。彼は、試合が終わった後もチームメイトと一緒にいて、試合で何があったか話すことを好んでいた。何がうまくいったか、何がそう良くはなかったか。冗談をいうことも、好んでいたよ。あそこでの2年間、楽しいことがいろいろあった。レアル・マドリーのためにプレイし、そして世界が毎試合ゴールすることを期待している時でさえも、それは、時々ジョークを言ったりすることもできない、という意味にはならないのだ。

時折、彼が代表戦から戻ってきた時に、ポルトガル代表でゴールできていなかったら、私は彼にこう言った。「やあクリスチアーノ、どうしたんだい? あっちへ行ってゴールできなかったじゃないか?」彼はこう答える。「ボス、心配いらない。次の試合でゴールするよ。」

だいたいにおいて、彼は実際そうした。私がレアル・マドリーを率いていた2シーズンで、112ゴールだ。すごい数字だ。私は彼に、どちらのサイドからGKを打ち負かすかを教えたと言いたいが、ああいった子の場合には、ただ彼の好きなようにやらせればいいだけだ。

彼を監督することは楽しい。私たち皆が、彼があれだけ強くなるために注いでいるトレーニングのことを知っているし、トレーニンググラウンドでの彼の完璧主義は、テクニックにも現れている。彼はまた、現代の試合で求められるトップ選手であるための多くのことを理解している。そしてリカバリーのことも。リカバリーは、試合と試合の間にするもので、多くの意味を持つ。彼は常にメディカルスタッフと話し合っていて、彼が必要とするものを実現しようとしていた。

私の最初のシーズン、彼は2月と3月の9試合に連続して出場し、その全てでゴールを決めていた。その次のシーズン、彼は8月の終わりから11月にかけて、13試合続けてゴールを決めていた。9月には、中3日を挟んだ2試合で、7ゴールを決めた。デポルティーボ相手に3ゴール、エルチェに4ゴールだ。

あの子は、試合のために生きている。全ては、試合にフィットするよう構成されている。リカバリー、何を食べたか、いつ食べたか、コマーシャル活動、プライベートライフでさえも。すべてが、彼がピッチに足を踏み入れた時に、自身のパフォーマンスが絶対的に最高であるよう、オーガナイズされていた。

試合に出るたびに常に100%である選手などいないだろう。でもロナウドは、決して大きな怪我もしなかった。なぜなら彼は、その種の問題を避けるサポートになるような予防トレーニングを、非常にたくさんやっていたからだ。

ピッチで物事がうまくいっていない場合、彼はそれを隠そうとしない。それこそが、水曜にポルトガルがハンガリーと戦った試合で起きたことで、それはマドリーでプレイしている時も同じだ。私が監督をしていた2シーズンで、それぞれ1回ずつ彼は退場になっている。最初がアスレチック・ビルバオ戦で、彼はカルロス・グルペギ、アンデル・イトゥラスペと対立した。彼らはロナウドを挑発した。多くの場合、それはうまくいかない。でもあの日は、そういう日ではなかった。後で私は彼に、私がその場面を見ている間に何が起きたか、レッドカードは彼の助けにもチームの助けにもならないということを伝えた。私たちは引き分けで持ちこたえたが、彼も、チームが彼を必要としていることを知ったのだと思う。彼はそれを理解した。

誤解しないでほしいが、他チームのDFたちによる彼への対応は、ディエゴ・マラドーナがいた1980年代によくあったような、暴力とは関係のないものになっている。ありがたいことに、その頃に比べるとフットボールは変化した。だが、そういうことは1人の選手を悩ませるものになっている。そしてクリスチアーノは常に、反応しないという防御とともにあらねばならない。

彼の本来の個性は、ケンカを面白がるというような人間ではない。むしろ彼は、ただプレイしたいだけの人間だ。彼にボールを与え、サイドを任せることだ。彼は、自身がベストの状態である時には誰も彼と一緒にはいられないことを知っている。誰が彼をマークしているのかということすら、彼が知っているかどうか不思議に感じた時期もあったほどだ。

彼はポルトガルのことをとても気にかけている。彼が決して代表の試合から逃げたことがないことからもわかるだろう。
私が指揮していた頃の、ロッカールームでの彼のベストフレンドは、他のポルトガル人選手だった。ペペとコエントランだ。もし彼がスペイン人だったら、これまでに彼はEURO2回とW杯1回を勝ち取っていたはずだ、いや、おそらくもっと多くを。

ポルトガルのためにプレイすることは、彼にとって本質的なものだ。国際大会の舞台でもタイトルを勝ち取りたいだろうが、ほとんどの人がそうはできないのだ。うまくいかない場合は……まあ、そういうものだ。
ポイントは、彼が自身の国、ポルトガルを大切にしていること、他のものと同じくらい重要なものだと示したということだ。時に、偉大な選手としてでも、そのことだけで幸せでいなければならないことがある。たとえそう望んだとしても、国を替えることができるようにはなっていないのだから。


私はよく、リオネル・メッシについて、そしてクリスチアーノが彼のことをどう気にしているかを聞かれる。真実を言うと、マドリーでの日々の全てを、メッシについて話すために費やしたりはしなかった、ということだ。

クリスチアーノは、メッシを尊敬している。とても尊敬している。私の考え方では、彼らはお互いを必要としているのだ。新たな高み、新たなゴール記録に向けて、お互いを押し上げているのだ。ロナウドは2003年にマンチェスター・ユナイテッドと契約し、最初の国際大会を2004年に戦った。12年がたって、彼は今でも最大の欧州のスターだ。これは驚くべきことだ。

仮にどちらかがいなかったとしたら、クリスチアーノかメッシのどちらかがおそらくバロンドールを8回取ったかもしれない。1人が3回、もう一方が5回というのではなくて。いや、きっと、お互いがお互いを押し上げなければ、これほどの高いところまではいかなかっただろう。監督として、ロナウドを指揮できたのは喜びだった。

彼は毎週プレイしたがったし、毎週ゴールを決めたがった。試合の前夜に、彼の準備は整っているだろうかなどと心配して眠りにつくようなことは決してなかった。

(以下略…EUROの他国の話になるので)

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2 コメント

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Unknown (はちこ)
2016-06-27 07:43:33
ポルトガルとクロアチア戦、どうなることかと思いながら観ていましたが、最後の最後でポルトガルが勝利を掴みましたね。(もうPKになるのかなあと思っていました笑)
個人的にぺぺが素晴らしかったと思います。

モドリッチが悲しんでるの姿を見るのは胸が痛みますね……
モドリッチやコバチッチの分も、勝ち進んだマドリーの選手みんなに頑張って欲しいです。

アンチェロッティの記事の訳もありがとうございます!いつもありがたく読ませていただいています!
ほんとにアンチェロッティって人格者だなあ、と改めて思いました。アンチェロッティのバイエルンも楽しみにしています。がんばれ!
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Unknown (Unknown)
2016-06-27 14:37:46
個人的にポルトガルを応援していたので嬉しいですが、モドリッチの涙にはウルッとしてしまいました。
ぺぺのキャリアハイはいつまで続いてくれるかな…
アンチェロッティの記事も、ありがとうございます!
アンチェロッティの元でレナトサンチェスがどこまで成長するか楽しみです。
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