負傷と闘う
昨年7月に膝蓋骨を負傷して以来ピッチに戻ることができないでいるセビージャのカピタン、ハビ・ナバーロ。プレイの荒っぽさではリーガトップクラスなだけにお好きではない方もいらっしゃるかもしれませんが、自身の現状を語るインタビューがとても心に重く響くものでした。既にgoal.comにも出てますが、自分なりに、El Paisの記事の訳を。
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セビージャのカピタン、ハビ・ナバーロは、自身を苦しめる長引く膝の怪我からの回復を目指してトレーニングを続けている。いかなる事態であっても、彼はこの状況を乗り越えられると信じて言う。「こんな形で私のキャリアを終わらせたくはない」。しかし実際は、望んでいたほどの回復がないことを彼は認めている。
「この状況から回復するためにトレーニングを行っている。私がチームに合流できるように皆で努力を続けているが、膝は私が望んでいたほどの回復はしていない。今は、クガット医師(バルセロナにいる膝負傷の権威。靭帯など膝に重傷を負った多くの選手がこの医師の診療を受けている)に会って、私たちが他の手段をとったほうが良いのかコメントをもらうつもりでいる。今までと同じように、忍耐強くトレーニングを続けていくことになると思ってはいるのだが。私の負傷は骨の問題で、骨にダメージを与えないようにする必要がある。骨は再生している。手術に戻る必要があるとは思っていない。」
いずれにしても、ハビ・ナバーロは諦めない。
「時間の制限は設けない。私には1年間の契約が残っていて、トレーニングを続けていくのはここだ。あるいは、そうでないか。自分がフットボールプレイヤーだと感じられるように戻りたい。こんな形で私のキャリアを終わりたくはないんだ……。時間が私にとって逆風になっていることは確かだ。それでも私の場合は同じこと、時間の期限を置かずに闘い続けていくつもりでいる。もし時間の期限を置いてそれが達成できなければ、さらに悪い状態に落ち込んでしまうだろうから。一番良いのは、トレーニングを続けていくこと、そして具体的な日を決めないことだ。」
だから、ハビ・ナバーロは現実的に将来を見つめてはいるが、腕を下げることもしない。
「充実感など存在しない。なぜなら私は、トレーニングはしているにしても1年に渡って負傷しているからだ。重要なのは、同じ望みを持ち続けていくこと、そして油断しないこと。気持ちをコントロールするのはすぐに難しくなる。良い時と悪い時があるのに、外面では尋ねられたことに毎日同じことを繰り返す、これは厳しいことだ。でも事実そういうものだ。」
それでも、ハビ・ナバーロは、復帰し活動できるようになる日を思い描く。
「できる限り早くプレイに復帰すること、今シーズンのうちにフットボールプレイヤーとしての感触を得ること、という想定をしている。4ヶ月以内なのか、5ヶ月、6ヶ月かかるのか、今シーズンいっぱいかかって翌シーズンプレイできるのか、私にはわからない。私が望むのは、復帰すること、良い感触を得られること、膝の状態が良くなること。それをここでやりたい。ここで引退したい。今シーズン何試合かプレイして。あるいは外へ行く場合には、それでもフットボールをするのであって、背後のドアからいなくなるようなことはしたくない。」
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ハビ・ナバーロは現在34歳。キャリアの終わりをできる限り理想の形で迎えることを考える年齢なのに、思ったとおりに物事が進まないまま1年が過ぎてしまった。先行きが不安なまま日々のリハビリトレーニングをこなしていかなければいけない。「こんな状態でキャリアを終われるか」といういかにも彼らしい強い気持ちと、「フットボールプレイヤーだと感じていたい」というささやかな希望。普通に活動できている選手にとっては当たり前のことかもしれないのに、今のハビ・ナバーロはそれを望んでいるだけの状態。強い選手であっても心が揺れてしまうこともあり、でもそんな自分を奮い立たせている。プロフットボーラーとしての強さと脆さ、両面が見えるインタビューだったように思います。
そして、昨シーズンの、3ヶ月に渡って負傷→リハビリ→再発→リハビリ→別の負傷…の悪夢のスパイラル(しかもシーズン終わりには腹痛で入院)に陥っていたモリエンテスはどうだったんだろう、とそんなことも思ったのでした。時にキャリアの終わりを匂わせるようになってきて、現役を続けていくことに強烈に執着しているわけではないように見えることもある。でも、負傷から回復し、どん底のチームに復帰してゴールできない数試合を経た後に、国王杯ファイナルで決めたゴールへの狂喜。ああいった時が「フットボールプレイヤーであること」を強烈に感じられた瞬間だったのではと思うし、それがプロフェッショナル生活を続けていく原動力になってくれれば……と、要するに長く現役でいてくれ、という話でした。だいぶずれた。
濃縮
湿っぽい話になったので、明るい(?)話をMARCAから。タイトルは「クンがディエゴ・アルマンド・マラドーナをお爺ちゃんにする」。
そうです。マラドーナの娘かつクン・アグエロの彼女であるジャンニーナさんが妊娠6ヶ月であるのだそうであります。マラドーナの血1/4にクン・アグエロの血を1/2混ぜた、フットボールの申し子が産まれてくる…かもしれません。
この画像見てると、クンとマラドーナが結婚するように見えかねませんが、違います
昨年7月に膝蓋骨を負傷して以来ピッチに戻ることができないでいるセビージャのカピタン、ハビ・ナバーロ。プレイの荒っぽさではリーガトップクラスなだけにお好きではない方もいらっしゃるかもしれませんが、自身の現状を語るインタビューがとても心に重く響くものでした。既にgoal.comにも出てますが、自分なりに、El Paisの記事の訳を。
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セビージャのカピタン、ハビ・ナバーロは、自身を苦しめる長引く膝の怪我からの回復を目指してトレーニングを続けている。いかなる事態であっても、彼はこの状況を乗り越えられると信じて言う。「こんな形で私のキャリアを終わらせたくはない」。しかし実際は、望んでいたほどの回復がないことを彼は認めている。
「この状況から回復するためにトレーニングを行っている。私がチームに合流できるように皆で努力を続けているが、膝は私が望んでいたほどの回復はしていない。今は、クガット医師(バルセロナにいる膝負傷の権威。靭帯など膝に重傷を負った多くの選手がこの医師の診療を受けている)に会って、私たちが他の手段をとったほうが良いのかコメントをもらうつもりでいる。今までと同じように、忍耐強くトレーニングを続けていくことになると思ってはいるのだが。私の負傷は骨の問題で、骨にダメージを与えないようにする必要がある。骨は再生している。手術に戻る必要があるとは思っていない。」
いずれにしても、ハビ・ナバーロは諦めない。
「時間の制限は設けない。私には1年間の契約が残っていて、トレーニングを続けていくのはここだ。あるいは、そうでないか。自分がフットボールプレイヤーだと感じられるように戻りたい。こんな形で私のキャリアを終わりたくはないんだ……。時間が私にとって逆風になっていることは確かだ。それでも私の場合は同じこと、時間の期限を置かずに闘い続けていくつもりでいる。もし時間の期限を置いてそれが達成できなければ、さらに悪い状態に落ち込んでしまうだろうから。一番良いのは、トレーニングを続けていくこと、そして具体的な日を決めないことだ。」
だから、ハビ・ナバーロは現実的に将来を見つめてはいるが、腕を下げることもしない。
「充実感など存在しない。なぜなら私は、トレーニングはしているにしても1年に渡って負傷しているからだ。重要なのは、同じ望みを持ち続けていくこと、そして油断しないこと。気持ちをコントロールするのはすぐに難しくなる。良い時と悪い時があるのに、外面では尋ねられたことに毎日同じことを繰り返す、これは厳しいことだ。でも事実そういうものだ。」
それでも、ハビ・ナバーロは、復帰し活動できるようになる日を思い描く。
「できる限り早くプレイに復帰すること、今シーズンのうちにフットボールプレイヤーとしての感触を得ること、という想定をしている。4ヶ月以内なのか、5ヶ月、6ヶ月かかるのか、今シーズンいっぱいかかって翌シーズンプレイできるのか、私にはわからない。私が望むのは、復帰すること、良い感触を得られること、膝の状態が良くなること。それをここでやりたい。ここで引退したい。今シーズン何試合かプレイして。あるいは外へ行く場合には、それでもフットボールをするのであって、背後のドアからいなくなるようなことはしたくない。」
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ハビ・ナバーロは現在34歳。キャリアの終わりをできる限り理想の形で迎えることを考える年齢なのに、思ったとおりに物事が進まないまま1年が過ぎてしまった。先行きが不安なまま日々のリハビリトレーニングをこなしていかなければいけない。「こんな状態でキャリアを終われるか」といういかにも彼らしい強い気持ちと、「フットボールプレイヤーだと感じていたい」というささやかな希望。普通に活動できている選手にとっては当たり前のことかもしれないのに、今のハビ・ナバーロはそれを望んでいるだけの状態。強い選手であっても心が揺れてしまうこともあり、でもそんな自分を奮い立たせている。プロフットボーラーとしての強さと脆さ、両面が見えるインタビューだったように思います。
そして、昨シーズンの、3ヶ月に渡って負傷→リハビリ→再発→リハビリ→別の負傷…の悪夢のスパイラル(しかもシーズン終わりには腹痛で入院)に陥っていたモリエンテスはどうだったんだろう、とそんなことも思ったのでした。時にキャリアの終わりを匂わせるようになってきて、現役を続けていくことに強烈に執着しているわけではないように見えることもある。でも、負傷から回復し、どん底のチームに復帰してゴールできない数試合を経た後に、国王杯ファイナルで決めたゴールへの狂喜。ああいった時が「フットボールプレイヤーであること」を強烈に感じられた瞬間だったのではと思うし、それがプロフェッショナル生活を続けていく原動力になってくれれば……と、要するに長く現役でいてくれ、という話でした。だいぶずれた。
濃縮
湿っぽい話になったので、明るい(?)話をMARCAから。タイトルは「クンがディエゴ・アルマンド・マラドーナをお爺ちゃんにする」。
そうです。マラドーナの娘かつクン・アグエロの彼女であるジャンニーナさんが妊娠6ヶ月であるのだそうであります。マラドーナの血1/4にクン・アグエロの血を1/2混ぜた、フットボールの申し子が産まれてくる…かもしれません。
この画像見てると、クンとマラドーナが結婚するように見えかねませんが、違います
そうあってほしいです。でもやっぱりファンというのは欲張りなもので、「もう少しもう少し…」なんて思っちゃったりもするんですが。
>今年は集大成になるんじゃないかなぁ、モロ。
バレンシアとの契約最後の年ですね。高い望みを言うならば、いい形でタイトル、リーガかUEFA杯か、取ってほしいなと思います。ごく普通の望みを言うなら、怪我なくシーズンを通して出場できるようになってほしい。もしFWの補強がなければ、やっぱり出番はしっかり回ってくると思うので、必要なときに十分な仕事ができるように。
明日からシーズンインですね。
モリエンテス、僕もながーいこと追っかけてきたので、愛着があって、ケガの多い選手だったけど、もう少しプレーを見ていたいなぁと思ってます。
納得できる形で選手が現役を終えることが出来ればいいんでしょうけど、今のサッカー界はそんなにやさしくはない、のも確かですし。
今年は集大成になるんじゃないかなぁ、モロ。