けんきゅうきろく(と、あともうひとつ)

レアル・マドリー、リーガエスパニョーラ関係の、なんとなく気になるニュース。

もっとモドリッチ

2014-02-22 13:58:24 | football
エルチェ戦、召集選手
GK:イケル、ディエゴ・ロペス、ヘスス
DF:バラン、ペペ、セルヒオ・ラモス、ナチョ、コエントラン、カルバハル、アルベロア
MF:ベイル、シャビ・アロンソ、カゼミロ、ディ・マリア、イスコ、イジャラ
FW:クリスチアーノ・ロナウド、ベンゼマ、モラタ、ヘセ、

サスペンション:モドリッチ
負傷欠場:ケディラ
監督判断:マルセロ

モドリッチが不在のエルチェ戦、調整がマイペース気味だったシャビ・アロンソもラモスもリスト入り、実際に先発でなくても、いつでも出られる状態なら安心です。マルセロが召集から外れていますが、どうみても元気そうなので、おそらく左はコエントラン先発で確定、何かあってもアルベロアもいるしナチョもいるしで、対応できるだろうということでしょうか。
問題のクリスチアーノの召集入り、3試合のサスペンションは多すぎるという抗議をマドリーは続けていたようですが、この抗議が審理されないまま放置され……途中の顛末はよくわからないのですが、スペインのスポーツ関係の審理機構がいろいろ改編されたそうで、新しいスポーツ裁判所が土曜日に発足して、最初に審理されるのがクリスチアーノのケース、ということになるんだそうです。サスペンションが軽減されれば、今夜のエルチェ戦に出場する可能性もあります。休ませておいても良いんじゃないか、という気はしますが。
試合は本日16時とまた早め。日本時間で24時からになります。



モドリッチ、BBCのインタビュー
長いので全部読むつもりはなかったんですが、子供の頃のエピソード等を見て、つい全部……。元が英語なので、英語が得意な方は直接そちらを読まれる方が良いかもしれません。
--------------------------------
2012年8月、トッテナム・ホットスパーからレアル・マドリーに3300万ポンドで移籍したクロアチア人MFは、大金の浪費だと厳しく糾弾される危険の中にいた。
ジョゼ・モウリーニョの下での出場は不定期であり、スペイン紙MARCAの読者による投票で「シーズン最悪の補強」となったように、レアル・マドリーのファンの一部は彼の売却を望んでいた。
カルロ・アンチェロッティの下で替えの効かない存在となっている現在まで話を進めると、気難しいベルナベウのファンは、彼の名前をチャントするようになり ―彼らはモドリッチに、19番の代わりに誉れ高い10番を付けるよう望んでいる― そう求める人々は増えている。長く待ち望んでいたのだろう。
多くの人たち、レアル・マドリーの元スポーツ・ディレクターであるプレドラグ・ミヤトビッチも含め、現在28歳のモドリッチは、クラブにとって最も重要な選手であるクリスチアーノ・ロナウドと同等の存在だと信じている。

「レアル・マドリーを出ようと思ったことはないし、ここに来たのが間違いだったと思ったこともない。」とモドリッチは、乞われることのない自信の表情で、BBC Sportに語った。「レアル・マドリーと契約したのは、僕の夢がかなったということだった。ここにできるだけ長くいたい、もし可能なら、ここで僕のキャリアを終えたい。」
「スペインでの生活を本当に楽しんでいるんだ。マドリードは大きくて美しい街、散歩するのにちょうど良い大きな公園もある。街角や美術館、歴史的なモニュメントもたくさんある。でも、僕は家にいる方が好きな人間で、妻と子供たちと一緒に家で過ごす方が快適に感じられるんだ。一緒に遊んで、アニメを見たり、どこの家族もそうするようにね。」

モドリッチは世間の評判を求めるような人間であったことはない。「あれこれ話すのは好きじゃない、むしろピッチの中で話をする方が好きだ。レアル・マドリーTVを除いたら、今回が一番大きいインタビューになるね。」しかし我々がバルデベバスのトレーニング施設で彼に会った時、彼はこれ以上ないほどリラックスして歓迎してくれた。
ダメージ加工のジーンズを履いた、シャギーヘアで生意気そうな笑顔は、静かだが快活で、プライベートでは温かい、くつろいで気取らない好人物のキャラクターを反映したものだ。温和なギャラクティコ、誠実で知的な性格は、彼が家族や友人、ファンにも同様に愛されるものだ。
しかしその下に潜んでいるものは、まぎれもない不屈さと意思の強さ、勝利を求める凄まじい意欲とがある。こうしたことはすべて、困難と挑戦の人生からきたものだ。

1991年、モドリッチの家族が戦争で荒廃したクロアチアにある自宅から逃れなければならなかったとき、彼はわずか6歳だった。家族は、湾岸の街サダールにある軍所有のホテルに移った。彼の父親は軍隊に加入し、彼の祖父は殺された。金も食物も供給が足りなかった。
地元のフットボール場には手投げ弾が投げ込まれる中、モドリッチはホテルの駐車場でその技術に磨きをかけ、そこから頂点へ向かう彼の旅を始めた。NKサダールに加入し、ボスニアのZrinjski Mostar、クロアチアのInter Zapresic のローン期間を介して、ディナモ・ザグレブへ。

ディナモでの彼の成長は、2008年の1650万ポンドでのトッテナムへの移籍に先んじていた。負傷や彼のフィジカル状態への疑問が、彼が本当に輝きを発し始める前に克服される必要があったが。
「トッテナムには素晴らしい思い出がある。多くの思い、クラブやファンからのたくさんの愛情と共に、素晴らしい4年間を過ごした。トッテナムでのすべての時間を楽しんだよ。でも、前へステップを進める必要を感じるという時が来た、より高いレベルへ行くんだと。」
「移籍するのにちょうど良い時だったと思っている。でも、トッテナムが僕に対してしてくれたことすべてにいつも感謝していくことだろう。あそこで僕はより良い選手になり、彼らが、僕が今いるこのレベルにまで押し上げてくれた。いつでもトッテナムのファンでいるし、できる時はいつでもトッテナムのことをフォローしている。」

モドリッチは丁寧に、彼が若いころの記憶について話し合うのは避けられるかと尋ねてきた。しかし、彼がレアル・マドリーを象徴するものの意味を説明する時に、その感情はまだはっきりそうと分かるものだ。
「こういったスペシャルなクラブのためにプレイする感覚を表すのに最適な言葉は、”ユニーク(他に存在しない、唯一の存在)”だと思う。ここに着いた最初の瞬間、お披露目でベルナベウのトロフィールームを歩き、トロフィーやレアル・マドリーのレジェンドたちの写真を見て、自分がどこへ来たかわかった。」
「自分が来たこの場所をとても名誉に感じている。自分がフットボール選手になった時に夢見たすべてのものは、レアル・マドリーのようなビッグクラブのためにプレイすることだった。レアル・マドリーは、フットボールの歴史上、おそらくもっとも有名で最高のクラブだ。」

プレミアリーグで最高の選手になるには「軽すぎる」だろうと批判されていた5フィート9インチ(175cmくらい)のモドリッチにとって、悪い移籍ではなかった。
「人々は評価をしたがるし、それぞれで結論をつけたがる。他の人が僕について何か言ったことを気にしたことはない。僕には自分の目標がある。僕は自分自身を信じているし、決してそれを止めない。僕は人生で多くの困難を潜り抜けてきた。でも、そういったことはすべて、僕をより強く、より良い人間にしてくれた。」
「そういう批判はすべて、そういった人々に彼らが間違っているんだということを見せるために、人を前に押し出してくれる。たぶん僕は軽すぎるように見えるんだろう。でも僕はメンタル面でもフィジカル面でも、本当に強い人間だ。自分の身体で問題を感じたことはまったくない。」
これは、モドリッチが今シーズンのレアル・マドリーのリーガの試合で、最もタックルをしている選手(56回)であるという事実や、リーガの試合での1試合当たりの平均タックル数2.86回は、ディナモから移籍して以来自己最高の数字だということで説明できるだろう。

そして、改良されているのは彼のタックルだけではない。アンチェロッティがモウリーニョの後を引き継いで以来、モドリッチはシャビ・アロンソ、アンヘル・ディ・マリアと共に恐るべき中盤中央の連携を作り上げ、その過程で数字的に彼の試合のあらゆる面を実質的に向上させた。
最も顕著なのが彼のパスだ。ラ・リーガの試合で、敵陣内でのパス成功数878は、レアル・マドリーで簡単にトップの数字となる(次いで多いのはディ・マリアの650)。
彼のリーガの試合におけるパスの正確率は90%で、ディナモから移籍して以来自己ベスト、そして欧州のトップ5リーグで5アシスト以上をしているミッドフィルダーの中でも最高値だ。モドリッチは既に6アシストをしているが、これもディナモから出て以来の自己最高を既に塗り替えている。

「最初は少し困難があった。プレシーズンを完全にできなくて、ロンドンで個人練習をしていた。遅れてここにやってきて、すべてがうまく収まるまでに時間が必要だった。」
「それ(MARCAの調査)は、まったく僕に影響を与えなかった。遅かれ早かれ自分のクオリティを示せるだろう、なぜ僕がここにいるのか、なぜレアル・マドリーが僕を連れてくるのにあれだけの努力をしたのか、その理由を誰に対しても示せるだろうとわかっていたから。」
「僕は、前監督(モウリーニョ)から大きなサポートを受けていた。彼は、僕をここへ連れてくるためにあらゆることをしてくれた、そのことに感謝しているよ。最初は、僕が簡単に慣れられるようにとすごく手助けしてくれた。僕が十分にフィットする頃には、僕はどんどん良くプレイできるようになり始めた。彼の戦術が僕にとって問題になったことはまったくなかった。」

これまでのモドリッチのレアル・マドリーでのキャリアのある瞬間が、何にもまして鳴り響いた時があるとすれば、それは昨シーズンのチャンピオンズリーグ、マンチェスター・ユナイテッド戦でベンチから登場した後に彼が見せたものに間違いない。
「僕が交代で入って、試合を変えた。僕がゴールを決めて、そのあとでもう1つ入り、2-1で勝ったんだ。あれは、僕にとって、レアル・マドリーでの僕のキャリアにとって、ターニングポイントだったよ。あの試合から、なぜ僕がここにいるのかを人々が理解し始めて、レアル・マドリーでの僕のキャリアはそれからずっとうまくいっている。」
「監督(アンチェロッティ)からは、大きな信頼を得ている。初めから、彼は僕から得たいと思っていること、チームにとって僕がどれだけ重要かということをはっきりさせてくれた。それが僕を大いに助けてくれたし、僕はピッチ上で自分のクオリティを示すことができた。」
「昨シーズン、僕は何試合か良い試合ができたけど、僕たちの結果は伴わなかった。それで、人々が僕のパフォーマンスに満足いかなかったのかもしれない。今シーズン、僕は自分の絶頂期にあるし、僕たちも良い結果を得ている。僕たちは3つの栄冠に向かって戦っているし、本当に、本当にうまくいっていると感じている。」

レアル・マドリーはバルセロナ、アトレチコと同勝ち点でリーガのトップにあり、歴史上初めて決勝まで無失点で勝ち進んだチームとして国王杯ではバルセロナと対戦する予定であり、チャンピオンズ・リーグ決勝トーナメントではシャルケと対戦する。
モドリッチは、チームが3つすべてのトロフィーを勝ち取れるだけのクオリティがあると感じているが、特にチャンピオンズ・リーグに重きを置いている。レアル・マドリーは「ラ・デシマ」、10個目の欧州杯を切望して求めているのだ。そしてモドリッチ自身も、彼のキャリアにおける最初のメジャータイトルを待ちかねている。

ハードワークは止まらない。
「今現在本当にスペシャルな時を過ごしている。でもこれは、もっとやっていきたいという方向に僕を押し出すだけ、リラックスはしない。なぜなら、ここがリラックスすることなどできないクラブだからだ。昨日あったことは、明日のためには働かない。常に自分自身を高めていかなければいけない。ファンもクラブも、とても要求が高いからだ。」
「ここみたいなクラブは他にないと思う。ものすごく多くのものを求め、常に試合において最高であることを強要する。このプレッシャーはとても大きいものだ。でも、僕はプレッシャーが問題になったことはない。プレッシャーが好きだ、プレッシャーは僕をより良い方向に押してくれる。」


ベイルについて
「ギャレスは素晴らしい選手だ。世界最高の選手の1人になるだけの必要なものをすべて持っている。そのレベルに彼が達したら、彼がすべてだ。今、ロナウドが最高の選手だ。彼のレベルに到達するのは本当に大変だろう。でもギャレスはあらゆるクオリティを備えている。強くて、パワフルで、スピードがあって、シュートもすごくうまくなっている。」

リーガのタイトル争いについて
「より多くのチームがタイトル争いにかかわるのは良いことだ。アトレチコ・マドリーは素晴らしいシーズンを送っている。誰もが彼らが落ちることを予想しているけれど、彼らは進み続けている。シーズンの終わりまでまだたくさんの試合があるし、僕たちは今やっているように戦い続けなければいけない。おもしろいことになるだろう。3月がラ・リーガにとって重大な月になると考えている。タイトルをより多くのチームが争うのは、いつでも良いことだよ。」

ラ・リーガかプレミアか
「どちらのリーグも素晴らしい。僕の考えでは、たぶんスペインがよりテクニカルで、プレミアがよりスピードがあり激しいと思う。試合の最初から最後まで、リズムが本当に高くて、アップダウンがあり、とてもスピードがあって激しいフットボールだ。」
「ラ・リーガではよりテクニカル。でも、リーガにはもっとたくさんスペースがあって楽にプレイできるだろう、そういう話をいっぱい聞いてきたけど、そんなことはない。スペースはそんなにないし、特にアウェイで対戦する時は。それに、ラ・リーガで良いプレイをするには、テクニック面だけではなくフィジカル面でも強くなければいけない。簡単なリーグじゃないよ。でも僕にとってはどちらも同じクオリティ、どっちがどっちより良いということは言えないね。」
--------------------------------



おまけ
先日のヘタフェ戦後、モドリッチを祝福する画像をInstagramに載せたアルベロア。
「Great victory this afternoon!!! Very happy for my friend @lukam10!!! What a player!!!!! A seguir así!! Ahora y siempre.. ¡¡¡HALA MADRID!!!
(素晴らしい勝利だったよ! 友人ルカのことが本当に嬉しい! なんて選手なんだ! この調子でいこう、今も、これからも…Hala Madrid!!)」

そこにコメントを書き込んだモドリッチ
「@17arbeloa thank u my friend,it's for u,cause u always pushing me to shoot more..
(ありがとう、君のおかげだよ、いつも君がもっとシュートを打てって僕をプッシュしてくれるからだ)」

アルベロアの返事
「@lukam10 because you are the best! Ok, may be Not in football-tennis eres grande, Lukita!!
(だってお前は最高だから! まあたぶんフットボールテニスではそうじゃないかもな。グランデ、ルカ!)」

最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Unknown)
2014-02-22 16:55:09
ユナイテッド戦のミドルは衝撃的でしたね。
コースもノーチャンスだったし超かっこよかったの覚えてます。
緑のユニフォーム思い出します。最近のマドリーはいろんな色のユニをだしておもしろいですね。
返信する
Unknown (本人)
2014-02-24 17:57:21
>Unknown さん
元のBBCの記事の中にもありますが、あの濃い緑のユニで弾丸ミドルを放つモドリッチの姿、印象深いですよね。マドリディスタの間で、ずっと語り継がれるゴールの1つになるんじゃないかと思います。
返信する
Unknown (s子)
2014-02-26 14:08:40
初めてコメントします。
BBCのインタビュー翻訳して下さり感謝です。
ザグレブ時代からトッテナムを経てマドリーまでずっとモドリッチのサッカーを追ってきたのですが、今の活躍嬉しい限り。スパーズを去るときは寂しかったですがインタビューではその事にも触れていたのも嬉しかったです。
返信する
Unknown (本人)
2014-02-27 22:50:36
>s子さん
長くモドリッチをご覧になっているんですね。
見た目は小柄、マドリーでは他の選手たちにも好かれ、笑顔で和気藹々やっているのですが、時折冷静で、ハッとするくらい毅然とした一面も感じられることもあり、今回BBCの記事を見て、複雑な国の事情の影響を受けてしまった子供時代、スパーズ時代を経て、今のモドリッチがいるんだなあと、改めて実感しました。
返信する

コメントを投稿