ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

4 猛獣使いのプリンス 128ページ目

2010-08-18 05:26:42 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
【128ページ】


 社長は、和音の言葉につられて、天井を見上げた。

しかし白浜は、和音のワインを見つめたままだった。


和音  これは、偶然見たアニメのキャラクターが相手の注意をそらす為に言ったのです。

    社長はひっかかりましたが、白浜さんの集中力はすばらしい!

社長  ゴーヤが空を飛んでいるか? 

    面白い、会議の時に言ってみよう!

    天井を見たら、私の話を集中して聞いていないやつだな?

和音  さて、ワイン名の答えですが、しぼられてきましたよ。

    ボルドーのワインで、ライオンのイメージが浮かぶワインと言えば、

    シャトー・レオヴィル・ラス・カーズです。

社長  答えは、シャトー・レオヴィル・ラス・カーズ?

和音  ライオンのワインはもうひとつあるのです。

    それは、シャトー・レオヴィル・ラス・カーズのセカンドワインの

    ル・プティ・リオンです。

社長  和さんほどのテイスティング力をもってすれば、すぐわかるでしょう?

和音  トラップにはま・・・・・。

社長  トラップ?

和音  いえ、ひとりごとです。

    ル・プティ・リオンは最近できたセカンドワインです。

    今飲んだワインは若いヴィンテージのワインなので見分けが難しいのです。



4 猛獣使いのプリンス 127ページ目

2010-08-17 22:26:41 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
【127ページ】


 和音は、ホットワインでクローブを、クッキーでもクローブを摂取していった。

クローブは、以前歯痛の痛め止めとして使用されていた。感覚を麻酔させるほどの強い

作用があるのだ。


 和音の摂取したクローブの量は、少量だった。しかし和音の鋭い味覚を少し鈍くさせるに

は充分であった。


社長   和さん、最後のテイスティング対決です。

     あちらのワイン名を当ててください。

 
 社長の専属ソムリエが、ワインを抜栓し、グラスに注いだ。その間中、白浜は強い気を

送っている。


社長   さあ、どうぞ!

和音   とてもおいしいボルドーのワインだ!

     白浜さんから強い気を感じるのですが?

社長   和さんのテイスティングを集中して見ているのでしょう。

和音   私には、このワインからライオンの気配を少し感じたのですが、ライオンの

     風格がまったくないのです。

     まさか、白浜さんが?

社長   たとえ猛獣のラベルのワインだったとしても、白浜さんでもラベルの猛獣はどう

     にもできませんよ。 

和音   あっ、空にゴーヤが飛んでいる!

社長   ええ?

4 猛獣使いのプリンス 126ページ目

2010-08-16 22:35:30 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
【126ページ】


 和音は、最初のホットワインをさらに一口飲んだ。


和音   これは、あまりにもバランスがいい!

     ボルドーワインのカベルネ・ソーヴィニン、メルロ、カベルネ・フラン、   

     プティ・ヴェルドが熟成によって融和したように、シナモン、ナツメグ、

     クローブが融和している感じを受ける!

社長   和さんの答えは?

和音   これは、シナモンとナツメグとクローブを使って、今作ったホットワイン

     ではない!

     これらの三つの香りを持つオールスパイス使ったホットワインです。

     そして後から飲んだホットワインは、シナモンとナツメグとクローブを使って

     います。

社長   さすが和さん、スパイスの香りについても詳しいのですね?

     正解です!

     これらは、スパイスクッキーです。

     皆で使用しているスパイス名を当てながら、食べましょう。

     白浜さんからどうぞ!

白浜   これは、八つ橋のような香りがします。

     シナモンです。

社長   和さんどうぞ!

和音   私の食べたクッキーは、クローブの味がします。
  


 

4 猛獣使いのプリンス 125ページ目

2010-08-06 23:02:40 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
【125ページ】


 白浜は、「ワインのラベルから?」と問いかけながら、猛獣さえ従えさせる気を発した。


和音   猛獣の殺気のようなものを感じた瞬間、動物の気配が感じられなくなりました。

     さてヴィンテージだが、カベルネ・ソーヴィニヨンの若々しさから2,006年

     ではないかと思います。

社長   ワイン名もヴィンテージも正解です。

     和さん、ラベルを見てください。 

和音   シマウマですね。

白浜   ヤシの木にシマウマが首を伸ばしている!

社長   ヤシの木がワインで、シマウマがワイン愛好家では?と試飲会場でうわさされて

     いました。 

     一つ目のテイスティング対決は和さんの勝ちです。

     次は、スパイスです。

     ホットワインのグラスを2個用意しました。

     ふたつのホットワインのスパイスの違いは?

和音   どちらもシナモンとクローブとナツメグの香りがします。

     こちらのホットワインは、シナモンとクローブとナツメグのバランスが絶妙で

     す。

     もう一方は、クローブの香りが強いですね?ホットワインとしては、失敗だと

     思いますよ。

社長   和さんの答えはそれでいいですね?
   

4 猛獣使いのプリンス 124ページ目 

2010-08-05 22:57:52 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
【124ページ】


社長   和さんとワインを飲むのは楽しい!

和音   こちらこそ貴重なワインを飲ませていただいて!

社長   次にテイスティング対決に移ってもよろしいですか?

和音   ええ、いつでも!

社長   テイスティング対決は3番勝負です。

     一つ目は、ワイン名を当ててもらいます。

     二つ目は、スパイス名の勝負です。

     三つ目は、再びワイン名当てです。

和音   承知しました。

社長   それでは、紙に包まれたワインを開けます。


 社長の専属ソムリエによって、ワインが注がれた。


和音   これは、ボルドーのワインだと思います。

     ボルドーのワインの中でもカベルネ・ソーヴィニヨンのウェートが非常に高い味

     わいがする。

     これは、シャトー・ムートン・ロートシルトに間違いない!

     ヴィンテージは?

     おや?

社長   どうされました?

和音   白浜さんのように、私も動物の気配を少し感じました。

白浜   ワインのラベルから?