ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

4 猛獣使いのプリンス 127ページ目

2010-08-17 22:26:41 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
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 和音は、ホットワインでクローブを、クッキーでもクローブを摂取していった。

クローブは、以前歯痛の痛め止めとして使用されていた。感覚を麻酔させるほどの強い

作用があるのだ。


 和音の摂取したクローブの量は、少量だった。しかし和音の鋭い味覚を少し鈍くさせるに

は充分であった。


社長   和さん、最後のテイスティング対決です。

     あちらのワイン名を当ててください。

 
 社長の専属ソムリエが、ワインを抜栓し、グラスに注いだ。その間中、白浜は強い気を

送っている。


社長   さあ、どうぞ!

和音   とてもおいしいボルドーのワインだ!

     白浜さんから強い気を感じるのですが?

社長   和さんのテイスティングを集中して見ているのでしょう。

和音   私には、このワインからライオンの気配を少し感じたのですが、ライオンの

     風格がまったくないのです。

     まさか、白浜さんが?

社長   たとえ猛獣のラベルのワインだったとしても、白浜さんでもラベルの猛獣はどう

     にもできませんよ。 

和音   あっ、空にゴーヤが飛んでいる!

社長   ええ?