ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

ワインバーでのひととき セカンド(改訂) 1ページ目 美しい切子のワイングラス

2012-08-13 19:45:21 | ワインバーでのひととき2改訂三話まで完
【1ページ目】     第一話  美しい切子のワイングラス


 食品総合メーカー社長の鯵元は、切子職人の桐山が来るのを待ちわびていた。

鯵元は立ち上がって、切子のワイングラスが並べられているボードのところに行った。


「なんてすばらしい切子のワイングラスだ!」


鯵元は、つぶやいた。


ボードに並べられた切子のワイングラスは、すべて切子職人の桐山が製作したものだ。

桐山は、切子職人として全国的には名が知られていない。

なぜなら彼の製作した切子のワイングラスはすべて鯵元が独占し、世に出回っていないからである。


 そして今日が、桐山が新作の切子のワイングラスを持ってくる日であった。

「旦那様、桐山さんがお越しになりました。」


メイドが桐山の到着を知らせた。


「こちらにお通ししてください。」

しばらくすると、桐山が通されて、部屋に入ってきた。


「先生、お待ちしていました。 どうぞおかけください。」

「失礼します。」


桐山がソファに座ると、早速切子を取り出した。


「おっ・・・・」


鯵元は感嘆の声をあげた。


「今回は、オリンピックをイメージして、闘う女性を描いています。」

「こちらのワイングラスには、レスリングと柔道の女性のデザインですね?」


鯵元は、もう一方のワイングラスを手に取った。


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