ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

ワインバーでのひととき ファースト(改訂) 68ページ目 マジシャンソムリエとの対決  

2012-03-16 20:54:24 | ワインバーでのひととき1改訂四話 完
【68ページ】


「モンラッシェをブーグロに戻します! ワン、ツー、スリー!」


 狩野は、掛け声と共に、ボトルを覆っていた2枚のハンカチを取り払った。

すると現れたワインは、元のシャブリ・グラン・クリュのブーグロであった。

狩野は、二つの新しいワイングラスにそれを注いだ。


「和音さん、高木社長、どうぞブーグロを!」


 和音は、グラスを手に取り、香りを嗅ぎ、口に含んだ。

同じように高木もワインを飲んだ。 


「とてもおいしいワインだ!」和音は、誉めた。

「このワインはブーグロだと思うのですが?」


高木は、和音に訊ねた。


「すばらしいマジックです。確かにブーグロで間違いないと思います。

狩野さん、ひとつ質問してもいいですか?」

「何でしょうか?」

「私が、もしブーグロを飲みたいと言わなかったら、このボトルはモンラッシェに

替わったいたでしょうか?」

「はい、ハンカチの中では、モンラッシェに替わっていました!」


「和さん、料理も食べましょう。」

「はい、いただきます。」


 しばらく伊勢の海の幸の料理とブーグロを楽しん後、狩野が言った。

「和さん、次のマジックを披露させて頂きます。」



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