ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

ワインバーでのひととき セカンド(改訂) 80ページ目 お礼のソムリエナイフ 

2013-04-18 23:05:53 | ワインバーでのひととき2改訂三話まで完
【80ページ】


「ああ、そうだよ!」


 人事部の和田が答えた。


「それじゃ、フレッシュなジュヴレ・シャンベルタンと同じブルゴーニュの

ボージョレー・ヌーボーと飲み比べしたらどちらがおいしいと思う?」

「ボージョレー・ヌーボーは軽い飲み口で、フルーティだから、酸味の強い

ジュヴレ・シャンベルタンよりおいしく感じると思うが・・・・。」


「そこ、そこ!」


 丸山はそこの部分を強調して言った。


「最近のフレッシュマンは、ボージョレー・ヌーボータイプが多いのよ。

営業で商談の練習をさせたら話はうまいし、プレゼンの説明をさせたらスラスラ

としゃべることができる。今年のフレッシュマンは出来がいいなあと皆が褒める。」


 丸山はジュヴレ・シャンベルタンを飲み干した。


「でもねえ、このジュヴレ・シャンベルタンのような深みがないね。

もし俺が人事部の採用係なら徹夜でナポレオンゲームをさせるのだが・・・・。

リーダーシップや補佐能力や連携力や協調性や駆け引きの交渉力や勝負力、体力、

そして何よりも目標達成力など一人一人の能力がすべて把握できる。」

「ナポレオンゲームってどんなゲームだ?」

「ええ、ナポレオンゲームを知らないの?

まあ、簡単に説明すれば、トランプの絵札20枚の内、何枚取ると宣言したナポレオンが

指名した副官と連携して、宣言した枚数以上獲得すれば勝ちで、連合国3名の包囲網に

その枚数を阻止されたら負けというゲームだ。」


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