ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

ワインバーでのひととき ファースト(改訂) 86ページ目 マジシャンソムリエとの対決  

2012-04-11 23:12:31 | ワインバーでのひととき1改訂四話 完
【86ページ】

 カベルネ・ソーヴィニヨンと言えば赤ワイン!

意表をついて、カベルネ・ソーヴィニヨンの白ワインか?

和音に、白ワインと思わせて実は赤ワインか?

これは、マジシャンソムリエの狩野が仕掛けた巧妙な心理戦であった。

和音は、残りのワインを飲み干した。


「直感を信じて答えを書きましょう。高木社長、筆ペンと紙の用意をお願いします。」


和音が、口頭で例えば白ワインと答えると、狩野がマジックで赤ワインに替える可能性を

防ぐために書面での回答を要望した。



「和さん、筆ペンと紙です。」


高木社長は、和音に手渡した。


「答えを紙に書くと、先程ワインマジックに使用したボックスに入れてもいいですか?」


「どうぞボックスを使ってください!」

狩野は、了承した。


 和音は二人に背を向けて、筆ペンで『シロ』と書き、ボックスに入れた。

狩野は、マジシャンの習性で、人の動作の観察力は鋭い。

和音は二人に隠して、『シロ』と書いたが、狩野は和音の答えを見抜いていた。


「和音さんが、答えを書いたので、ワインを覆っている紙を取り払いましょう。」


狩野は、紙に手を当てたが、すぐには破らなかった。


「和音さんの答えを当てましょうか?」

「判りますか?」

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