ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

あべのハルカズBAR 43ページ目  車が壁面にぶつかった

2014-06-05 06:55:33 | あべのハルカズBAR1 四話 完
【43ページ】




 晴数は壁面に近づき、村雨を供え、呪文を唱える。


「落書きした者に憑りつき、『落書き消して』と話し続けるように」


 晴数と3姉妹はタクシーに戻り、次の③の地点に向かい、5分程でその

場所に着いた。


 彼らは、再びタクシーを降りて、飼い犬に噛まれて壁面に車をぶつけた

場所を見た。

そこには、牙をむいた犬らしき動物がいくつも落書きされていた。


「なぜこんなことするのかしら?」


 香菜が怒った口調で言った。


「落書きした者に、噛みつく術をかけて!」

「あはは、香菜の気持ちは分かるが、攻撃してきていない相手の

人体にダメージを与えることができないよ」


 晴数は、村雨を壁面の下に置き、術を唱える。


「落書きした者に憑りつき、『自分の家や部屋に落書きせよ』と

せまるように」


 晴数は術をかけ終わると、3姉妹の方へ向き直った。


「これでどうかな?」


 3姉妹はにっこり頷く。


 彼らは、タクシーに戻り、②の地点へと向かった。


「この場所が問題かも・・・・」


 晴数が呟く。




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