12月1日に防衛省、環境省交渉を持ちました。
11月7日在沖米軍幹部が軟弱地盤の軍事上影響を与えることについて、
「修正できなければ影響は与えるかもしれない」「普天間飛行場を維持したい」と発言しました。
防衛省はこの間「設計変更は軟弱地盤の改良のためで、米側に伝えている」と回答してきていますが、
『軟弱地盤の改良の実現性について米側は了解しているのか』との質問には答えませんでした。
「米側は了解している」との回答が米国連邦議会などに伝わることを恐れたからです。
在沖米軍幹部の発言は、軟弱地盤の改良工事の実現性に不安を持っている表れです。
事前集会では、参議院外交防衛委員会での活動報告を
参議院議員の伊波洋一さんと高良鉄美さんから頂きました。
防衛省交渉の冒頭に、
署名「ジュゴンの海とやんばるの森を守りたい!辺野古のすべての工事を中止してください!」
2459筆を提出しました。
次いで、11月29日オスプレイが屋久島沖に墜落した事故に関して、
あまりにも対米追随的対応に終始する木原防衛大臣に抗議しました。
少なくとも住民、国民の権利を守る立場から横暴な米軍には抗議するべき、
とりわけ防衛省職員として声を上げるべきと批判しました。
交渉の重点は「軟弱地盤改良工事の実現性について米側の見解(了解しているか否か)」を質すことです。
防衛省からは従来の回答「(軟弱地盤の改良工事については)米側に説明しています」と異なり、
「地盤改良工事などの内容についても、米側に確認してきており、日米間に見解の相違はありません」と
踏み込んだ内容でした。
私たちは「(上記の)在沖米軍幹部の発言」は
1.新基地建設の軟弱地盤の改良工事への不安の表れである。
2.これを口実に、普天間基地に軍事上固執している。
と主張。だから、「日米間に見解の相違はある」と批判しました。
「日米間に見解の相違はない」とする根拠、米側の資料を明らかにするべきと防衛省に要求しました。
また、在沖米軍幹部の発言の真意を確認する責任があると追及しました。
次に、ジュゴンの生息調査の改善についてです。
今年4月辺野古近海の久志海域で、ジュゴンの糞が見つかりました。
沖縄防衛局の諮問機関の環境監視等委員会内部からも、沖縄防衛局の調査の杜撰さに疑問が出されています。
沖縄県はジュゴン調査の拡充を求めて、防衛省にジュゴンの糞のDNA検査結果を渡しています。
しかし、防衛省は自らできる水中音調査の範囲を大浦湾内・沖などには広げず、
ジュゴンに影響を与える土砂運搬船の水中音調査すらしていません。
なぜ、拡充しないのか、できないのかを明らかにすることを求めました。
環境省交渉の重点は、
昨年12月に生物多様性条約COP15で決定された「生物多様性の枠組み」、
2030年までに地球上の陸地と海域各々の30%を保護区にする具体的方法を明らかにすることでした。
(生物多様性条約Cop15 「Science Portal」より)
4月の環境省交渉では
ストレートに「絶滅危惧種を含む5334種の生物が確認されている大浦湾を海洋保護区の対象に」することを求めました。
だから、環境省は
「生物多様性の観点から重要度の高い海域(重要海域)であることをもって、
直ちに30by30目標の対象となるわけではありません」と生物多様性の保全を進める上で後ろ向きな回答。
生物多様性の保全をどのように進めるかを議論する中で、その回答を撤回し、
令和5年度から生物多様性の観点から重要度の高い海域(重要海域)などの既存の科学的な知見をふまえて、
OECM候補海域抽出・検討を開始すると回答しました。
辺野古大浦湾は重要な海域ではないかとの質問には、
環境省は重要な海域になっていると回答しました。
(HOPE SPOTリーフ)
時間の関係で海洋保護区については次回交渉に回しました。
次に、
7月26日に発表された「世界遺産登録された沖縄島北部における自然環境の保全における2国間強力」については、
日米合同委員会での合意なので環境省は積極的に進める。
希少種のモニタリングを進めるためにも地域社会とのパートナーシップを促進するために、
在日米軍、関係自治体、NGOを交えた会合を県内で年内にも開催するよう努力すると回答しました。
今後、基地内は日本環境管理基準(JEGS)で、
それ以外は世界遺産で自然環境を保全する姿勢で取り組むことを確認しました。
最後に、
米軍廃棄物撤去の取り組みを世界遺産センターやIUCN(国際自然保護連合)に報告する方法は今後検討する。
そして、地域住民や観光客への注意喚起と対応を告知する看板設置の段取りは関係機関で協議することも確認しました。
長文の報告を最後まで、有難うございました。
ジュゴンの保護者より。