ー八丁堀食い物草紙・江戸前でもなしー
宇江佐真理/講談社文庫
臨時廻り同心の椙田忠右衛門・ふでの夫婦、そして同居している隠密廻り同心の息子正一郎・のぶの夫婦、ときどき訪ねてくる幇間の桜川今助。江戸、八丁堀の町屋に囲まれた岡崎町の組屋敷で暮らす二組の夫婦の物語だ。主人公は若奥さんののぶさん。この本は2007年7月13日初版なので比較的新しい作品である。ただ、講談社ではこの「卵のふわふわ」の前に4冊ほど出ているので、またもや新旧逆に読むことになりそうだ。
で、宇江佐さんの作品は「髪結い伊三次」以外、短編が多いのだが、「卵のふわふわ」はめずらしく長編(中編?)小説である。「卵のふわふわ」なんて、変なお題だなと思っていたが、なるほど「ふわふわ」は、各々世代夫婦の心模様を言っているようで、なんとなく納得した。その他にもいろいろな夫婦(或いは男と女)が出て来るが、やはりどれも「ふわふわ」で、この心模様は現代にあっても全く変わらない。このことは宇江佐さんが時代小説を書く上での根本的な動機でもあるだろう。
「たまごふわふわ」は「仙台下向日記」「東海道中膝栗毛」などにも登場するらしい。静岡県袋井市観光協会が町おこしとして「たまごふわふわ」に目をつけ、これを当時の文献をもとに再現販売しているらしい。いま流行のB級グルメである。ん~、食べてみたい!
最新の画像[もっと見る]
- 龍天ノ門 4年前
- アベノマスク 4年前
- 重大局面、今後の予測5 4年前
- 重大局面、今後の予測4 4年前
- 重大局面、今後の予測3 4年前
- 重大局面、今後の予測2 4年前
- 重大局面、今後の予測 5年前
- 浅見光彦殺人事件 5年前
- Simple 9年前
- 貴賓室の怪人 10年前
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます