つむじ風

世の中のこと、あれこれ。
見たこと、聞いたこと、思ったこと。

漢検の功罪Ⅴ

2009年05月07日 08時44分01秒 | Weblog
 ところが、ここに来て大久保 昇会長(75歳)に関連して財団法人
であるにもかかわらず、過剰な利益を得ていた問題、在任中の退
職金(5,300万円)問題、立て替えとは言え数億円の私的流用等々、
公益法人として不適切な運営をしているということで物議を醸して
いる。こうなると新聞やニュースで見聞きするとおり、大久保 昇氏
も典型的な日本的経営者で、食品偽装の社長達と変わらない。
ワンマンで会社は即ち自分の手足と思っており、利益追求には手
段を選ばない。 何のことはない、当初の崇高な教育的目標は、
実は拝金主義のためのものだった。ロータリークラブへの多大な
寄付や自民党、民主党への献金、その他諸々の活動は、「漢検」
を売るための広告宣伝、言い方を変えれば売名行為だった、とい
うことになる。「文部省のお墨付き」も広告宣伝の1つに過ぎない。
そもそも「お墨付き」を出す意外に何の努力もしない「文部省」など
最初から「利用する」だけのハラだった。本音は「この事業(漢検)
は俺が苦心して作ったものだ。そこで得た利益は俺のものだ。
何に使おうととやかく言われる筋合いはない!」。或いは、訳のわ
からぬ「学力調査」に毎度50億円も掛けている「貴様(文部科学省)
に何が判る!やかましい!」と言いたいだろう。
確かに35年に渡り「漢検」を盛り上げようと次々繰り出す企画や行
動力、経営努力は半端ではない。どこぞの大学のように試験問題
を漏洩させたり、検定合格に便宜を図ったり、受験者の個人データ
を流出させる等という問題もなくキッチリこなしている。法外な検定
料を取った訳でもないのに「何故、いちいち文句を言われねばなら
んのだ!」「日商の簿記だって1,600円~7,500円でウチよりはるか
に高いではないか」と。(さらに続く)
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漢検の功罪Ⅳ

2009年05月02日 08時53分19秒 | Weblog
 大久保昇氏の活動はそれだけに止まらない。任意団体の協会を設立
する少し前の1973年(39歳)、京都西南ロータリークラブに入会している。
その後「漢検」協会の社会貢献事業はロータリークラブの活動とともに「
地域への社会貢献活動」「海外日本人学校の国語・漢字教育への支援
活動」「国内で日本語教育を必要とする人たちへの支援」など実に多くの
支援事業を行っている。内外の学生を支援する米山奨学金・ロータリー
財団への寄付等も積極的に行って来た。中でも国際ロータリークラブの
ポリオ撲滅活動で、2004年からラオス、2005年にパプアニューギニア、
2006年(72歳)には団長としてフィリピンへ赴き、ワクチン投与を支援し
たとされている。2004年(70歳)には、国際ロータリークラブでは多額寄
付者ということになり、米国の国際ロータリー本部に大久保氏の肖像が
掲げられているという。
財団法人認可にともなって設立した「日本語教育研究所」は「日本語の
漢字」「漢字文化の継承と発展」「漢字教育・指導の改善」を目的とした
組織。国内外で開催される「日本語・漢字講座」「生涯学習としての漢字
講座」「小中高校への漢字出前講座」「親子漢字塾」「漢字の講演会」等
に、「漢検」1級および準1級合格者から選任された客員研究員を講師と
して派遣している。全国各地で2005年度末の研究員数は1,300人を超す
と言われている。このような活動が認められて、
1996年(62歳)で時の総理府から紺綬褒章を受けている。更に、
2002年(68歳)で社会教育功労者文部科学大臣賞を受けている。
2006年(72歳)内閣府から旭日双光章を受けているのである。(続)
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