つむじ風

世の中のこと、あれこれ。
見たこと、聞いたこと、思ったこと。

ギリシャ問題Ⅱ

2010年05月08日 08時30分58秒 | Weblog
 実際に行って見てきたわけでもないから、本当のところ実情は判らないし、いや実際に見ても判らないかもしれないのだが、問題は、遙か東方の島、日本のことだ。国家破綻というシナリオは、何もギリシャに限ったことではない。国債発行高は決してギリシャに負けてはいないのが日本だ。しかも、天下り天国の特殊法人が山とあり、この中に年収1千万を越す連中がワンサと居る。やっていることに見合わない所得を得ることは、或る意味バブルなのだ。ギリシャの今回の出来事は、このような矛盾を許しておくことが、やがてどうなるかという見本のような話しなのだ。

 実際、不動産バブルで良い思いをしたのは庶民ではなく、一部の不動産業者や建設業者、不動産に投資できる一部の「お金持ち」、それらの情報を先取りできる既得権益を持つ役人達だろう。庶民は立ち退きを迫られ日々の暮らしに追われていたに違いない。かつて日本がそうであったように。
 それにしても5人に1人が国家公務員とは、どういう訳だ。組合が強くてこうなるのか、国の政策の誤りか。1世帯が5人家族だとしたら、ギリシャの大黒柱は全て国家公務員ということになってしまう。国家公務員はサービス業の1つである。普通では「釣り合わないサービス」を、国が代わりに請け負うことは、それなりの社会福祉的意味があると思う。しかし、だからと言って「釣り合っていない」サービスを強化すればするほど増税に結びつき、また、それはいくら強化しても産業育成にはならず、国の活性化を奪うばかりなのだということを示している。

 最終的に国債発行で回避しようとするが、本来の国債発行の目的とは矛盾した話しなのである。IT化しても一向に合理化されない議員定数、いつまでもしがらみから抜けられず、国際化について行けない議員達、そして天下り先をいかに増やすかを日々の仕事とする官僚達、民営化した郵便局を、また国営化するのは本当に正しいことなのか。子ども手当を高校まで出すことは本当に国債発行に見合うことなのか。遙か彼方のギリシャの話しは、意外にも明日の我が身の話しなのかもしれない。
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ギリシャ問題Ⅰ

2010年05月07日 10時32分22秒 | Weblog
 最近よく耳にするギリシャの問題。ギリシャと言えば、かなり遠方の地であり、あまり身近にも思えないのだが、とにかく最近は毎日のようにNewsに流れる。彼のギリシャ文明発祥の地で、オリンピックともなれば必ずここから始まるのは誰しも知るところだ。しかし、それ以外のことでギリシャにお目に掛かることはめったにない。例えば、映画とか音楽とか、或いは農産物とか商品とか。

 まあ、遠方の国だから、なかなか聞こえてこないのも無理はないのかもしれないが、それがここに来て毎日のように「デモやストライキ」で盛り上がっている訳だ。誰でも「彼らは一体何に怒って居るんだろう」、とか「何がどうしたと言うんだろう」と思ってTVを見ているに違いない。なにせ遠方の国のことだからTVもあまり真剣ではない。ただ現象をタラタラと流しているだけで、あまりその原因や対策には触れようとしない。しかし、あの大騒ぎしている原因は何なのか?

1.不動産バブル
 日本でもほんの少し前に経験したばかりで、いくら忘れっぽい日本人でもまだ覚えていると思うのだが、例の「不動産バブル」というヤツだ。どうもこの「不動産バブル」がはじけたらしいのだ。1995年あたりからずっと、バブルが持ち上がり、ギリシャのGDPは常に平均してフランスやドイツより上にあった。観光産業だけでこうなるはずのない矛盾した状態は10年ほど続いた。

2.南欧の人は働かない
 或る意味で、一種の悪口なのだと思うが、こうなったのは自分達が悪いのだ、と大方の欧州メンバーは思っているらしい。確かに国としては、さしたる産業もなく税収もない。それなのに5人に1人は国家公務員という現状だ。ここ10年は不動産バブルで「楽しく」やってきたはずである。そして国債を乱発した。しかし、そんなことは長く続く訳がない。そんなギリシャに、なかなか助っ人も現れないのが現状だ。

3.ギリシャだけ?
 大方の懸念はここにある。同類と見なされているのがスペイン、ポルトガルだ。いずれも歴史ある国々なのだが、欧州メンバーはこれらの国をあまり信用していないらしい。更に困ったことには、これらの国が乱発した国債を欧州メンバー国が買い支えることが困難なのではないか、という疑念である。欧州の多くの銀行は既に持っている債権を売ることが出来ない状態にある。
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ゲゲの自伝

2010年05月06日 13時46分11秒 | Review

 ある方から薦められて、水木しげるさんの自伝
「ほんまにオレはアホやろか」を読んだ。
読書は久々なのだが、一気に読めるものだった。
ちょうど今、国営放送で「ゲゲゲの女房」をやっているところだから、女房をもらうまでのことは、この本を読めば判る。水木しげる一流の「おとぼけ」によって目立たないが、戦争の悲惨さ、無意味さ、バカさ加減は、「ゲゲゲの女房」でも所々にそれとなく出て来ることだ。しかし、片腕になっても決して後ろ向きにならず、一貫して「おとぼけ」を貫き通すところは、商売もさることながら、さすが漫画家だと言うより他ない。
なにせ、一流の「おとぼけ」を通すものだから、そのようなことは片鱗すら見せないのだが、根底にあるものは、どんなことがあっても人生「決してあきらめない」という姿勢だろう。B.オバマさんが「Stick with it」という言葉をよく使うそうだが、意外にも同じ意味だった。

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