つむじ風

世の中のこと、あれこれ。
見たこと、聞いたこと、思ったこと。

会計天国

2018年03月01日 17時12分14秒 | Review

―ビジネス戦略ノベルシリーズ―
 竹内謙礼/青木寿幸/PHP文庫

 2013年9月17日初版、2016年9月12日第20刷。「アパレルブランドの会社」「フィギュア製作販売会社」「食品加工会社」「建材販売会社」「若き実業家」それぞれを例にとり、現状の分析と改善策を探る。分析は主に「財務諸表/財務三表」を使う。「財務諸表」は誰でも知っているし、作成した方も多いだろう。しかし、その分析は本当にできているのかといえば、極めて怪しい。損益分岐点にしてもキャッシュ・フローにしても、多くはただ作成してみただけ、ではないだろうか。確かに運用中は忙しくて「財務諸表」にじっくり向き合うこともままならない。作るのが精いっぱいということもあるだろう。しかし、先に分析手法(意味、考え方)を理解していたら、かなり違った見方が出来、違った結果になったのでは、と今更ながら思う。それは、会社というものの性質であり、必然の目的からくるもので、右往左往の暗中模索ではなく、分析結果から明確に「こうあるべし」と言ってくれるのが非常に安心できるし、納得できる。必要、不必要に関わらず、興味の有無に関わらず20年早く読みたかった。

 参考事例はなかなかリアルでちょっとナマナマしい部分もあるが、自分で作成し苦闘した方(身に覚えのある方)にとっては非常に参考になる、納得できる一冊だと思う。仕事をする人にブラックではなく、真っ当なあるべき姿・方向性を示し、自信を与えてくれるのではないだろうか。


コメント
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