内田康夫/光文社文庫
1989年2月20日初版、1992年2月20日21冊。導入はまずます、例によって今回も浅見光彦の活躍。ただ、お題のように「白鳥」などというから、そのイメージからしてどんな話の展開になるのか興味津々だったのだが、「白鳥の」は鳥の白鳥から始まって、列車名、人名、地名そして曲名へとたどる。このあたりは、ちょっとわざとらしいというか、押し付けがましいというか、こじ付けが過ぎると言うか、いかにも推理小説的なのだが、いつものことながらつい面白く読んでしまう。
しかし、同人誌「蓑の会」の名簿にたどり着くあたりは、クライマックスだろうか。リアリティあふれる話の展開だった。これで九割方怪盗X団のメンバーが割れてしまう。読者としては「今回の話しはこれでお終い」といったような按配で、あとは種明かし(暴露)の章となる。
いつものことだが、浅見光彦の事件はハッピィエンドに終わらない。今回も芹沢玲子が「何れ嫌が上にも直面しなければならない現実」を示唆して終わる。解説で、郷原宏さんがうまいことを言っている。読者は「現実の重さと拮抗するだけの小説的なリアリティを求める」。だからそのバランス感覚が大切なのだと。つまり「現実の重さと拮抗」すればするほど面白いということになる。・・・確かに。
しかし、この解説はちょっと褒め過ぎじゃないの!!
1989年2月20日初版、1992年2月20日21冊。導入はまずます、例によって今回も浅見光彦の活躍。ただ、お題のように「白鳥」などというから、そのイメージからしてどんな話の展開になるのか興味津々だったのだが、「白鳥の」は鳥の白鳥から始まって、列車名、人名、地名そして曲名へとたどる。このあたりは、ちょっとわざとらしいというか、押し付けがましいというか、こじ付けが過ぎると言うか、いかにも推理小説的なのだが、いつものことながらつい面白く読んでしまう。
しかし、同人誌「蓑の会」の名簿にたどり着くあたりは、クライマックスだろうか。リアリティあふれる話の展開だった。これで九割方怪盗X団のメンバーが割れてしまう。読者としては「今回の話しはこれでお終い」といったような按配で、あとは種明かし(暴露)の章となる。
いつものことだが、浅見光彦の事件はハッピィエンドに終わらない。今回も芹沢玲子が「何れ嫌が上にも直面しなければならない現実」を示唆して終わる。解説で、郷原宏さんがうまいことを言っている。読者は「現実の重さと拮抗するだけの小説的なリアリティを求める」。だからそのバランス感覚が大切なのだと。つまり「現実の重さと拮抗」すればするほど面白いということになる。・・・確かに。
しかし、この解説はちょっと褒め過ぎじゃないの!!