つむじ風

世の中のこと、あれこれ。
見たこと、聞いたこと、思ったこと。

多様な意見

2009年10月20日 19時00分09秒 | Weblog

 こと、環境問題に関して、世の中にはいろいろな意見がある。
●否定派
「温暖化や、温暖化人為説には否定的な学者も多い。地球には数十億年の歴史があるのに、たった数十年の短期間の研究じゃ実際にはどうなのか分かるはずがない」
◆確かに量的な測定についてはあまりに大規模すぎて、他の条件もあり、簡単には計り知れない。しかし、「70年前の戦時中のご都合計算と、現代の科学的検証を一緒に考える事自体ナンセンス」であり、この間のデータの蓄積と検証確度の高さは昔と比べるまでもない。更に、このようなことは今まで経験したことはない訳だから、どのような結果になるか誰も知るよしもない。故に「関係ない」かどうかも判らない。しかし、我々が心配すべきは「関係ある」ことが判明したとき、「既に手遅れ」或いは「数百年に渡って修復を余儀なくされる」ことではないだろうか。
●楽観派
「そもそも温暖化してるかどうか不明だし温室効果ガスのせいかも分かってない。人間の活動だけだったら氷河期、間氷期なんてない訳だから、関係ないだろう」
◆最もらしい楽天的な考え方だが、果たしてそうなのか。「地球にとって1万年があっと言う間なら、1世紀=100年は一瞬。100年で4度も気温が上がるなんて、世界中の火山が爆発するでもない限り、間氷期だろうがなんだろうが自然現象だけでは起こり様もない。これは人間の生産活動による異常意外に考えられない」という考え方もある。
●懐疑派
「温暖化で騒いでいる人たちは、地球温暖化シンドロームとでもいうべき、自意識過剰の一種だ」或いは地球温暖化が問題であるという考え方を「盲信する愚民ども」と決めつけ、「シロクマが小さな氷の上で途方に暮れているようなシーンや、極地の氷が崩落する映像を見ただけで短絡的、情緒的に「ああ、温暖化だ。やばいね。二酸化炭素の排出を削減しないと!」なんて思っているのはバカ丸出しの愚民だ。少しまともに考えれば温暖化はただの自然現象に過ぎないと気付く。少しまともに考えれば人類は地球環境を破壊するような力を持っていないことに気付く」はず」
◆確かに「無知蒙昧」は困るのだが、果たして「愚民」と決めつけてよいものか。一部の意見ばかりを取り上げて過剰に不安を煽りたてるのは確かにおかしい。しかし、CO2対策は省エネルギーや資源節約にもつながるし、続けていくべきで、浪費を推奨することはとても出来ないだろう。従来「人類は地球環境を破壊するような力を持っていない」はずだったが、気が付かないうちに原子力然り、CO2然りなのだ。これを認識せずに、ただ「愚民」と決めつけているだけでは何も解決しないどころか、自らが「愚民」になってしまうだろう。
●原因派
「この地球温暖化の原因は、CO2より、メタンガスなんだよね。メタンガスは牛、豚、羊などの四足動物がゲップで、大量に放出する。膨大な新興国の人々が、最近豊かになり、肉食しだしたのが大きい!」これが原因だ。更には「地球温暖化を言い出したのはイギリス。でも、本当のことは言えない。言えば「英国は肉食止めれば?そして今度から世界は魚食へと変更するべき!」と言われるだろう。イギリスはCO2悪玉説を取り上げて、国際社会を誘導したいだけなのだ」とか。
◆確かに温暖化の原因は二酸化炭素を含めて6種類上げられており、その中にメタンや一酸化二窒素なども含まれる。しかし、大昔から動物が生きていく上で繰り返してきた再生可能な循環と、ここ200年の間に化石燃料を使うことで発生させた「二酸化炭素」とではまるで意味が違うだろう。人為的に「二酸化炭素」を大量放出させていることは、例えイギリスが何を言おうと関係なく、疑う余地の無いことなのだ。
●ケチ派
先日(2009/10/09)発表された「日本の気候変動とその影響」という報告書を指しているのだが、「(わざわざ研究費をつけて)IPCCと同じような結論を、IPCCと同じような手法で、IPCCとは別に分析する意義がどこにあったのか、それが一番の疑問」というご意見だ。
◆確かに英訳しただけでは、「研究費」の意味がないのだが、今回の発表は日本を取り巻く環境を正確に測定することで、IPCCの結論を「検証」するような内容になっている。従って、IPCCの結論に沿わないところもあり、それはそれで「確認できない」という見解を出している。更にその上でスーパーコンピューターを活用して今世紀末の予測を立てたのである。「盲信する愚民」とならないためにも、科学的「検証」は不可欠である。
                 

コメント
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