つむじ風

世の中のこと、あれこれ。
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Winny

2009年10月11日 09時39分23秒 | Weblog
 フリーのソフトは山ほどあるが、「Winny」ほど名を馳せたものは数少ない。2004年5月9日、このP2Pファイル共有ソフト「Winny」のProgram開発者が京都地方検察庁によって摘発、逮捕された。「Winny」が2002年5月6日にNet上で公表されてから2年後のことである。問われた罪は「著作権法違反幇助(ほうじょ)」というものだった。更に2年後の2006年12月、京都地方裁判所の一審の判決は「有罪」で150万円の罰金、その後検察側、被告側双方がこれを不服として控訴、そして今回(2009/10/08)大阪高等裁判所の、いわゆる控訴審の判決は、一審の判決を破棄して「無罪」とした。私はこの判決を当然のことと受け止めたい。

 要は原告(検察)側は「著作権法を侵すために悪意をもって開発したもの」と断定し、被告(弁護)側は「悪用の可能性は認識していたが、そのような意図はない」というものだ。

 そもそも、人間が作ったものには、大方ロクでもないものが多く、なかなか神が創造するような性善的な具合には行かない。包丁然り、車然りである。多くはその効果が絶大であると同時に、使い方を誤るととんでもないことになる。これらは単に、それを使う側の意志に掛かっていると言ってよい。つまりは人が神のご意志に逆らって「悪意をもって利用する」ために起こることであって、それを発明者や発見者の性にするのは見当違いも甚だしい。

 確かに、Winnyはウィルスに感染し易く、その機能故に被害甚大となった。更には便利であるが為にその危険性が指摘されても尚使用する人は後を絶たない。現在でもWinnyの利用者は40~60万人は居るだろうと推測されている。しかし、だからといってこれがWinny開発者の責任だとは言えないだろう。世の中には、人を殺傷する意外に目的が無いような地雷やクラスター弾、原爆といった最悪なものがある。にも関わらず、それを発明したり開発した人を「殺人幇助」で告訴した等という話しは聞いたことがない。