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里やまのくらしを記録する会

埼玉県比企郡嵐山町のくらしアーカイブ

桜の花を訪ねて8 千手院のさくら 1981年

2009-03-28 15:05:00 | 千手堂

 普門山千手院(嵐山町千手堂759)の本堂は赤い屋根で県道からも緑の中に見える。山ざくらと吉野ざくらの二本の老木が境内にある。庫裡は新築中だがほとんど出来上っていた。
 最近駐車場をつくるために整地したところ、いちょうの木の傍からカナ物の位牌が発掘された。それには「沢山頼国大居士」とあり、鎌倉時代頃のものだろうという。
 千手院は「応和二年(962)慈恵大師の開基になり、村上天皇勅願の道場にして、天皇御自作の千手観音を安置せりと伝える」と「嵐山探訪」には誌されている。
 また「嵐山町誌」は次のように述べている。
 村名の起原については伝説として「沿革」に「村上天皇の天暦三年(949)に千手観音堂を造営され、武蔵国比企郡に土地を給与された。それでその土地を千手堂村と名づけ、寺を千手院といった。その後、文治建久の頃(1185~1198)に兵火にかかって、この建物は焼失した。そして更に数代を経て天文年間(1532~1554)に幻室伊芳という住職の時再建した。ところが又々享保元年(一七一六年、徳川吉宗の時代)に火災にあって鳥有に帰した。然し観音像は無事であったという。又、菅谷の館に重忠がいた頃その家来がこの村に居住し、そこに塚が三つあって鎧塚といっている」と。
 これに対し「風土記稿」では千手院の解説で「千手観音を安置する当院は昔、わづかの堂なりしを幻室伊芳という僧を開山とす。」とあり。入間郡黒須村の蓮華院の観音堂に掛けてあるワニ口の銘に「武州比企郡千手堂……」とあるから「このワニ口は千手院のものであり、寛正の頃(1461)はいまだ堂であったことがわかるといっている。
 そして「嵐山町誌」はワニ口の銘文からして千手堂が村の名前になったのであり、それは千手観音があったからだと結論している。とに角由緒のある古い寺の一つである。
 すぐ近くの森に春日神社がある。珍らしいかやぶきの屋根が古さを物語っている。みかげ石の鳥居の上にさくらの花が両側から枝を伸ばして咲いていた。森閑とした山中にうぐいすの声が時をり聞かれた。お宮の左右に掲げられた額の文字は風雨に打たれて見えなくなっている。
 花は石のきざはしに散っていた。
     『嵐山町報道』298号 1981年(昭和56)6月1日

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