安全保障会議の設置、特定秘密保護法強行・14年末からの運用開始と着々と戦争できる国への準備を進める自民党政権、自民党。彼が掲げる綱領、憲法改正草案にそった政治行動は、個人的な問題ではなく、彼らが政権与党である限り、国会、司法への適応を進めることは間違いの無いことと思います。その意味では、彼らは確信犯であり、国会審議にいつかけるかは彼らの思惑を国民の目からそらす、目くらましのような効果を期待しています。
彼ら自身は、憲法を改正し、自衛隊を日本軍に格上げし、徴兵制の復活、軍法会議の設置、海外でのすべての武力行使を憲法上容認する。また、天皇制を名実ともに政治に位置づけ、大日本帝国時代の位置づけに回帰させること。その結果、主権は、天皇にあり、臣下である国民と言う関係を憲法上も規定したいと考えています。そうすれば、警察権力、日本軍に関する統率権を天皇の権威を使って絶対化することが出来る。その権力に反対する勢力、民主的運動を天皇制に反するものとして規制し、処罰することが常態化する。ここまでくれば、自民党の目的は99%達成したと言うことになるのでしょう。しかし、国民の基本的人権は踏みにじられ、民意などと言う言葉は死語になります。
「意思表示の方法はいろいろとある。知恵を出し合い、一人一人の声を集めることが力になる。 閣議決定されたとはいえ、まだ集団的自衛権を行使できるようになったわけではない。自衛隊法など、関連する法律を改める必要がある。対象は10本を超えるとされる。法整備できなければ、行使にストップがかかる。」
彼らの思惑にはまり、軍門に下らぬように少しずつの努力を重ねることの大切さを感じます。また、多くの地方紙の主張、キャンペーンにも時代の変化を感じます。
<信濃毎日社説>集団的自衛権の容認 反対の声を結集しよう
集団的自衛権の行使容認に反対する「戦争をさせない1000人委員会・信州」が7月中旬に発足した。翌日報道で知った北信在住の川俣時子さん(60)は早速、インターネットで姉、叔父とともに賛同者に加わった。
「危機感はあるけれど、何もできない」。行使容認の閣議決定に対し、そんなもどかしさを感じていたからだ。
95歳の父はインドネシアのスマトラ島で終戦を迎えた。93歳の母は東京大空襲を体験している。いつ死んでもおかしくない戦地での日々、人がごろごろと横たわった空襲後の惨状…。幼いころから繰り返し、両親の話を聞いてきただけに、平和への思いは強い。
戦争を知る人たちが少なくなる中、父親の体験を書き残しておこうと、「吾(わ)が父の記」と題する文章をまとめ、参加する同人誌にことし、掲載した。
集団的自衛権をはじめ、平和国家としての戦後の歩みが転じられようとしている。「これから、どうなってしまうのか。子どもや孫のことを思い、心配している人は近所や知り合いにもいます」
1000人委員会は、全国で組織されている。憲法学者や作家らが呼び掛けて3月に東京で発足したのを受けた動きだ。県内では7月に全県、今月上旬に松本地区の組織ができた。地区ごとに準備を進めており、9月には長野と木曽でも発足を予定する。
<法整備を阻止する>
全県組織の呼び掛け人には、これまでに97人が名を連ねた。地区組織を全て立ち上げた上で、学習会や署名活動などを通じ、賛同する人を増やしていく考えだ。川俣さんのように危うさを感じている人たちには、意思表示の一つの手段になる。
閣議決定されたとはいえ、まだ集団的自衛権を行使できるようになったわけではない。自衛隊法など、関連する法律を改める必要がある。対象は10本を超えるとされる。法整備できなければ、行使にストップがかかる。
政府は、来年の通常国会で一括して扱う考えだ。米軍普天間飛行場の移設問題を最大の争点とする沖縄県知事選が11月にある。来春には統一地方選が控える。秋の臨時国会に出さないのは、選挙戦への影響を避けたいからだろう。
議論を下火にするわけにはいかない。法案の提出が先送りされることで、政府に対して異を唱える時間は増える。法整備の阻止や閣議決定の撤回に向けて、反対の世論を高めたい。
私たち長野県民は1953年に浅間山で持ち上がった米軍演習地の計画を断念させた経験を持っている。
標高1400メートルから山頂にかけての約5千ヘクタールを演習地にする計画だった。米軍が北佐久郡軽井沢町に申し入れた。これを知り、地元の青年らが始めた反対運動は、全県へと広がった。
結局、火山観測所を置く東大地震研究所の観測に支障が出ることなどを理由として、申し入れから3カ月で撤回された。
市民の力によって政治を動かし、事態を変えた一つの例だ。当時とは時代や社会の状況が違う。そのまま再現できるものではないだろう。それでも声を上げることの大切さを教えてくれる。
<立場の違いを超えて>
憲法9条の空文化、国会での議論を経ない閣議決定による重大な方針転換、反対意見を顧みない強引さ…。安倍政権の安保政策には多くの問題がある。
行使容認に賛成でも、憲法解釈の変更という手法に異論を唱える人たちがいる。乱暴な進め方を危ぶむ人は多いだろう。閣議決定を認めないという点で広く連携できるはずだ。
さまざまな考え方の人たちが集まれば、議論を深める機会にもなる。国際情勢の変化にどう対応するか、集団的自衛権の行使容認は必要なのか、解禁して歯止めはかかるのか…。賛否の立場を超えて安保政策について、率直に意見を交わせるといい。
閣議決定の撤回を求める動きは1000人委員会に限らない。諏訪地方では、9条の会など16団体でつくる「諏訪9条の輪」が28日に新組織を結成する。9月下旬から11月にかけて30回、地域ごとの集いを開く。12月には諏訪市内で千人規模の集会を考えている。
佐久地方の市民団体や労働組合などでつくる「ピースアクション佐久」は、集団的自衛権などについて高校生も参加する討論・学習会を開いた。若者の関心を引く伝え方を考える取り組みだ。伊那市の「伊那谷九条の会」は市街地を歩いて護憲や平和の大切さを訴える活動を始める。
意思表示の方法はいろいろとある。知恵を出し合い、一人一人の声を集めることが力になる。