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“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

強い国とは何か?

2014年01月07日 15時34分13秒 | 臼蔵の呟き

強い国を国民多数が求めるものであるかどうかは別として、安倍、自民党政権が政権運営の最重要テーマとして掲げる以上はその是非を論じる必要が出ています。東京新聞はハードパワー、ソフトパワーのバランスだと主張しています。東南アジア諸国連合があります。インドネシア、フィリピン、タイ、カンボジア、ベトナム、ラオス、シンガポールなど10カ国です。これらの国は紛争を軍事衝突に発展させないことを基本として政治経済環境作り出す合意をしています。このアセアンにおける政治経済関係が世界の政治経済のモデルとして注目されています。私たちが位置するアジアの中に世界的にモデルとなるような国家関係が現実に存在しています。そのことを安倍、自民党政権は知っています。しかし、彼らはそのアセアンを中韓政治攻撃に利用しようとしましたが、アセアン諸国は同意しませんでした。彼らの政治的信念が崇高であり、歴史に裏付けられ理念であることが実証されています。

何のために軍事力が必要なのでしょうか。何のために、何を持って強い国家というのかがあいまいにされたまま、実態としての軍事力の再編、再強化、軍事費の突出、安全保障会議の設置、特定秘密保護法の成立による治安国家、戦争できる国として集団的自衛権の容認―――彼らが言う具体的な強い国家とは軍国主義国家、軍事産業があらゆる業界を牛耳る国家なのです。

一説には、東京新聞は大手企業からの広告宣伝費を絞られ(減らされ)兵糧攻めにあっているとも言われています。マスコミが正論を吐き続けるために、その財政、経済的根拠を奪う攻撃も彼らの作戦として開始されていることも考えられます。経済的繁栄は必要なことですが、その陰で何が強行されているかを抜きにした陰謀を見過ごすことの被害は減らさなければならないと思います。健全で、まともなマスコミ、ジャーナリズムの保全も急務ではないかと思います。

<東京新聞社説>

二〇一四年の日本政治が始動しました。政権二年目に入った安倍晋三首相は「強い日本」を目指すと言いますが、国の強さとは、いったい何でしょうか。

 安倍首相はきのう伊勢神宮を参拝し、年頭の記者会見を行いました。例年より二日遅い始動です。この年末年始、首相は映画やゴルフに出掛けたり、地元・山口県で過ごしたり。英気を養い、気持ちを新たにしたことでしょう。

 一月下旬には通常国会が始まります。歳出規模が九十六兆円近くまで膨れ上がった一四年度予算、昨年末の首相靖国参拝など、野党側は厳しく追及する構えです。

絵本が描く「戦争」

 首相は元日付で発表した年頭所感で、経済政策の転換や震災復興への取り組み、国家安全保障戦略策定など政権一年目を振り返り、「『強い日本』を取り戻す戦いは始まったばかり。長く厳しい道のりを緊張感を持って進む覚悟を新たにしている」と表明しました。

 「強い日本」は安倍首相お気に入りのせりふです。これまでも国会などで何度となく繰り返してきました。「強い日本、それをつくるのはほかの誰でもありません、私たち自身です」という具合に。

 では、強い日本とはどんな国でしょう。軍事的に強い国でしょうか、経済的に強い国でしょうか。

 英国の作家、デビッド・マッキーさんの描いた一冊の絵本があります。「せかいでいちばんつよい国」(光村教育図書)です。

 ある大きな国が小さな国に攻め込みますが、その小さな国には軍隊がなく、戦いになりません。小さな国の人々に歓迎された兵士は遊びや歌、料理を習います。

 大きな国の大統領が故郷に戻ると、家々からは小さな国の料理の匂いが。遊びも服装も小さな国のものがはやっています。そして大統領が口ずさんだのも…。

平和国家への評価

 国の強さを決めるのは軍事力ではなく、文化の力だという筋書きです。これは絵本の中だけの「絵空事」ではありません。

 米クリントン政権で国防次官補を務めた、ハーバード大学のジョセフ・ナイ教授は、文化、政治的価値観、外交政策の三つを源とする「ソフト・パワー」と、軍事力や経済力などの「ハード・パワー」を組み合わせた「スマート・パワー」の重要性を指摘します。

 国民にとって強い経済力は安心して生活するために不可欠です。外国に侵略の意思を持たせないため、侵略があった場合には国民を守るため、必要最小限度の防衛力を持つことも必要でしょう。しかし、それだけでは強い国とは言えません。ナイ氏が指摘するように、ソフト・パワーも国力を構成する重要な要素です。

 まず、文化です。先人たちが営々と築き上げ、磨きをかけてきた日本文化は、私たちの誇りです。すでに多くの文化遺産がユネスコの世界遺産に登録済みです。多様な食材、優れた栄養バランスで国外にも愛好家が多い「和食」も昨年、無形文化遺産となりました。近年のマンガ、アニメブームも、新しい日本文化として世界に受け入れられた証しです。

 高い技術力の日本製品や日本人の勤勉さも、誇るべき文化です。これらも国力の源と言えます。

 政治的価値観、外交政策はどうでしょう。

 自由、民主主義、基本的人権、法の支配、市場経済という戦後日本の普遍的価値はもちろん、憲法九条に基づく「平和国家」「専守防衛」も、日本のソフト・パワーを構成する重要な要素です。

 安倍内閣も国家安全保障戦略で「我が国の平和国家としての歩みは、国際社会において高い評価と尊敬を勝ち得て」いると認め、この高い評価と尊敬を「より確固たるものにしなければならない」と述べています。

 しかし、実際はどうか。

 安倍内閣はすでに、武器輸出を原則禁じた武器輸出三原則の見直しや、節度ある防衛力整備からの転換を打ち出し、集団的自衛権の行使容認や九条改正による自衛隊の国防軍化にも意欲を見せます。

文化の力も高める

 こうした安全保障政策の転換が国際社会から高い評価と尊敬を得てきた平和国家、専守防衛という戦後日本の「国のかたち」を変えてしまわないか、心配なのです。

 もちろんソフト・パワーを過大評価すべきでないことは、ナイ氏も指摘しています。重要なのは、ソフト、ハード二つのパワーのバランスを考えながら、最も大きい効果を引き出すことです。

 経済に強さを取り戻し、節度ある防衛力整備にも努める。そして文化の力を高め、平和国家という政治的価値観の持つ力を最大限、引き出す。それができて初めて、日本が本当に「強い国」になったと言えるのではないでしょうか。


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