“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

福島第一原発の冷却水放出

2013年06月08日 15時01分00秒 | 臼蔵の呟き

東京電力が、冷却水の太平洋への放出を漁業協同組合に求めました。筋違いもはなはだしい要求です。原子力事故は終息したとする野田の声明もうそ、その声明を違うといわずに追認し、自らは手を汚そうとしない安倍、自民党政権のごまかしは許しがたいものです。

そもそも、海洋は日本だけのものではなく、まして、東北の自治体のものでもありません。そのような問題を国会でも審議せずに、東京電力が困っているから、地元漁業協同組合に打診する。このような姑息なやり方が許されてよいはずはありません。

ただでさえ、風評被害に苦しむ漁業者をこれ以上苦しめることをやめるべきです。その上で、地下水対策、汚染水の保管対策、廃炉への計画提示、問題の審議を国会であきらかにすべきです。

<記事>

福島第1原発の地下水海洋放出計画をめぐり、東京電力は7日、相馬双葉漁協(福島県相馬市)の組合員向けの説明会を同市で開いた。放出予定水から放射性セシウムが検出され、組合員からは放出反対の声が相次いだ。
 組合員は、東電がセシウムの検出ゼロと説明した放出予定水から微量ながらセシウムが出た事態を問題視した。「東電は信用できない。放出水のセシウム濃度は周辺の河川水より低いと言うが、当てにならない」と反発した。
 「海に流されれば風評被害が広がり、漁の全面再開が遠のく」と放水に反対する意見が続出した。
 南部房幸組合長は「組合員の反発は当然。東電は説明を尽くしてほしい」と話した。
 福島県漁連は24日の組合長会議で放出計画を認めるかどうかの意見をまとめる方向だったが、漁業者の反発が強く、難しくなった。県沖は原発事故で休漁し、試験操業で漁が一部再開した。
 放出計画は原発構内で増え続ける放射能汚染水を減らす目的で、増水の原因になっている地下水を汚染前にくみ上げて海に流す。
 説明会は県漁連が主催し、約120人が参加した。


被災地住民の対立、政権の狙い

2013年06月08日 10時54分34秒 | 臼蔵の呟き

福島第一原発で非難している人々は、故郷に帰ることができないでいます。放射性物質(セシウム)の半減期は30年なので少なくても数年は、帰ることは不可能です。また、低線量になったとしても、放射能による健康被害がどのようになるか分からないので、若年層、女性などは故郷に帰ることをためらうのは当然のことと思います。

しかし、避難先で新しい職業につき、居住環境に慣れる人はよいとして、お年寄りなどは、環境の変化についてゆけず、故郷に近い地域で暮らそうと考えて、浜通り地区に戻ってくる方も多くいます。いわき市周辺に避難者が集中して居住する環境が地元に住む住民と軋轢を生みだしています。この問題はいぜんからありましたが、改善策が進まない、政治的なとりくみが進まない(意識的なサボタージュもあると思う)ために、当事者同士のいがみ合い、軋轢が増しています。

生活保護法の改悪で、民主党政権、自民党政権が盛んに宣伝した、親族が経済的支援をすべきなのに、「支援しない」。生活保護の不正受給があるではないか。生活保護を受けている人が働かず、パチンコをしている。―――このような生活保護者、関係者への攻撃を梃子として、保護法の改悪を強行しました。民主的な考え方を持っている人でも、このような主張をする人もいます。ここに見られる攻撃に共通するのは、生活保護者を大量に生み出している真の原因、犯人は誰かということが隠されていることです。そして、本来であれば、いがみ合わなくてもよい普通の人、市民がいがみ合う関係になっています。一番喜んでいるのは、安倍、自民党、大手企業経営者です。なぜならば、大量のリストラ、解雇、工場の海外移転などで正規労働を削減し、非正規労働で食いつなぎ、損益が悪化すれば、非正規労働者を切り捨てる社会を要求したのは大手企業経営者だからです。その政治的要求を受けいれて、法制化したのが安倍、自民党政権、特に、小泉・竹中規制緩和路線でした。彼らこそが犯人であり、糾弾されなければならない連中です。

このことと同じように、福島第一原発事故の犯人は、東京電力、自民党政治、原子力村企業群(重電メーカー、金融機関、ゼネコン、鉄鋼メーカー)、御用学者です。これらの企業、要因をつくった連中は、非難されずに黙して語らずです。そして、トルコ、中東、インド、ベトナムなどに原子力発電所を輸出しようと画策をしています。本当に厚顔無恥な連中です。

<室井佑月さんの指摘>

 福島第一原発事故から2年過ぎた今でも、地元に戻ることのできない避難者たち。彼らの避難先の一部では、地元住民との不和が浮かび上がっているが、作家の室井佑月氏は、その矛先は違う場所にあると言及する。
 5月24日付の毎日新聞に、「共生遮る誤解の連鎖」という記事が載っていた。福島第一原発事故後、多くの避難者を受け入れているいわき市の現状だ。いわき市民と避難者との軋轢(あつれき)は、悪化の一途を辿っているという。

 もともといた住民が、市に苦情を送った件数は今年2月で約390件。苦情の具体的な内容は、「賠償金をもらっている避難者で、働いていない人もいる。一方、いわき市民は賠償も少額で、みんな働いている。公園や道路、公共施設などは避難者も使っているのに、税金が公平に取られないのはおかしい。住民が増えたため、スーパーや病院が混雑している。避難者は医療費が無料になっているのも混雑の一因ではないか」というものだった。

 べつに良い子ぶるわけじゃないけど、避難者と、もともといる住民、どっちの気持ちもわかる。あたしが避難者だったら、べつにここに来たくて来たんではない、賠償金なんてどうでもいいから、事故前の生活に戻してくれよ、そう思う。

 地元民からしたら、いついつまでにこうするという期限もない中、避難してきた人たちに対し、徐々に心の余裕がなくなっていくのも当たり前な気がする。

 そうなんだよ。結局さ、国が、「いついつまでに、こうする」と明言できないから悪いんだ。いや、意見は出てきているらしい。が、遅いし、弱い。わざとかもね。ほら、年金問題も、放射能汚染食品の話も、おなじようにして国民vs.国民の争いに持っていったじゃん。

 年金問題は、若者vs.年寄りに、放射能汚染食品は、消費者vs.生産者に。国民同士が揉めると、問題の根本、どこが腐っていたからこういう問題になったのか、という部分が誤魔化(ごまか)される。本物の加害者は責任逃れをする。

 どうか、いわき市の地元民と、いわきに逃げた避難者は、喧嘩しないで欲しい。怒りや不満のぶつけ先を、間違わないで欲しい。なぜ、こういうことになったのか。それを考えれば、いわきの地元民も、避難者も、怒りの矛先は一つじゃないか。もちろん、あなたたちだけじゃない。あなたたちの後ろには大勢の人間がいる。

 そうそう、毎日新聞に、「共生遮る誤解の連鎖」という記事が載った日、朝日新聞にはこんな記事が出ていた。「自民公約 あいまい」という記事だ。

 自民党は参議院選の公約の原案をまとめた。憲法改正の姿勢を目立たせず、原発再稼働も、消費税にも触れない、あいまいな公約にしたそうだ。沖縄の基地問題もはっきりしないしな。

 うちら国民はずいぶん舐められたもんだ。はっきりさせると、それに伴う弊害があるもんね。責任問題とかさ。んでもって、最後は国民同士を喧嘩させ、いろいろ誤魔化す作戦か。


原発事故の意外な罪

2013年06月08日 06時07分54秒 | 蜂助の呟き

こんにちは、蜂助です。

芍薬(シャクヤク) 品種名 ポーラフェイ 鮮やかな赤です。おととい開花した我が家の庭で一番目立つ花です。品種的には真新しいわけではないようですが、人気のある品種です。

東京の江戸川で捕れたウナギが基準を超える放射性物質に汚染されていたというニュースを聞いて驚きました。江戸川中流域で採れたウナギは汚染されているが下流のものは基準以下だったとのこと。プランクトンを食べたテナガエビをウナギが食べて、蓄積されたとのことです。

原子力発電所の事故は、食料自給率を下げるという意外な悪影響もあります。福島県などで農業生産の再開できない地域での食べ物の流通はありません、もちろんその地域の水産物、畜産物、しいたけなどのきのこの栽培品、山採りの山菜やきのこ・イノシシやキジなどの狩猟動物と鳥、趣味で楽しむ釣によって捕れたものも食べられることはありません。

東京のウナギは超高級の鰻屋さんのみでの消費だったろうから、食料自給率という大げさな影響はないと思います。しかしこのウナギだって、流通しなくなれば、他の食べ物に置き換わります。霜降りの牛肉でしょうか、高級な寿司でしょうか・・・

このウナギ、食べられることがないだけでウナギの体内の放射性セシウムが減ったり無くなったりすることはありません。ウナギが死んで、腐敗し、プランクトンが食べて、それを手長エビが食べて、それをまたウナギが食べてというような循環が繰り返されます。何百年かたたないと、セシウムがほとんどなくなる状況にはなりません。または、ウナギを捕って除染すれば別ですが。

罪深い、原子力産業です。

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