“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

内田樹教授の朝日への文書

2013年06月01日 10時38分40秒 | 臼蔵の呟き

長い文書なので、後半の部分を掲載します。非常に優れた日本の政治状況分析資料です。日本だけでなく、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、日本などの多国籍企業の目的、活動内容、その政治的代理人としての政治の動きなどが分析されています。日本の安倍、自民党政権の特徴を非常によく分析している資料ですので、再掲します。朝日新聞に載せられた分析だそうです。

<教授の考察>

わが国の大企業は軒並み「グローバル企業化」したか、しつつある。いずれすべての企業がグローバル化するだろう。繰り返し言うが、株式会社のロジックとしてその選択は合理的である。だが、企業のグローバル化を国民国家の政府が国民を犠牲にしてまで支援するというのは筋目が違うだろう。
大飯原発の再稼働を求めるとき、グローバル企業とメディアは次のようなロジックで再稼働の必要性を論じた。
原発を止めて火力に頼ったせいで、電力価格が上がり、製造コストがかさみ、国際競争で勝てなくなった。日本企業に「勝って」欲しいなら原発再稼働を認めよ。そうしないなら、われわれは生産拠点を海外に移すしかない。そうなったら国内の雇用は失われ、地域経済は崩壊し、税収もなくなる。それでもよいのか、と。
この「恫喝」に屈して民主党政府は原発再稼働を認めた。だが、少し想像力を発揮して欲すれば、この言い分がずいぶん奇妙なものであることがわかる。電力価格が上がったからという理由で日本を去ると公言するような企業は、仮に再び原発事故が起きて、彼らが操業しているエリアが放射性物質で汚染された場合にはどうふるまうだろうか?自分たちが強く要請して再稼働させた原発が事故を起こしたのだから、除染のコストはわれわれが一部負担してもいいと言うだろうか?雇用確保と地域振興と国土再建のためにあえて日本に踏みとどまると言うだろうか?絶対に言わないと私は思う。こんな危険な土地で操業できるわけがない。汚染地の製品が売れるはずがない。そう言ってさっさと日本列島から出て行くはずである。
ことあるごとに「日本から出て行く」と脅しをかけて、そのつど政府から便益を引き出す企業を「日本の企業」と呼ぶことに私はつよい抵抗を感じる。彼らにとって国民国家は「食い尽くすまで」は使いでのある資源である。
汚染された環境を、税金を使って浄化するのは「環境保護コストの外部化」である(東電はこの恩沢に浴した)。原発を再稼働させて電力価格を引き下げさせるのは「製造コストの外部化」である。工場へのアクセスを確保するために新幹線を引かせたり、高速道路を通させたりするのは「流通コストの外部化」である。大学に向かって「英語が話せて、タフな交渉ができて、一月300時間働ける体力があって、辞令一本で翌日から海外勤務できるような使い勝手のいい若年労働者を大量に送り出せ」と言って「グローバル人材育成戦略」なるものを要求するのは「人材育成コストの外部化」である。
要するに、本来企業が経営努力によって引き受けるべきコストを国民国家に押し付けて、利益だけを確保しようとするのがグローバル企業の基本的な戦略なのである。
繰り返し言うが、私はそれが「悪い」と言っているのではない。私企業が利益の最大化をはかるのは彼らにとって合理的で正当なふるまいである。だが、コストの外部化を国民国家に押しつけるときに、「日本の企業」だからという理由で合理化するのは止めて欲しいと思う。
だが、グローバル企業は、実体は無国籍化しているにもかかわらず、「日本の企業」という名乗りを手放さない。なぜか。それは「われわれが収益を最大化することが、すなわち日本の国益の増大なのだ」というロジックがコスト外部化を支える唯一の論拠だからである。
だから、グローバル企業とその支持者たちは「どうすれば日本は勝てるのか?」という問いを執拗に立てる。あたかもグローバル企業の収益増や株価の高騰がそのまま日本人の価値と連動していることは論ずるまでもなく自明のことであるかのように。
そして、この問いはただちに「われわれが収益を確保するために、あなたがた国民はどこまで『外部化されたコスト』を負担する気があるのか?」という実利的な問いに矮小化される。
ケネディの有名なスピーチの枠組みを借りて言えば「グローバル企業が君に何をしてくれるかではなく、グローバル企業のために君が何をできるかを問いたまえ」ということである。
日本のメディアがこの詭弁を無批判に垂れ流していることに私はいつも驚愕する。


生活保護法改悪可決

2013年06月01日 06時00分17秒 | 蜂助の呟き

こんにちは、蜂助です。

仙台市は今朝も快晴で気持ちの良い日となりそうです。

今朝の我が家の花はデルフィニューム。この花は、イベントなどの盛り花や生け花・アレンジメントにもよく使われます。美しい深海の色ですが、淡い色など白っぽい色から空色、青、群青色、そしてピンクもあったかな。

今朝も、悲しい怒りに満ちた話題です。生活保護改正案と生活困窮者自立支援法案が衆院厚生労働委員会で可決されました。この法律の許せない点は

1.憲法25条で保障されている生存権とを犯すものです。

2.特に、生活保護を受けたいと思ったり、そのような状況に置かれている人たちに手を指しのばすどころか突き放す、そこにたどりつけないようにするようなひどいしくみを導入することは許せません。

3.生活困窮者自立支援法は、生きることを保障するのではなく、生活保護基準を下回るような賃金でもとにかく働け!という考え方です。

4.国連による勧告を完全に無視しています。国連は日本政府に対して、生活に困っている人たちに生活保護の申請を簡略化しろと勧告しています。

5.これらのたくらみは、表面的には生活保護レベルのある人たちを対象にしていますが、狙いは国民全体の生活や賃金レベルを下げ国の保障水準を下げることにあります。

先日起きた、母と子どもの餓死事件では子どもの胃には食べ物の内容物が無く「食べさせられなくてごめんね」との書置きがあったという報道が頭から離れません。昨年もわかっているだけで248人が生活に困って餓死していることを国会議員は知らないのでしょうか。今日の天気とは真逆な出来事に怒りを覚えながら、外出します。

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