“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

[FT]世界の指導者に贈る 来年頼るべき指針

2013年01月02日 15時00分00秒 | 臼蔵の呟き
新自由主義、市場経済至上主義の行き詰まりを象徴するような分析です。アメリカ、イギリス、フランスなどの政治経済の行き詰まりをどのように考え、打開すべきかを考えているのでしょうが、このようなことで、打開できるかどうか。

外交関係における政治指導者の関係は重要です。しかし、政治指導者は国内政治、世論の制約を受けておりその制約から解放されることはありません。各国の政治経済が自国政治経済を立て直し、自国民の生活を豊かにし、貧富の格差を縮小し、国民の権利拡大を行わない限り、中期的には必ず政権交代に見舞われることは確かです。

先進工業国がなぜ、深刻な政治経済の低迷と閉塞に直面しているかを分析すべきです。しかし、新自由主義を肯定し、その立場から現実の政治経済問題を分析しても何も打開策を見出しえないことも示しているのではないかと思います。「先進国と新興国双方の中間層は上位1%の特権階級を敵視している。」というのであれば、なぜ、このような政治的な意思が発生しているのかを分析し、そこから打開策を見出すべきです。

<[FT]世界の指導者に贈る 来年頼るべき指針>

 新年の抱負は破られるために立てられるというが、政治家が1月1日に掲げるお決まりの空約束は、もう勘弁してほしい。それでも、経験から教訓を引き出しても害はない。そこで、政治指導者が2013年の進路を描く際に参考になりそうな指針をいくつか挙げてみよう。
■まずは「友人をつくれ」
 イラクとアフガニスタンでの米国の戦争はハードパワーの限界を雄弁に物語った。軍事力は常に重要だが、経済の相互依存により密接に絡み合った世界では、友人を作り、人々に影響を与えることも全く同じくらい重要だ。
 中国の力を行使するうえで、習近平氏は退任する胡錦濤氏よりも強硬な路線を取ると見なされている。南シナ海や東シナ海での領有権を巡る中国政府と近隣諸国の緊張は、国家主義の色濃い日本の安倍晋三内閣の誕生で和らぎはしないだろう。
 しかし、国際関係について「好機を待て」としたトウ小平のアプローチを放棄して以来、中国に何が起きたかを習氏はよく考えた方がいいだろう。近隣諸国は中国に背を向け、バラク・オバマ大統領は米国の軸足を移して太平洋国家として復権させた。中国は自国で大きな代償を払わずに、日本に経済戦争を仕掛けることはできない。強国でさえ同盟国が必要なのだ。
 ほかにも、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領とイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、しばしば孤立を喜ぶように見えた。その結果はどうなったか? ロシアの世界的な影響力は、国連の議事進行を妨害する程度に減った。イスラエルは完全に孤立しつつあるようだ。
■次に「何かしてみる」
 最も忘れられがちな政治上の教訓は、何もしないことが、断固たる政策で失敗するのと同程度のリスクがありうる選択肢ということだ。無為に過ごす危険性を理解すべき指導者の1人は、フランスのフランソワ・オランド大統領だ。筆者のパリの友人が言うには、フランスがユーロ圏の一部の国と同じ運命を避けるには、経済の競争力の回復が焦眉の急であることを、オランド大統領は十二分に知らされている。ところが、オランド大統領は今のところ大したことをせずに満足している。市場の信認の危機が強いる改革は、大統領にもフランスの有権者にも、自発的な改革よりずっと大きな痛みを伴うだろう。
 ここに、ユーロ圏にとって大きな教訓がある。ドイツのアンゲラ・メルケル首相は誰もが認める欧州の指導者になり得たが、ユーロ危機への異様なほど慎重なアプローチは大きな代償を伴った。もしユーロが現在安全に見えるなら、マリオ・ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁の積極性のおかげだ。危険なのは、ドラギ総裁の大胆さのおかげで、持続的な回復を確実にするために必要な厳しい選択を、債権国や債務国が再び先送りしていることだ。
■そして「歩きながらやってみる」
 あまりに多くの指導者が1度に1つのことしかできないと考えている。二者択一の政治に陥っているのだ。二者択一ではなく、両方ともやるべきだ。ワシントンからのメッセージを見る限り、オバマ大統領は2期目の野望として米国の再建を掲げたようだ。解決困難な外交問題の中でも最も難しいイスラエルとパレスチナの対立は、今後も二の次にされる運命にある。だが、米国大統領は2つのことを同時にできる存在であるべきだ。
 経済を正すことは、すべての指導者の最大の関心事だろう。だが現実には、オバマ大統領が米国の国内問題に専念できるように世界の動きが止まったりはしない。ネタニヤフ・イスラエル首相は新たな中東戦争に米国を巻き込む決意を固めたかに見える。今回はイランに対する戦いだ。米国は、時にそう望まなかったとしても、やはり世界に不可欠の大国だ。米国一極時代は終わったかもしれないが、世界には米国の関与なしで解決できる深刻な問題はほとんどない。
■さらに「先を読め」
 これは英国のデビッド・キャメロン首相への忠告だ。不運なキャメロン首相は、賢明に見えた戦術が往々にして政治家を戦略上の袋小路に追い込むことを見落とす過ちを犯した。1年かけて与党・保守党内の強硬な欧州統合懐疑派をなだめたり満足させたりした揚げ句、気がつけば英国は欧州連合(EU)脱退に向かっていた。
 私はこれがキャメロン首相の狙いだったとは思わない。ただ彼は、EUとの関係を英国の意のままにできる「新たな合意」を得られると欧州統合懐疑派に言質を与え、他のEU加盟26カ国にはその気がないという不都合な事実にぶつかった。
 メルケル首相は、統合強化への同意の見返りにユーロ圏に譲歩を迫る英国の見苦しい脅しに気分を害した。オランド大統領は既に、不実な英国にうんざりしている。キャメロン首相は住民投票を約束する羽目になり、その結果次第では、英国は欧州大陸の片隅に取り残されかねない。
■最後に「フェア(っぽい)プレー」
 西と東、北と南、民主主義と権威主義――どこでも現職の指導者を脅かす最大の問題は、不公平に対する反発の高まりから生じる。先進国では、富裕層がグローバル化の恩恵をすべて手にする一方、残りの国民は緊縮財政の負担を背負わされるというのが共通認識(そして、おおむね現実)だ。中東で民衆蜂起をけしかけた火花が1つあったとすれば、社会のあらゆるレベルで国民が抱く腐敗への怒りだった。習氏は、汚職は中国の共産党支配を転覆させる恐れがあると警告した。彼は正しい。誰も平等主義の理想郷は期待していないが、先進国と新興国双方の中間層は上位1%の特権階級を敵視している。
By Philip Stephens(翻訳協力 JBpress)
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脱原発の民意とズレ

2013年01月02日 11時00分00秒 | 臼蔵の呟き
12.16選挙結果を報じた記事です。海外のメディアが脱原発、原子力エネルギーを減らすべきという国民の意思と選挙結果(自民党が多数派になる)のずれについて報じています。外国、外国の報道機関がどう報じられているかは日本にとっては関係ないとう主張もありますが、これだけ各国の関係が緊密、頻繁、重要になった時代に唯我独尊的な主張、生き方が通用するかどうかも考え直すことが必要なように思います。

第一に、スリーマイル島事故、チェルノブイリ事故、福島第一原発事故はアメリカ、ソビエト、日本における原子力エネルギー政策に大きな影響を与えました。同時に、そのことが他国の原子力発電所建設、稼動、原子力エネルギー政策を大きく影響を与えてきました。その点では、日本における原子力事故は、日本のエネルギー政策にどのような影響を与えたかが問われるのだと思います。原子力事故は、一国の問題ではなく、海洋の汚染、核物質の空中汚染などを通じて、他国も汚染しました。これらの環境汚染を防止、改善させるための政治的な責任が日本政府、日本政治にはあります。そのことを無視して行動し、何を主張しようと「子供の主張=日本の主張」として信用されないことになります。

第二は、小選挙区制度が民意を正しく反映させていない問題です。原発反対の国民意思は70割を占めるのですが、その結果が、政権選択に反映すれば自民党が多数派になることは有り得ませんでした。小選挙区制の矛盾、民意を反映させない選挙制度としての問題点が明らかになったことです。この点に、日本政治、日本の国民が主体的に取り組むかどうかが問われているのだと思います。

第三は、原発問題と経済問題を天秤にかけるようなことです。自民党、安倍は経済的な停滞を強調し、重大な政治課題である原発、消費税率引き上げ、TPP協定参加などから目をそらし、争点をぼかした。そのことに対する反省、教訓を今後の選挙戦に生かすことが重要ではないと思います。経済的な低迷が長引き、続けば、国内政治も内向きとなり、政治経済の広い視野、視点がとれなくなることが繰り返されています。自らの生活が重要なことは確かですが、その自らの生活を破壊した政治、政策は何によってもたらされているかを考えることが出来なければ、何回選挙を行ってもその地獄から、自らの生活も抜け出せず、改善できないことも確かです。

<脱原発の民意とズレ>

 本紙(中日新聞)が中部九県の激戦区・二十六選挙区で実施した出口調査では、比例代表で自民に投票した有権者でも「原発ゼロ」を支持している人が六割近くに上った。圧勝に終わった自民だが、「続原発」の姿勢までが信任されたとは言い難い。
 自民は公約で「十年以内に最適な電源構成を確立」と原発の存廃について先送りしているが、自民に投票した人への出口調査では「直ちにゼロに」が8・0%、「将来ゼロに」が49・2%を占めた。「減らす」も28・0%に上り、「減らさず推進」は9・2%にとどまった。
 また、投票にあたり最も重視した政策で、「原発政策」を選んだ人はわずか2・8%。トップは「景気対策」の45・4%で、「増税や減税」(12・3%)「福祉や社会保障」(11・2%)などが続いた。投票した大半が原発以外の政策で自民を選んだことが分かる。
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原発と大手企業の対応

2013年01月02日 09時44分18秒 | 臼蔵の呟き
原発支持勢力としての大手企業、経団連がやりそうなことです。事実かどうかは分かりませんが、このようなことがあってもおかしくは無い話です。

情報社会でマスコミが果たす役割は非常に大きいことをよく知っているのは政権党、経団連、大手マスコミなどです。その反面、民主勢力が注意しなければならないのもマスコミ、大量に流される情報です。テレビ、新聞による情報操作、世論誘導に対抗するだけの力を持つことが重要です。大手マスコミは現在の政治姿勢を変えない限り、必ず、自らの存在価値を否定されるはずです。

しかし、それまでに彼らが流す社会的な害悪は、流されない社会、時代に比べれば、比較にならないほど大きな弊害をもたらします。本来であれば、大手マスコミ組織で働く職員が自浄能力を発揮し、倫理観を取り戻すことです。そのことが出来るような社会的な批判が必要にもなっています。

安倍政権が、政権につく前から日銀総裁、日銀への政治圧力をかけましたが、原発問題でも経団連、大手企業の連合で、良心的な報道、原発批判を報道するマスコミへの経済的な圧力(経営基盤を破壊させようとする圧力)を加えていることは許すことが出来ない蛮行です。自民党、自公政権は同様な対応を大規模にあらゆる分野で行っていることを示しています。彼らの圧力を受けている勢力を支援する、相対的に攻撃されている勢力がまとまって反撃することも重要な取り組みです。

<原発と大手企業の対応>

先日、横浜に出かけた帰りに駅で『東京新聞』を買って、新幹線の中で読んだ。原発の問題点について明確に書いてあり、充実している。朝日、読売などとは大違いである。TPPにかんする記事も同じ。
 帰宅したら、「F兄が中日新聞を置いていってくれた」と妻が手渡してくれた。これまた原発の記事が充実している。東京新聞は中日新聞東京本社が出している新聞であるから、基本的論調が同じであるのは、当然である。原発についていえば、そもそも東京新聞は1960年代から一貫して原発に批判的なスタンスに立ってきたそうである。知らなかった。東電・経団連を大口スポンサーとしている大新聞に、原発に関する正確な報道を期待するのがまちがっていたのだとつくづく思った。
 ・・・と思っていたら、東京新聞にかんするおどろくべき情報を教えてくださる方がいた。東京新聞・中日新聞は、脱原発記事を書いてきたが、それに対して大手企業からの広告が7月10日から掲載引き上げという兵糧攻めがされているということである。それが事実であるとしたら、原発で甘い汁を吸ってきてこれからも甘い汁を吸いたい人々は、国民を原発の実情から遠ざけて、「見ざる言わざる聞かざる」の状態にしておきたいのであろう。ひどい話だ。
 こちらを参照。
http://ceron.jp/url/hyouhei03.blogzine.jp/tumuzikaze/2011/07/post_a499.html
☆誰に頼まれたわけでもないが、中日新聞・東京新聞を応援したい。
<追記>
 朝日は戦前からの伝統で、インテリのひよわさを体現した日和見新聞である。読売は社主だった正力松太郎がCIAの工作員であり日本にGEの原発を持ち込んだ人物であったから当然のごとく原発推進である。産経は読売に経団連の色をさらに濃くしたような調子。毎日は全国紙とはいえ発行部数がとても少なくなって危ない状態だと聞くが、脱原発を打ち出してジャーナリズム魂を回復したと、ある朝日の記者が半分うらやましげに言っていた。
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