現在会には保護当時から臍ヘルニアの猫がいます。
これまでもけっこうな割合でいたのですが、
ひどくなければご理解いただいた方に譲渡して
去勢や避妊の手術の時に同時オペをお願いすることになります。
今回の子猫のヘルニアは、それなりの大きさがあります。

譲渡はすぐにはせず、会で避妊手術をして、そのときに
臍ヘルニアのオペもしようと考えています。
見た目もかわいらしくて、性格も人間が大好きなとてもいい子です。
これ以上大きくなったり、出ている部分に異変が生じないことを
ひたすら祈りながらの子育てです。
だんだんと動きも活発になり、他の子猫と飛んだり跳ねたりして
元気に遊んでいますが、チェックも必要です。
1.5キロ、できたら2キロになれば充分オペができるし
そこまで何事もないことを祈っています。
実は10年前、同じようにかなり大きな臍ヘルニアの子がいました。

アップくんと名付けてお世話していましたが、1キロになったのを
きっかけに、臍ヘルニアの手術をしました。

小さな体で大変な手術をして、うまくいったと思っていましたが
その後体調はどんどん悪化してしまい、結局亡くなってしまいました。
そのとき、アップといっしょに仲良く過ごしていたカールくんが
FIP(猫伝染性腹膜炎)になりました。
当時は、この病名を告げられるということは、即座に
死を意味していました。

手塩にかけた子猫たちを同時に失うことになりました。
徐々に弱っていくのに、なすすべなしの自分がいて
いろいろ考えました。
臍ヘルニアのこと、FIPのこと。
そして、たくさん泣きました。
つらいのは子猫たちなんですが
でも情けないことにいっしょに心が弱っていく自分を感じていました。
日々の仕事、家事、雑事、もちろん猫たちのこと。
当時は猫回りもありました。
逃げ出したいくらいだったけれど、そんなことはできません。
今の自分に至るまでに多くの子たちが教えてくれたことがたくさんあります。
苦しくて眠れない夜と、そんなときでもどういう自分でいなければ
ならないかも、猫たちと向き合いながら学ばせてもらったと思います。
今もっていろいろな病気、けが、びっくりするような現場
毎日毎日盛りだくさんです。
ひとつづつ、仮に丁寧ではないかもしれませんが
考えることをやめないで逃げない自分でありたいと思っています。
臍ヘルニアの手術ができるところまで、無事に育ちますように。
みなさんにも、いい報告ができますように。
お世話してるスタッフさん含め応援していきます。
そして、いろんな相談者さんに対峙しているスタッフさん
現場を抱えるスタッフさん
また現場で当事者としてがんばっている相談者のみなさん。
他の方たちの力を借りてでも
現状を乗り越えられるようにと思っています。
助けてって言えることは悪いことじゃないです。
どうにも無理をしていると思ったら、ちょっと止めに入るつもりでいます。

保護した当時のアップくん

わが家に連れ帰った時のカールくん
臍ヘルニアでアップとカールを思い出しました。
もう10年が経つんですね
光陰矢の如しです。