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そらまめ日記・猫と暮らす会(猫とクラス会)

静岡県浜松市を拠点に、人と猫とが上手に暮らせることを願い
共生をテーマに自分なりの言葉で日々を綴っています

馬尾症候群のレオくん

2025-02-05 21:27:15 | 病気&事故の話し/猫編
昨年10月30日
ルルちゃんを譲渡したMさんから
担当したスタッフさんに緊急で連絡がありました。

近くの用水路でまだ小さな子猫を拾ってしまって
今後の相談をしたいという内容でした。



すでに受診などして、ひととおりのことは終わっていました。

息子さんが猫アレルギーであること、
あまりに小さくて飼育できるか
自信がないことなどの理由で会でお預かりすることにしました。
預かり費用もご負担くださるとのお話でした。

子猫は400グラムです。



前日からずっと泣いていて、声をたよりに探し当てて助け出したそうです。
用水路に落ちて、そのまま人知れず命を落としても不思議はなかったのです。

もともと、譲渡したルルちゃんは
Mさん宅で飼うために迎えに来てくださったのですが
息子さんのアレルギーで泣く泣くあきらめようとしていました。
でも、どうしても手放せないと、それではお母さんのところで
飼うことはできないものかとご実家を頼った経緯がありました。

自分が自宅で飼うことが難しいことはわかっていても、
助けずにはいられなかった・・・見捨てるなんてできなかったんですね。

助かるときって、一見無謀かもとか、無茶してとか
そういうことだと思うんです。
冷静に先の判断なんてしてたら、繋がらないことってあるあるだと思います。

そしてこの子は無事にスタッフさんのお宅に移動になりました。
当時はダヤンくんと呼んでいました。
ベテランのスタッフさんですから、もう安心です。



ところがところが・・・
2日後にうんちがきちんと出し切れず垂れてしまっていること



出した後、肛門が開いたままなこと



気づいてすぐに受診してもらったところ
馬尾(ばび)症候群だと診断されました。
まさにしっぽが馬のしっぽのように垂れ下がっていることから
この名前がつけられました。

これまで、後天的なケースでこの病名を言われた子たちを知っています。
譲渡した里親さんたちからの連絡でわかったり
レスキューしてわかったケースもありました。
大人猫たちばかりです。
断尾手術をした猫もいましたし
尾のもともと短い子は、おしっこに問題が生じて
オムツを使用した猫もいました。

こんな小さな子猫が・・・・と驚きましたが
先天性なのか用水路に落ちたときの何かなのか
馬尾症候群だと譲渡がかなり難しくなってしまいます。
ともかく保護してくれたMさんに伝えました。

はじめはかなりショックを受けていました。
でも真剣に考えてくださいました。
ご実家のお母さんにも相談されてましたし、
ご主人から電話もいただき、状態や今後考えられることをお話しました。

結論は、少し大きくなるまで会でお世話して
ご実家のお母さんが飼ってくださるということで
ダヤンくんの将来が保証されるという、非常に嬉しい内容になりました。

そして、途中お世話しているスタッフさん宅にもお母さんとともに
いらしてもらって実際を見てもらったり
必要なものを購入してもらったりと着々と準備が進んでいきました。



名前もレオくんに変えました。
強い子に育つようにとの願いが込められているそうです。
王者の名前ですね。

ワクチン接種してからの移動という話しでまとまりました。
他の猫とも仲良く遊ぶし、元気印のとってもいい子です。
お目々もくりくりで日に日にかわいらしく育っていきました。

そのうち、おもらししてたうんちも少しずつ改善されて
肛門にひっかっかたうんちを、たまに指で押し出してあげれば
あとは問題なさそうな感じです。

預かりスタッフさん、難易度の高い子猫でしたが少しでも飼いやすいように
少しでも症状が改善するようにと、日々がんばってくれていました。

もちろんレオくんの運動量が増えて、
他の筋力ができあがってきたおかげもありますが、
病名を告げられたときより、かなり飼いやすく
先行きも明るくなっていました。

そして、年末
ご家族皆さんでお迎えにいらしてくださいました。
新たなるページを開いた瞬間でした。

預かっていたスタッフさんはもちろん、毎日毎日
どうなることやらと報告を見ていたわたしたちも
うれしさと淋しさと、やれやれのほっとしたような安心感と
今後の病状のことなどを考え
複雑に入り混じった気持ちだったと思います。



お母さんのところの様子もお知らせくださって、
他の子たちを送り出すトライアルと変わらない出だしでした。
その後2回目ワクチン接種も終わりました。

用水路から拾い上げてすぐに受診してくれた時点で
愛情も責任感もあるしっかりした方だとわかってはいましたが
難易度の高い子猫を果たして今後お世話して行けるのかと
漠然とした不安がなかったわけではありません。

でも、習うより慣れろですね
お母さんも本当にしっかり見てくださってありがとうございました。

病院もしばらくは、
会でかかっていたところに行ってくださることに。
そして先生から、この感じなら断尾手術をしなくても
いいのではないかと言われたそうです。

多少なりとも尾っぽが上がっている写真もいただきました。



完全に治ることはありませんが、ぶら~んとした状態のままでは
なさそうです。



レオくんは、一生分の力をふり絞り大きな声で助けを呼んで
その先にいたのがMさんでした。
Mさんで本当に良かった・・・。



目に見えないけれど、用水路から引き上げてくれた手は
まさにこの子にとって神の手だったと思います。



わたしにとってもたぶん忘れることのできないストーリーとなりました。
預かりスタッフさんの献身的なケアも、
逃げることなくまっすぐに向き合ってくれたMさんご家族にも
心打たれるばかりです。


ハナちゃんは上から見ていますね

ルルちゃんはかまってくれるようです。

レオくん
ママから離れ用水路に落ち、病気がわかり
いろいろあったけど、だからこその幸せが待っていたね
今度は君がみんなの心を明るくする番だよ
お姉ちゃんのハナちゃんルルちゃんとも仲良くね♡



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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (黒猫好き)
2025-02-06 12:13:02
馬尾症候群は、骨盤周辺(腰と尻尾の間)の馬尾神経叢(いくつかの神経が集まって細かく枝分かれして垂れ下がった馬の尻尾のように見えるのでこう呼ばれます)が圧迫されることで起こるものです。
正式名称を変性性腰仙部狭窄症(DLSS)に代表される神経の病気で、神経が圧迫されることで痛みや痺れ麻痺を起こすものです。

尻尾が垂れ下がっているのは神経が圧迫されて痛みがある為です。
用水路に落ちた時に(排便に問題があったようなので)大腸兪の辺りの神経を強く打ち付け圧迫された為ではないでしょうか?

大きくなり筋肉が付き支えられるようになったことで症状が緩和されたのだと思います。

馬尾症候群は鍼灸やリハビリ治療で治ってくると思いますよ。
返信する
黒猫好き様 (そらまめ)
2025-02-08 22:25:43
詳しくありがとうございます。
すでに2キロに達し、順調に他の筋力・骨などが育っているようで、今の時点では心配なさそうです。
ただ、神経からきているため様子は見ていかないといけないねと先生からも説明を受けています。
日常生活に支障なく暮らしてもらえたら・・・と思います。
ただ、気にするほどではないのですが、時々うんちがころっと転がっているそうです笑
返信する

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