昨年6月に入った相談です。
近隣畑で母猫が4匹の子猫を生んでしまったけれど
母猫の手術と子猫は保護場所がないけれど、何かいい方法はないか
相談させてもらいたい
そんな内容でした。
スタッフさんに出向いてもらったところ・・・。
相談内容とは、まったく異なった現場でした。
相談者さんの思ってる子だけではなく、これはびっくりな多頭の現場でした。
毎年、相当数生まれて、相当数亡くなり、どこかに行ってしまう子もいたり
よそから流れついたりしてる子もいるだろうという地域。
ざっと・・・何匹?
ともかく正確な数の把握はかなり難しいと報告が来ました。
やたら黒猫多くて見分けがつきません。



子猫も何頭かお目当ての子以外で、隠れてるところを見つけたようです。


※周辺を歩いて情報収集すること
※相談者さんがどこまでやろうとしているのかしっかり意思疎通をはかること
※近所で協力してくれている人を募るなり探すこと
(資金面・捕獲器の設置場所・搬送など)
※餌をあげている人たちを探すこと
借家を取り巻くように至る所に猫がいる現場で
猫の個体を把握するのが非常に難しい場所でした。





協力してくれそうな人も、実は快く思ってなどいなかったり
捕獲器設置を拒否したり。
資金面でストップになるのかもと一瞬思ったりもしたのですが
意外とそこは大丈夫で、むしろ捕獲そのものが難航しました。
なんせ、暮らしている場所とは離れたスタッフさんが
時間の許す限り通ったりしてましたから、自宅周辺の捕獲とは
まったくわけが違いました。
あとは置き餌の改善がどうしてもできなくて
長年餌をあげ続けてる人の習性というか深層には
なかなか踏み込めないという現実に直面しました。

それでも、相談者さんも非常に頑張ってくれたと思います。
また担当スタッフさんの粘り強さには、感服しました。
が、こういう活動は、いったんどこかで線を引かないと
いつまでも終了することができなくなります。




たとえば期間を区切るとか、
たとえば地図を見ながら地域で区切るとか
予算を見ながら数で区切るとか
撤収することも、また大切なことです。
ひとまず下がって、また少し状況が変わったころ合いを見計らって
活動をすることも大事だと思います。
残り5匹の報告をもらって、それが終了したのと
12月20日で書類の期限がきたために引き上げました。
19匹の大人猫たちのTNRが終了しました。
保護して譲渡できた子猫たちは12匹です。
しかも子猫たち、最初は慣れていませんでした。
全部で31匹です。
文字にするとたった数行ですが、この成果を出すまでに
大変な労力をかけ、自分たちの時間を費やしての結果なのです。
ご近所のとある方が、何の利益、見返りがあってやってるのと
まくしたてていたようですが
ただただ、この現場で繁殖が繰り返されないことを願って
協力していますとしか言えません。
地元の問題を関係ない地域の私たちがここまでやってるわけですから、
本来はもっと積極的にいっしょに関わるような
せめてもっと応援するような風潮にはならないものかと
思ったりもしますが・・・。
そんなこと言ってても、何も変わりませんね。
なんとかしたいと立ち上がった相談者さんをサポートしながら
頑張る以外ないのかなと思います。
今年3月に、三毛猫が捕まりました。
三毛は女の子しかいません.
この子も妊娠していたのですが、繁殖ブロックできました。
これでトータル20匹の成猫の不妊手術完了です。
でも、置き餌をする人物がいて、何度お話ししても
どうしても変えてもらうことができなくて・・・。
食べないと死んじゃうって不安から、てんこ盛りで置くんだと思うのですが
どの子がどのくらい食べているのかは、全然把握していません。
つまり、猫そのものをあまり見ていません。
置き餌をする人は、置くことで自分自身の抱える別の不安とかから
一時的に解放されるのかなと思います。
しかも、こういう人って自分自身の擁護がめちゃめちゃ上手で
すごく協力してますってふりをします。
できたらメンタルサポートに専門家が入ってくれたらいいのにと
真剣に思ってしまいます。
そんなわけで、この現場はいちおう第一段階終了していますが
まだときおり見かける数匹の猫の捕獲が残っているため
新年度も何匹か、TNRの予定でいます。
今年の冬は、メスをめぐるオス同士の雄叫び
ずいぶん減ったんだろうと思います。
この春もお腹の大きな雌猫を見かけたり
ミャアミャアのおちびさんが生まれることもなく
穏やかな地域になったんじゃないかなと想像できますが・・・。
置き餌達人がいる限り、まったくのゼロにするのは難しい現場です。
耳カットされた猫にのみ、ご飯をあげてもらうのが
本来のルールなのです。