サイババが帰って来るよ

Count down to the Golden age

クリシュナ物語(30)

2016-07-24 00:00:06 | 日記
ポニョ:ドロパディのサリーを剥がしてしまうとか、ゴーピーたちが沐浴している時に衣服を隠してしまうとか、ちょっとスリリングなエピソードがあって、クリシュナの物語を面白くしているな。

ヨシオ:こういうエピソードも入れないと、難しい事ばっかり言ってたらポニョのような読者が退屈するからやろな。それに前から言っているけれど、神さんっていつも遊んでおられるんや。だからわざとこういう人がドキドキして喜ぶ場面を作られたんや。

ポニョ:確かにドキドキするぜよ。でもおいらが理解出来なかった事は、ダルマジャの態度やぜよ。なんでサイコロ遊びなんかするんや。ギャンブルは良くないってババが言っておられるやないか。こんないかさまギャンブルをするから、領地や資産を全部掠め取られて、森に追放されたんや。

ヨシオ:その時に、そのサイコロ遊びに誘ったのは、彼らの盲目の父であるドリータラシトラなんや。ドゥリョーダナ達は、自分たちの盲目の父に頼んでダルマジャに手紙を出させたんや。

ポニョ:ふーん、そうやったんか。それでその手紙にはなんて書かせたんや。

ヨシオ:手紙には「汝らは皆私の兄弟である。来て一堂に集まり、サイコロ遊びで楽しく時を過ごそうではないか。」としたためてあったんや。

ポニョ:そうなんや。それやったら仕方ないよな。だってドリータラシトラはパンダヴァ兄弟の叔父さんに当たるもんな。断りきれないぜよ。

ヨシオ:そうやろ。だから行ったんや。まさか、いかさまって知らなかったしな。

ポニョ:でもまだ腑に落ちないぜよ。だって何で負けが込んだからと言って自分の嫁はんを賭けるんや。それって人権無視やぜよ。嫁はんをただの物扱いしてるやないか。人を賭けに使うなって。

ヨシオ:俺たちはその当時の状況を知らないし、当時の風習や法令なども全然知らないから、今の基準で見るのは間違っているんや。考えてみ。このクリシュナの物語は、五千年以上も前の話をしてるんやで。五百年前の話じゃないんや。

ポニョ:そうやな。それじゃちょっと許してつかわすぜよ。でもそれでもまだ納得いかない事は、嫁はんを賭けて負けたのに平然としているその態度や。それって許せん。嫁さんに謝れっちゅうに。平然としていたって言ってたけれど、それってふてぶてしいやないか。全然後悔していないやないか。

ヨシオ:それも当時の風習やろ。俺にいちいち文句言うなっちゅうに。俺も頭に来てるんや。このダルマジャっていう男、俺がドロパディやったらほっぺたを張り上げてしまわないと、気が治まらないやろな。蹴りもついでに入れて、二度と子供を作られへんようにしてもうたろか。五人も夫がいてるんやから、一人ぐらい玉が潰れて御釜になってもかまへんやろ。

ポニョ:あの〜もしもし…。あんたが頭に来たら中途半端じゃないのでこの辺で止めとくけれど、おいらはまだ納得してませんよ。でも驚いたでヤンス。それより前回の物語の中においらの名前が突然出て来たのでびっくりしたでヤンスよ。特別出演なんて言うから、名のある役者みたいやないか。

ヨシオ:ポニョが、ドロパティのサリーが剥ぎ取られる現場に居合わせたかったって言うから、特別出演してもらったんや。どうやった?その大会堂にいてしっかりドロパディののサリーが無限に出る奇跡を見れたか?

ポニョ:見たも見れないも、そら、周りの長老たちの嘆き声や呻き声が聞こえて来てめちゃ重い雰囲気やったぜよ。それにドロパティのあの長い黒髪がザンバラになっていて、それを鷲掴みにして、悪党どもがドロパティが悲鳴をあげているのに引きづって連れて来たシーンでは、顔が真っ赤になる程頭に来たぜよ。あんなに婦人を乱暴に扱うって考えられないズラ。でもドロパディってすごい女らしいぜよ。おいらの嫁さんやったらヤシの実割りと卍固めで悪漢共をコテンパンにやっつけるやろな。と言いたいところやけれど、実際のところは知りませんですたい。

ヨシオ:誰や以前、ちょっと大阪人のノリで適当に続けようなんて言ったのは。

ポニョ:この程度で良ければ適当に続けられるぜよ。でも、事実と違った事を言ってしまうとババさんに叱られるぜよ。という事でクリシュナとして実際その場にいたサイババさんに、詳しくそのエピソードのお話をしてもらいましょう。

ドロパディは怒りに形相凄まじく、宮廷の臣や勇士はそれを見て驚いた。クリシュナ神は彼女を起き上がらせて頭に手を乗せて彼女を祝福した。「さあ、起きて髪を結い、宮殿に入りなさい。とクリシュナ神は言った。」
ドロパディは鎌首を持ち上げた蛇のように、起き上がり顔に被さる髪の毛の間から眼光鋭く辺りを見据えた。彼女は大会衆の中央に立ち、クリシュナの方を向いて言った。
「神よ。破れた布は縫い合わさなければなりません。貞操を守る婦人は二度と他家へ嫁ぎません。擬乳は元のミルクには戻らず、象の牙はそこから牙が生じた口の中へ二度と戻る事はありません。ドロパディの髪は悪者の手によって解かれました。私の髪は幸せな妻の印として二度と結い上げられる事はないのです。」
それを聞いた人々は王妃の屈辱を思って深くうな垂れた。
しかし、クリシュナは言った。「では、あなたはいつになったら以前のように髪を御結い
になるのですか?そのように髪を振り乱していられる有様は、なんとも恐ろしいのです。」王妃は女獅子のように叫んだ。

「どうか私の言う事をお聞き下さい。汚らわしい悪漢は図々しくも私の髪に触れ、髪を掴んで大会堂を引きづり回したのです。悪漢の頭を木っ端微塵に打砕き、死骸を犬やキツネに食わせ、悪漢の妻を寡婦にし、その女たちの結い上げた髪の毛を解いて消すことの出来ぬ悲しみに泣かせてやるのです。」
大会堂の長老たちは王妃の言葉を聞き成り行きいかんと身を固くした。彼らはしっかりと耳に手を当てて王妃の声を聞くまいとし、口々に嘆願して言った。
「御許しください。」「気を御鎮め下さい。」というのも、彼らは婦徳の呪詛が計り知れぬ力を持つことを知っていたからだった。悪漢共の父親、盲目のドリータラシトラの心は恐怖で張り裂けんばかりであった。息子たちは平静を装うと努めたが心は恐怖で打ちのめされた。大会堂には恐怖のみがただよっていた。ドロパディの言葉がその通りになるであろう事、悪漢が彼女の放った言葉通り罪の報いを受けるであろう事を人々は知っていたのだった。

クリシュナ神も言った。「おお、ドロパディよ。あなたの言葉通りになりますように。私もあなたの夫たちに烈しい苦しみを与えた悪い男たちを滅ぼしましょう。あなたの語った言葉は実現するでしょう。なぜならあなたは生まれてからこれまでかりそめにも嘘を言った事がないからであり、あなたの声は真理を告げる声だからです。そして真理は、何ものよりも強いのです。」
カウラヴァ一族が滅亡し、正法を護るパンダヴァ一族の正しさが証明された。正法あるところ、必ず神がいます。神のいますところに勝利はあるのです。
パンダヴァ一族はクリシュナ神から絶えず恩寵を受けるに相応しい人だったのです。彼らは、正法を護り真理に立脚していた事により、神の恩寵を勝ち得た。人は正法と真理を護っていれば世俗の苦難の海を安らかに渡って解脱の彼岸に到着する事ができるのだ。