そよかぜから-映画

見てきた映画の記録です
ネタばれあるかも、気をつけて

血と骨

2006年01月14日 | 人間/社会派ドラマ

2004年 日本 145分 
■2006.1.14 wowow
■監督 崔洋一
■出演 ビートたけし 鈴木京香 新井浩文 田畑智子 オダギリジョー

《story》
第11回山本周五郎賞を受賞した梁石日の自伝的小説『血と骨』1920年代、朝鮮移民として済州島から日本に渡って来た金俊平。李英姫を強姦し強引に結婚。その妻や子どもにも暴力をふるい、さらに次々と愛人をつくり、自分中心に脅かしと暴力で生きていく。冷酷で壮絶な人生模様が繰り広げられる。

◆まるで暖かさのない、冷凍庫の中に首をつっこんでいるような気持ちになる映画だった。どうしたらこんな人間になっていくのだろう。当時は荒んだ社会だったのかもしれないが、こんな人間が「生き抜いた」ことが不思議なくらいだ。本能のままに生き、最後は一人、北胸腺の果てで死んでいく。端から見るとさびしく死んでいくように見えるが、本人の心の中はどうなっているのだろう。暴力は暖かいものは何も生み出さない。暖かさがなければ生きている価値を感じない。ビートたけしの演技は迫力があった。彼だからできるのかもしいれない。本当の彼はそうではないのに、役がぴたっと当てはまる。オダギリジョーの演技もいい。

キング・コング

2006年01月02日 | ファンタジー/アドベンチャー

2005年 ミュージーランド・アメリカ 188分 
2006.1.2 TOHOシネマズ緑井
■監督 ピーター・ジャクソン
■出演 ナオミ・ワッツ ジャック・ブラック エイドリアン・ブロディ トーマス・クレッチマン コリン・ハンクス

《story》
1933年、映画監督のカール・デナムは、冒険映画を撮るために、新人女優アンを連れて航海に乗り出す。しかし、船が到着した島は狐島(スカル・アイランド)だった。そして、原住民に捕まり、アンは何物かの生け贄として差し出される。その生き物は、巨大なゴリラであるキングコングだった。

「彼は彼女だけを信じた--- 
彼女だけは彼を守ろうとした---」


◎実写版としてのリメークは6度目。監督のピーター・ジャクソンは、「ロード・オブ・ザ・リング」の監督。9才のときに見たオリジナルの「キングコング」に魅せられ、映画監督を目指すことを決意。実現にこぎつけた。 ◎長すぎる。出航まで1時間、ジャングルで1時間20分、ニューヨークにもどって30分。見所はCGだと思う。あまりドラマ性は感じられない。キングコングが人間をつかんでいるシーンは迫力があった。しかし、あんなに振り回されて、気絶しないなんて、それに押しつぶされてもいないし、ケガひとつしない。本物のようなリアルさがあるだけに、その不自然さが目立った。アンとキングコングの会話がひとつもなかった。そこに何か意味があるのかもしれない。見つめ合うだけで心がつながっていく、言葉のいらない愛があるのかもしれない。最後にエンパイヤビルから落ちて死んでしまうキングコングだけど、それほどの悲しみがわいてこないのはなぜだろう。以前のキングコングには哀れさを感じる表情があったけど、今回はそれがあまり感じられない。なぜだろう。それは、出てくる人物達がつながっていないからだろう。スクリーンに哀れなキングコングを悲しむ人物が出て来ないから。無理にニューヨークに連れて来られる理不尽さがないから。

キングコング 公式サイト

あらしのよるに

2006年01月01日 | アニメ

2005年 日本 107分 
2006.1.1 TOHOシネマズ緑井 with all
■監督 杉井ギサブロー
■声の出演 中村獅童 成宮寛貴 竹内力 山寺宏一

《story》
ある嵐の夜に、仲間たちとはぐれたヤギのメイは、小屋ににげこむ。そこにはもう一匹、この嵐から逃れてきていた者がいた。オオカミのカブだった。暗闇の中で言葉をかわすうち、親しくなっていく。そして、次の日にこの小屋の前で待ち合わせ、ピクニックに行くことを約束する。約束の場所で落ち合った二匹はビックリ。でも、お互いが天敵どうしだとわかっても、一度結ばれた心が離れることはなく、ますます仲良くなっていく。しかし、そんな二匹を仲間たちが受け入れるわけはなく、二匹は群れから逃げ出すこととなる。

「友だちなのに、おいしそう」「それでもずっとずっといっしょでやんす」

◎気があえばだれとでも友だちになれるんだと思った。見た目や偏見にとらわれがちだけど、暗闇の中で声だけで惹かれ会う、そして姿形を目の前にしても、惹かれ会ったその事実を大事にできる、それが本当の友情、いや愛かもしれない。 メイは男なのか女なのか、それははっきりしない。どちらでもあるような気もするが、どちらかというと女なのだろうと思っている。それは弱い立場であり、守るべき人物として存在するからだ。メイにできること、それは優しく問いかけること、やさしく応えること。そばにいるだけで安心できる存在。 カブはどうだろうか。強く守る立場。誘惑に負けないで、信念を貫く正義の存在。自分の本能を抑え、理性を大きくふくらませ、愛する心を揺るぎないものにできた。だからこそ、そこに感動があるのだと思った。

あらしのよるに 公式サイト