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そよかぜから-映画

見てきた映画の記録です
ネタばれあるかも、気をつけて

ドゥーマ(吹き替え)

2007年01月07日 | ファンタジー/アドベンチャー


2005年 アメリカ 101分
■原題「Duma」
■2007.1.4 wowow
■監督 キャロル・バラード
■出演
  アレクサンダー・ミハルトス(ザン-白石涼子)
  キャンベル・スコット(ピーター-原康義)
  ホープ・デーヴィス(クリスティン-坪井木の実)
  イーモン・ウォーカー(リプクーナ-楠大典)
  ジェニファー・ステイン(グウェン-田村聖子)

《story》
南アフリカで両親と暮らすザン。 ある晩、国道の真ん中にうずくまっているチーターの赤ちゃんを見つける。一家は、その赤ちゃんを連れ帰り、ドゥーマと名付け育てる。ドゥーマはすくすくと成長し、父のピーターはザンに野生に戻すことを話す。そんなとき父のピーターが倒れ、死んでしまう。残された母とザンはドゥーマを連れて都会のヨハネブルグに移り住む。ドゥーマは施設に送るつもりだったが、家から抜け出し、ザンの学校に現れ、パニック状態になる。ザンは、ドゥーマを野生に帰すことを決意し、ドゥーマとともにサバンナを目指す。

子どもの目と大人の目
あの動物の子どもたちのかわいいこと。目は、動物の子も人間の子もみんな同じまん丸の無垢な感じがする。純粋っていうか、守ってあげたくなる目をしている。それがだんだん大きくなってくると、鋭い目に変わっていく。大人になってもあんなかわいい目をしていたら、獲物なんて捕らえられないし、競争の社会では生きていけない。それは野生の世界、自然の世界では、弱肉強食の世界だから仕方ない。むしろそうでなければ生態系は保てない。人間はどうなのだろうか。人間も自然の一部として、弱肉強食の中に入るべきなのだろうか。そうなると、人間はライオンに食べられたり、サメに食べられたりして当たり前ということになる。ウイルスで病気になって死ぬことが多いから、ある意味食物連鎖の中に組み込まれているのかもしれない。
しかし、人間どうしの弱肉強食についてはどうだろうか。これもあって当然なのだろうか。戦争をするのも必然なのだろうか。殺人、自殺も・・・。多くなりすぎた人口を減らす自然の作用と考えるべきだろうか。そう考えると、知能や心を持った動物として、あまりに情けない気がする。もっとみんなで生きる知恵を出せないものだろうか。子どもの目で考えていけないものだろうか。

動物を思う心
都会に連れて来られたドゥーマは、施設に送られる。動物園に行くか、運が良ければ野生に戻してもらえるかもしれない。でも、あんな騒ぎを起こしたドゥーマを世間は放ってはおかないだろう。殺されてしまうかも。それがわかったから、ザンは生まれた場所まで連れて行って野生に戻そうとしたんだと思う。その動物を思う心はすばらしい。でも、学校では友だちとうまくやっていけてなかったな。ドゥーマを野生にもどして帰ってきたザンは、一回り精神的に大きくなって、学校の友達とうまくやっていくようになるだろうか。サバンナで知り合った男とはうまく協力しあうことができた。自然の中で生きていく力は大きく成長したと思う。

 ペットのうんちなんとかして
よく散歩に出かけるんだけど、なんだか臭い。犬のうんちやおしっこのにおい。公園のベンチにすわったらにおってくる。辺りを見回してもそれらしき物体はないんだけどにおう。安らぎの公園にならない。最近犬を飼う人が多いよね。散歩していると、犬を連れて歩いている人をたくさん見かける。ふんを始末するものを持っているけど、みんながちゃんとやってるわけじゃない。歩いていると、どこかに犬のうんちが転がっている。乾燥のしぐあいで古さもわかる。私の家の前におしっこをさせる人もいる。となりの家の人は道路に消臭剤をまいていた。ドゥーマは、トイレに駆け込んでさせている場面があったけど、見えない部分で、世話をするには大変なことがあるんだと思う。かわいいだけでは動物とともに生活はできない。


トム・ソーヤーの大冒険(吹き替え)

2007年01月04日 | ファンタジー/アドベンチャー


1995年 アメリカ 93分
■原題「Tom and Huck」
■2007.1.3 wowow
■監督 ピーター・ヒューイット
■出演
  ジョナサン・テイラー・トーマス
    (トム・ソーヤー-中崎達也)
  ブラッド・レンフロ
    (ハックルベリー・フィン(ハック)-広田雅宣)
  エリック・シュウェイグ
    (インジャン・ジョー-大友龍三郎)
  マイケル・マクシェイン(マフ・ポッター-島香裕)

《story》
トムは、叔母に育てられているわんぱくな少年。ある日、旅から帰ってきた身よりのない少年ハックと出会う。二人が夜に墓地を通りかかったとき、殺人を目撃する。ならず者のジョーが医師を殺害して宝の地図を奪ったのだった。次の日、ジョーは医師を殺害した別の男になすりつけ、宝探しに行くのだった。トムとハックを後をつけるのだが、見つかってしまい、殺人について話すと殺すと脅かされるのだった。無実の罪で縛り首になろうとしている男を、トムとハックは見捨てるのか。

トムソーヤの冒険という題は知っているけど
「トムソーヤ」って有名だよね。だれもが知っているし、図書館に行けば児童書には必ずある。でも、中身は知らないんだ。冒険っていうから、アドベンチャーかと思ったらそうではなかった。殺人者の後を追うだけだった。目撃したことを、命をかけて話すかどうか、そこに真の勇気がためされたのだった。あのままだまっていたら、きっと一生後悔しているだろう。優しい心を持っているだけに、見殺しにした自分を責めてしまうだろう。分厚い聖書がトムの命を救った。最後の、洞窟で追い込まれてしまうところで、もし犯人をナイフで殺すようなことがあったらどうしようと思ってしまった。たとえ正義のために、真実を話しても、悪人を殺してすっきりするはずはない。後味が悪い。自分で穴の中に落ちていったから、まだ救われるけど。でも、ジョーにも心のどこかにきっと優しさがあるはず。殺さなくても・・・・と、いつもの思考パターンだ。

 自分が死んだら
ある人が借りていた家を出ていった。お金がなくて住めなくなったのだ。荷物はもういらないと言って置いていった。家の中に入ってみると、生活していたあとを語るように物が散乱していた。お皿、調味料、ポット、コーヒー・・・はがき、ノート、卒業証書まで・・・服もたくさんあった。何かをメモしたようなファイル、期限が切れた保険証、印鑑もあった。ここで生活していたときは、すべてがその人の物で、大事に引き出しにしまってあったはず。でも、今はただのゴミなのだ。もし私が死んだらどうなのだろうか。この部屋にあるものはすべてゴミになるのだろうな。どれをとっても、だれかが手にとって懐かしんでくれる物はない。私が撮った写真も、この書き物も、仕事で作ったすべてのものが、みんなただのゴミ。自分は、今までこの世にいなかったかのように燃えてなくなってしまう。自分の存在を示すものがすべてなくなる。影の薄い私は人の心の中にはいない。なんだか悲しくなってきた。でも、みんなそうなんだろうな。図書館に残る伝記の人じゃあるまいし、私は生きていた痕跡も何も残らない。だからこそ、今をしっかり楽しく生きなければね。


エラゴン 遺志を継ぐ者

2007年01月03日 | ファンタジー/アドベンチャー

2006年 アメリカ 104分
■原題「ERAGON」
2007.1.1 TOHOシネマズ緑井 with r/y/h/t
■監督 シュテフェン・ファンマイアー
■出演
  エド・スペリーアス(エラゴン)
  ジェレミー・アイアンズ(ブロム)
  シエンナ・ギロリー(アーリア)
  ロバート・カーライル(ダーザ)
  ジャイモン・フンスー(アジハド)
  ジョン・マルコヴィッチ(ガルバトリックス王)
  ギャレット・ヘドランド(マータグ)
  ゲイリー・ルイス(フロスガー)
  ジョス・ストーン(アンジェラ)
  クリストファー・イーガン(カトリーナ)
  タムシン・エガートン(カトリーナ)   キャロライン・チケジー(ナスアダ)

《story》

「運命は、一人の少年とドラゴンを選んだ・・・」
「少年はドラゴンに命を与えた。ドラゴンは少年に未来を与えた」

帝国アラゲイシアは、かつてエルフ、ドワーフが人間と共存する平和な土地だった。しかし、ガルバトリックス王の悪政のため、混乱の世にあった。17才の少年エラゴンは、ある日、森の中で青い石を見つける。その石はドラゴンの卵で、エラゴンはドラゴンライダーとして選ばれたのだった。そのため、叔父は殺され、王の手先からねらわれることとなった。エラゴンは、語り部ブロムとともに、反乱軍の砦であるヴァーデンに向かうのだった。

娯楽として見たら引き込まれる
「ロード・オブ・ザ・リング」や「ナルニア物語」など、架空の世界で、混乱の世を沈める勇者。似たような設定だなと思った。ゲームの世界のような感じもある。家族みんなで見るならいいんじゃないかな。この終わり方はまだ続くということらしい。10代の青年が書いた作品がヒットしたみたいだ。エルフとは何か、ドワーフとは何か。調べてみたら、ちがう種族だって。それらが共存できていた平和な時代をとりもどすために、勇者が現れ戦うんだ。現代がそれだけ不安定なのかを物語っているのかもしれない。そして戦うことが大前提なのだ。悪がいる。映画の中は、だれが悪なのかはっきりしている。現実はそうじゃない。混沌としている。悪だと思っていた者が実は優しさを見せたり、正義だと思っていた者がひどいことを平気でしたり、誰かを犠牲にする。スパッと悪と正義と区別できたらどんなに楽か。映画のようにゴールが見えて、勇者はみんなの期待を背負って旅立つのだ。

国王の兵隊は国民では
冒頭で、兵士たちが若者を軍隊に入れるために集めているシーンがあった。あの若者たちは、いつかエラゴンたちと戦うのだろうか。「娯楽としてみるなら・・」とは、そんなこと考えないで見るなら、ということ。でも、死んでいく者は多くは命令で仕方なく戦っているのだと思う。特に国王の軍隊は、脅されて動いているだけに、下々の者は心がないロボットのように戦っているか、仕方なく戦っているにちがいない。それに、それぞれの兵士には家族があって、心配しながら帰りを待っているとしたら、正義のためとはいえ、彼ら兵士を殺せますか。
反乱軍は、またちょっとちがう。無理矢理集められたのではなく、自分の意志で集まったのだ。心があるだけに意欲も大きく、戦い方も冷静さがある。
どちらも同じ国の同じ人間だとしたら、悲しいよね。操っている者をバサッとやったら終わりなんだけど、そこまでいくのに多くの犠牲がいる。エラゴンはその犠牲の下に戦っているんだ。

インターネット予約
最近便利になったよね。去年、「男たちの大和」を見ようと出かけて行ったら、すでに満席だった。しかたなく「あらしのよるに」に変更。1月1日はファーストデーだから、多いんだ。今年はそうならないように「インターネット予約」をした。昨年はやり方がよくわからなかったのだ。ちゃんとファーストデーの1人1000円で見られるし、席も確保できる。ただ席は選べない。自動的に決まってしまう。中学生が1人いるから、割引券を使ったら800円になるんだけど、万が一のことを考えたら、この予約は安心だ。メンズデーも1000円でOK。2日前から自宅のパソコンでできるんだかた、うれしいね。

うさぎの毛アレルギーかも
うさぎの世話をした後は、どうも息苦しい。鼻炎も起きやすい。体がかゆくなる。3回連続だから、たぶんまちがいないだろう。今までこんなことなかったのに。うさぎだけとは限らないかも。もしかしたら「動物の毛」みんな当てはまるかも。動物好きなのになあ。
うさぎって穴を掘るんだ。深い穴を掘っていて、エサも土もぐれだった。いつも埋めてしまう。寒いからか、それとも本能か。

公式サイト「エラゴン 遺志を継ぐ者」

シャーロットのおくりもの

2006年12月31日 | ファンタジー/アドベンチャー


2006年 アメリカ 97分
■原題「Charlotte's Web」
2006.12.29 TOHOシネマズ緑井  with h/t
■監督 ゲイリー・ウィニック
■出演  
  ドミニク・スコット・ケイ
    (子豚のウィルバー-小清水一揮) 
  ダコタ・ファニング(ファーン・エラブル-福田麻由子)
  ジュリア・ロバーツ(クモのシャーロット-鶴田真由)
  スティーヴ・ブシェミ
    (ネズミのテンプルトン-山寺宏一)
  ケヴィン・アンダーソン(Mr.エラブル)
  エシー・デイヴィス(Mrs.エラブル)
  ジョン・クリーズ(羊のサミュエル)
  オプラ・ウィンフリー
    (ガチョウのクッシー-松本伊代)
  セドリック・ジ・エンターテイナー(ガチョウのゴリー-ヒロミ)
  キャシー・ベイツ(牛のビッツィー-LiLICo) 
  レバ・マッケンタイア(牛のベッツィー) 
  ロバート・レッドフォード(馬のアイク-高橋英樹)
  トーマス・ヘイデン・チャーチ(カラスのブルックス-千原兄弟・ジュニア)
  アンドレ・ベンジャミン(カラスのエルウィン-千原兄弟・靖史)

《story》

「奇跡は空からやってくる」

農家のエラブル家に豚の赤ちゃんが生まれた。生まれた子豚は11匹、母豚のお乳は10個。父が1匹の子豚をつかんだとき、ファーンは自分が育てると言って、子豚を抱いた。その子豚の名はウィルバー。ウィルバーはすくすく成長し、向かいのザッカーマン農場に預けられた。その小屋には、馬や牛や羊、ガチョウなどが飼われていた。みんな子豚のウィルバーを相手にしようとしない。声をかけたのは、クモのシャーロットだった。ある日、小屋の仲間たちがささやいているのをいるのを聞いた。春に生まれた子豚は、冬の雪を見ることができない。なぜなら、子豚はソーセージになるから。それを聞いたウィルバーは、自分も生きたいと泣き叫んだ。それを聞いたシャーロットは、自分が必ず守ってあげると約束するのだった。そして、シャーロットが起こした4つの奇跡。子豚のウィルバーはクリスマスの雪を見ることができるだろうか。

食べられる立場
身近に牛も豚もいないから、食べられる立場で考えたことがない。飼われている豚は、もちろんペットじゃない。肉を食べるため。よくよく考えてみると、なんと残酷なことなんだろう。「宇宙戦争」で人間が捕らえられ食料になることと同じじゃないか。ただ、人間は感情と知恵があるから、そこから逃げだそうと必死になる。でも、豚たちは、自分たちが肉として食べられるためにそこにいるなんて考えていない。もし、豚たちが、人間と同じように考えることができたら、やっぱり必死になって逃げ出そうとするだろうな。人間が食べるために飼われている動物たちのこと少し可哀想になった。でも、食べなければ生きていけないから、心のどこかにウィルバーに居てもらおう。

シャーロットの奇跡
「くも」とはね。って、くもをばかにしているみたいだけど、やっぱり驚きだ。小屋の中にいる動物たちと比べたらちょっと異質。みんながいやがるくもだからこそ、だれでも友だちになれるよ、っていうメッセージがあるのかもしれない。見かけじゃないよ、ネズミのテンプルトンだって、きっとあのカラスたちだって、話せば分かり合える友だちになれるはず。それに、こんなに小さなシャーロットだからこそ、できた奇跡だと思う。『とくべつなブタ』『さいこう』『ピカピカ』『ひかえめ』この文字を作ったクモのシャーロットはすばらしいやさしさで奇跡を起こした。文字を編んだのはくものシャーロットなんだけど、子豚のウィルバーがそれをやったように思われたことが幸運な奇跡だよね。そして、クリスマスの雪を見ることなく、シャーロットは命つきてしまう。虫たちの寿命だよね。でも、さらに奇跡は起きた。小屋の仲間たちが、シャーロットの卵をみんなで交代で見守り続けた。仲間たちの絆が深まった。

2006年最後の劇場映画
1月1日に見た「あらしのよる」から始まり、今年最後の映画は「シャーロットのおくりもの」 心があたたかくなる映画で始まり、そんな映画で終えられたことが何よりだ。子どもたちと胸を熱くしながら見ることができる映画一番いい。そして劇場で見ることが何よりだ。最近はできるだけ前の方にすわるようにしている。中の前くらい。そうすると、スクリーンの中に吸い込まれて、自分がそこにいるような錯覚におちいることがある。せっかく劇場にいくのだから、でっかいスクリーンの前で見ることがいいと思い始めた。目標は50本だったけど、74本見ることができた。ほとんどがレイトショーかメンズデー、ファーストデー、そして試写会と無料招待。毎月のこづかいが映画に。でも、タバコもやめたし、ギャンブルはしないし、酒も飲まないから、ささやかな楽しみ。来年も70本以上目標に、いい映画を見るぞ。

公式サイト「シャーロットのおくりもの」


宇宙戦争

2006年12月30日 | ファンタジー/アドベンチャー

 
2005年 アメリカ 114分
■原題「War of the Worlds」 
2005.8.1  アルパークシネマ
 2006.12.27 wowow
■監督 スティーヴン・スピルバーグ
■出演 
     トム・クルーズ(レイ・フェリエ) 
  ダコタ・ファニング(レイチェル・フェリエ) 
  ティム・ロビンス(オギルビー)
  ジャスティン・チャットウィン(ロビー・フェリエ)
  ミランダ・オットー(メアリー・アン)

《story》

「地球最後の日--- 人類は試される、 
                                その愛と勇気を・・・。」
 
「100万年前に地球に送り込まれた侵略者たち--
                           彼らが目覚める時、人類は駆除される!」 

「地球最後の戦争は、人類が起こしたのではない」

その攻撃は突然始まった。上空では凄まじい稲光。地上では得体の知れない何物かが蠢いていた。別れた妻から預かった二人の子どもたちを連れて町を脱出するレイだが奇怪なエイリアンの攻撃は至る所でやってくる。この異変は世界中で起こり、人間はエイリアンに支配されようとしていた。

「家族愛」という言葉が宣伝ではあったが、ほんとうにそれは織り込まれていたのだろうか。確かに子どもったちを守ろうとする父親の姿はあったが、どこか身勝手な感じがところどころであった。ラッキーなだけで生きてこれた。そう思うのは少し悪いかな。迫力はあったが、どこか物足らない。「家族愛」をうたうならそれなりのハッピーエンドであってほしい。エイリアンは自然消滅して終わりとはあっけない気がする。微生物が人類を救うことが、新鮮な驚きに変わるような結末がほしいなあ。

2006.12.27 wowow

兄のロビーはなぜ戦いに行ったのか
あのテロ事件を思わせる。だれもが「戦わなければ」という気持ちになった。そして、アフガニスタンの空爆やイラク戦争は起きた。人を食うエイリアンだから、やっつけたいという気持ちはわかる。多くの人が、同じ立場になったら、そう思うだろう。特に、高校生くらいの子どもは、なおさらそう感じるのではないだろうか。日本の戦争時代も、特攻として駆り立てるには、これくらいの年齢が一番のような気がする。ロビーもそう感じて、居ても立ってもいられなくなった気持ちはわかる。でも、どうやって戦うのか、そんな冷静な判断はできないと思う。父と別れ、勇ましく出ていったけど、どこで何をしたかは描かれていない。いつのまにか家に帰っていた。なんだか怖い気がする。こうして若者を戦争に駆り立てていくのだと思う。どこかに敵を作って、正義感をふくらませて、冷静な判断をさせることなく、動かす。今、日本の敵は・・・

ゾウリムシとは共存
人間はゾウリムシとは共存できるけど、あのエイリアンとは共存できないよ。人間の血を使って植物を栽培し、それをエネルギーにして生きてるんだから。立場を変えてみたら、人間って自分中心なんだよね。牛や豚を飼って食べて生きている。エイリアンが人間を飼って生きていてもおかしくないんだよ。でも、知恵があるから、それが悲しいことだとわかって、そこから逃げ出したくなる。牛や豚だって、自分たちが殺されて食べられてしまうとわかったら、そこから逃げ出したくなるよ。でも、わからないから、共存でできている。共存って言えるのかどうかわからないけど。人間も食物連鎖の中に組み込まれていることが自然なのかも。じゃあ、食べられたら? って言われたらいやだけど。ゾウリムシをバカにしちゃいけないということだな。

公式サイト「宇宙戦争」


地下鉄(メトロ)に乗って

2006年10月28日 | ファンタジー/アドベンチャー

2006年 日本 121分
2006.10.27 バルト11
■監督 篠原哲雄
■出演 堤真一(長谷部真一)  岡本綾(みちこ)  常盤貴子(お時)  大沢たかお(小沼佐吉)  田中泯(野平啓吾)    笹野高史(岡村)  北条隆博(小沼昭一)  吉行和子(長谷部民恵)

《story》

「いつもの地下鉄を降りると、そこは昭和39年の東京だった」

真次は父が倒れたというメッセージ弟から受けた。父の横暴さにいやけがさし、父とは高校を卒業して以来長く会っていない。真次はそのまま家路につこうと地下鉄に乗った。列車を降り、地下道を通っていたら、事故で亡くなった兄に似た人を見かけた。真次はその人物を追いかけて階段を上り、表通りに出た。そこは兄が死ん当日の町だった。兄を追いかけパチンコ屋に入る。そして、家まで送った。
再び過去に戻った真次、そこには終戦直後を生きる父がいた。そして、真次の不倫
相手のみちこもいた。二人は同時に同じ過去に戻っていた。
父が出征した日、満州で子どもたちを守る父。そして兄が死んだ日、真次とみちこは、みちこの母のスタンドに行った。そこに、涙にあふれた父も来たのだった。

◎こうして過去を振り返れたらどんなにいいだろう。だれにでも、自分と同じように必死に生きた人生がある。氷山の下には、たくさんの出来事と、思いがある。過去は決して変えることはできない。もし自分が過去にもどれたとしても、やっぱり同じ道をたどるだろう。でも、考え方や感じ方は変えることができる。憎く思っていた出来事も、あらためてちがう角度から見たら、やさしい気持ちが覆い隠されていたことがわかる。やさしくなりなさい、過去は語りかける。憎んだり、恨んだりしても仕方ない。
みちこの人生って何だったのだろう。唯一みちこ自身が変えてしまった。なかったものにしてしまった。深く考えれば矛盾している。生まれないはずの人間が、過去に行って自分を消してしまうなんて。悲しい人生になってしまった。真次を愛するが故にしたことだけど、お時さんのその後の人生は・・・父の気持ちの変化は・・・
やっぱり過去は変えられない。現在の過去に対する自分の気持ちしか変えられない。

公式サイト「地下鉄(メトロ)に乗って」

チャーリーとチョコレート工場

2006年10月17日 | ファンタジー/アドベンチャー

2005年 アメリカ 116分
■原題「Charlie and the Chocolate Factory」
■2006.10.17 wowow
■監督 ティム・バートン
■出演 ジョニー・デップ(ウィリー・ウォンカ) フレディ・ハイモア(チャーリー) ヘレナ・ボナム=カーター(バケット夫人) ディープ・ロイ(ウンパ・ルンパ) ミッシー・パイル(ボーレガード夫人) クリストファー・リー(ドクター・ウォンカ)

《story》
チャーリー少年の家は、傾いていておんぼろで、父は失業中、それに祖父母が二組で寝たきり状態。貧しいながらも7人での生活を、チャーリーは幸せに感じていた。特に年に一度の誕生日に買ってもらえるチョコレートを楽しみにしていた。
チャーリーの家のそばには、15年間門は閉ざされ、中に入った人も出てきた人もいないチョコレート工場があった。世界的に大ヒットを出し続けるこのチョコレート工場が、5人の子どもたちを工場見学に招待するという。このチョコレート工場で作られたウォンカ製の板チョコに入ったゴールデン・チケットを当てた5人の子どもと保護者が招待されるのだ。1人、2人、3人、4人と当選者が出た。チャーリーも誕生日にチョコレートを買ってもらったけれど、ゴールデン・チケットは入っていなかった。締め切り間際のある日、道ばたで拾ったお金で、板チョコを買ったら、なんとールデン・チケットが入っていたの。
さあ、いよいよ工場見学の日がやってきた。工場の中はいったいどうなっているのでしょう。

◎貧しいながらも、幸せを感じている欲のなさが、人生を歩む大きな力となっている。対照的に、お金にものを言わせる生き方、計算高い生き方、自慢ばかりする生き方、食べるばかりの抑制のきかない生き方が、愚かに見える。
ウォンカは、なぜ子どもを招待する気になったのか。友達がほしかったのか。陥れるつもりではないことはわかったが、1人2人と消えていった。一番欲のないチャーリーが、懸賞を得ることになる。でも、欲がないから、貧しい家族を選び大切にする。そして、その気持ちが、ウォンカの心にあったこだわりを解決に導いた。
工場の中の不思議な世界は、感動いっぱいのファンタジーの世界とはいえない。どこか不気味で、何か魂胆がありそうで、どこかに落とし穴がしかけてあって、だれかが落ちていくのを喜んで見ているような、そんな手放しでは喜べない感じがした。
でも、ウォンカは純粋にチョコレートが好きなだけで、おいしいチョコレートを作ろうとアイデアを練っているだけだった。
まあ、ハッピーエンドで終わってよかった。貧しい家族は、その助け合う気持ちをそのままに、メルヘンの世界に入っていけたからね。



公式サイト「チャーリーとチョコレート工場」

レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語

2006年09月18日 | ファンタジー/アドベンチャー


2004年 アメリカ 109分
■原題「Lemony Snicket's A Series of Unfortunate Events」
○アカデミー賞 / 第77回(2005年)メイクアップ賞
■2006.9.18 wowow
■監督 ブラッド・シルバーリング
■出演 ジム・キャリー(オラフ伯爵) メリル・ストリープ(ジョセフィーンおばさん) エミリー・ブラウニング(ヴァイオレット・ボードレール) リーアム・エイケン(クラウス・ボードレール) カラ・ホフマン(サニー・ボードレール) シェルビー・ホフマン(サニー・ボードレール) ジュード・ロウ(レモニー・スニケット)

《story》

「どんな不幸もふっとばせ、知恵と勇気の三姉弟妹」

長女のバイオレットは14才で発明の天才、長男のクラウスは家にある本をすべて読み、暗記していた。次女のサニーは2才で何でも噛むくせがあった。裕福な家庭で不自由なく暮らしていた。しかし、ある日家が火事になって消滅。両親も死んでしまった。そこからが不幸の始まりだった。三姉弟妹は遠縁にあたるオラフ伯爵の元に引き取られることになった。オラフ伯爵は3人を殺して遺産を取ろうと企てていた。気づいた3人は逃げ出すのだが、役者のオラフ伯爵は変装しながらも、次の引取先まで追いかけてくるのだった。三姉弟妹の不幸はどん底に達しようとしていた。

◎家を焼かれ、両親を殺され、命をねらわれる三姉弟妹は、確かに不幸かもしれない。でも、見方を変えてみたら、けっこう恵まれている。まずは遺産がある。それぞれに特技がある。窮地から必ず抜け出している。だとすると幸運の持ち主だ。題名ほど、不幸を感じない。悲壮感はない。何をやってもうまくいかず、だれからも愛されず、孤独に生きている人と比べたら、こんな幸せなことはないよ。うらやましいくらいだ。

三姉弟妹の不幸の元ははっきりしている。オラフ伯爵さえいなくなれば、三姉弟妹は安心して暮らせる。考え方を変えれば、オラフ伯爵がいたから、三姉弟妹の結束が強まったとも言えるかもしれない。それにしても、遠縁の親戚は特異な人ばかりだな。まあ、この三姉弟妹もその仲間入りできるだけのものを持ってるからね。

公式サイト「レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語」


ライブラリアン 伝説の秘宝

2006年08月24日 | ファンタジー/アドベンチャー

2004年 アメリカ 95分
■原題「The Librarian: Quest for the Spear」
■2006.8.24 wowow
■監督 ピーター・ウィンサー
■出演 ノア・ワイリー(フリン・カーセン) ソーニャ・ヴァルゲル(ニコール・ヌーン) カイル・マクラクラン(エドワード・ワイルド) ボブ・ニューハート(ジャドソン) ケリー・ヒュー(ラナ) オリンピア・デュカキス(マージー・カーセン)

《story》

フリンは30才だけど、勉強が好きで本ばかり読んでいる大学生だった。しかし、とうとう大好きなその大学からも追い出されることになった。母は、彼女を見つけて就職してほしいと世話を焼くのだった。仕方なくフリンは、新聞で見つけた司書の面接に行くことにした。そこで秘書の仕事を手にしたフリンは、その図書館の地下の重大な秘密を知る。世界の不思議な財宝や魔力を持つと言われるものが収められていた。
その夜、何者かが侵入し、キリストを刺したと言われる槍が盗まれた。この槍は3つに分けられており、それを揃えると世界を支配できる力が手に入るという。フリンはその槍を盗んだ“蛇の結社”を追ってヒマラヤに向かう。フリンを守るというニコールとともに、槍を取り戻すために悪戦苦闘する。

◎勉強オタクとは言いながらも、それがきちんと役に立つし、前を向いて人生を歩もうとする活気がある。こういう人間は必要だ。「オタク」って結構下向きで人なんてどうでもいい、自分さえよければって感じがある。でもそうじゃなくて、とことん好きなんだね。それがさわやかな感じがする。映画としてはあまり残らなかった。インディー・ジョーンズとつい比べてしまう。ハラハラドキドキ度ははるかにインディーだよね。

フライト・オブ・フェニックス

2006年08月15日 | ファンタジー/アドベンチャー


2004年 アメリカ 114分
■原題「Flight of the Phoenix」
■2006.8.15 wowow
■監督 ジョン・ムーア
■出演 デニス・クエイド(フランク)  ジョヴァンニ・リビッシ(エリオット)  タイリース・ギブソン(A・J)  ヒュー・ローリー(イアン)  ミランダ・オットー(ケリー)  トニー・カラン(ロドニー)

《story》

「砂漠のど真ん中で たった一つのチャンスにかける 
    10人の運命は・・・・・・」


モンゴルにある油田が閉鎖されることになった。会社に雇われた飛行機がやってきて、現地で働いていた全員と、旅でふらっと立ち寄ったエリオット、そしていくらかの資材などを積んで、飛行機は北京に向かった。ゴビ砂漠を通過中に大規模な砂嵐が発生した。パイロットのフランクは、引き返すよりも突っ切ることにしたが、飛行機は耐えきれず、砂漠のど真ん中に不時着してしまう。水や食料は約30日分。捜索隊が来るのを待っていたが、一向にその気配はない。そこで、エリックの提案で、不時着した飛行機を使って、小型の飛行機を作ることにした。途中、投げ出したり、けんかしたり、また盗賊集団に出くわしたり、難題もあったが、飛行機は完成する。エンジンをかけるのに残っている火薬は5発、迫り来る盗賊達、エンジンをかけて、砂漠から抜け出すことができるのだろうか。

◎だれがリーダーか、だれがえらいのか、そんなことでもめていたような気がする。生きるか死ぬかの極限状態では、自分の存在を誇示したい人間もいるのだろう。冷静に考えたら、ひとりひとりの力がなければ、みんなの協力がなければ、こんな大きなことはできないことはよくわかるのに。

水や食料がまだまだあるし、さまざまな道具も積んであったし、飛行機の損傷も最後の望みをかけるだけのものだったし、不運の中にも幸運だったのではないだろうか。パイロットも無事だったし、飛行機を作る知識を持った人間がいたこともラッキーだった。あきらめずに、そこにある知恵や力をうまく使うことで、危機を脱することができた。ただ待つだけだったら、死んでいたことだろう。そういえば「ポセイドン。アドベンチャー」も同じような流れだった。待つだけではだめ、チャンスを見つけて行動しなければいけい、というリーダーの言葉があった。一概に待っていたらダメだとも思わないけど、可能性をみんなでしっかり考えることは大切だと思った。

大きな飛行機を分解して、小さな飛行機を作り、砂漠から抜け出すというアイデアはなかなか思いつかない。偶然が重なって、それが可能となったからこそだと思う。その可能性を広げたのがエリックだけど、彼がここにたどり着いた背景の中に何か渦巻くものがあったような気がする。ここにいる人たちとは全く人間がちがう。ここにいること自体違和感があり、彼自身もそれを感じていただろう。バカにされている雰囲気。ここから抜け出したいのと同時に、この雰囲気がたまらなくいやだったのかもしれない。

公式サイト「フライト・オブ・フェニックス」