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心理的な基盤

2010年02月16日 | 仕事 -

不安定な・・・この時世・・・いろいろなことを感じる。
仕事もプライベートも、様々だ。


そんな中・・・今日は、嬉しいことがあった。
4月~来期のプロジェクトが順調に進み、私の企画が最終決定したのである。
本当に、喜ばしいことだ。

現在、一つのプロジェクトを決めるのは、昔とは違って、大変なことでもある。
バックホーンのない私にとっては・・・特に・・・。
立場的にも、会社内で浮いている私は、一匹狼のような存在で、好き勝手なことばかり
していると言っても間違いではないかもしれない。
ただ、自分の企画や、自分の責任ある仕事だけは、(誰もやってくれないので)着実に
しっかりと成し遂げている。

そういう会社内の立場など全く関係ない状況で、今日のような有難い結果になった。
自分で、会社の力を借りずに、ただ一人で根回しと実績と結果を積み重ねてきたからだ!
と、そう思いたい現実だった。
会社内に相談する相手も、愚痴をいう相手もいない稀有な立場の私だからこそ・・・
正直、本当に嬉しかった。年に何度かある「喜びの瞬間」だ。



短絡的な流れは、――仕事が決まる―――仕事が終わる―――お金が入る―――
しかし、こんな単純なことばかりではない。

固定給与で働いている人には、はかりしれないものかもしれないが・・・
最低限度の生活が可能な「経済的な安定」――これは、意外と大きな意味を持つ。
精神的に「安心ができる」ということは、自分の心の基盤がある――ということでもある。
そういう「境遇」や「場所」、「モノ」、「人」があれば、人は前向きに進むことができ、
何よりも“探究心”が大いに花咲くことになる。
・・・ということは、「可能性が広がり、チャレンジする機会が増える」ということだ。
「自分の可能性を信じ、挑戦していく姿勢」こそ、また、それを続けていく「意志力」が
素晴しい結果を産むことになるのだろう。


人は、「苦労」をしたり、「努力」をしたり、「困難」という壁に遭遇してこそ、
成長することができるものである。

ぬるま湯の中で、安穏と“精気のない目”でパソコンに向かっていても、何も変わらない。




自分を投影できるもの

2010年02月16日 | 人物 -

大好きな二人の写真家!
・・・「セバスチャン・サルガド」と「星野道夫」を考えてみた。

“地球”と“極限に生きる生命”を撮影することは変わらずとも・・・
サルガドは、常に長きにわたって「人間」を撮影してきた。
そこには、飢餓や難民の極限的な環境に生きる人々の姿が、ありのままに描かれていた。
空気感のある、生身の感情が沸き起こる写真である。
だから、彼は写真家ではあるが、ジャーナリストでもあるのだ。

星野道夫は、風呂もトイレもないあばら家で生活しながら、極北の地で生きる「命」を
追いかけていた。
しかし、彼が追いかけたのは、人よりも動物だったり、生命の循環だったり、その場の
現実だったりして、私からすると「自然」そのものだったように感じる。
そして、彼は、写真だけではなく、素晴しい文章を書く人だった。
ありのままの現象や、見たままの感覚を、彼の視点ではあっても、読者がみたように
まさに「そのまま伝えることができる文筆家」でもあった。

星野はもうこの世にいない。
何故、あのような「死」を迎えたのか。
それは、非常に簡単な理由では説明できない・・・。
偶然とは思えないような非業の死は、彼の宿命だったのだろうか。
折しも、その「死」によって、彼がより一層「無限化」することになった。
考えることよりも、現実が全てである。


私は、彼に「もっと生きて伝えてほしかった」けれども、
それが“かなわない現実”が目の前にあるということは、彼の解釈を真似るならば・・・
それなりの意味があるのかもしれない。
そして、尚、それが彼に与えられた「生」だったのかもしれない。


同じ写真家でありながら、人間を撮影しているサルガドと、自然を撮影した星野道夫。
二人の大好きな写真家の作品を目の前にして、心を裸にして、感じ入りたい。
見るたびに、「感じる」ことが違ってくる・・・。
そのときの自分自身が、裸のまま投影され、心の奥底から噴出してくるからだ。
だから、時間が経ったとき、また視たくなる。
新しい自分の感覚との出会いが、待っているからだ。

写真は、映像と違って動くことがなく、まさに芸術絵画や音楽のように、
自分の「想像力」を思い存分に働かせることができるために、
自分の中に思いもよらない「世界観」や「感覚&感情」が沸き起こってくるのだろう。
とても、自由で、豊かなイマジネーションが膨らんでくるのだ。
だから、素晴しいのだ。。。

まさに芸術の醍醐味である。



今夜、帰宅途中、真っ暗な天空から、真っ白な雪が落ちてきた・・・。
厳冬の雪原で、数ヶ月もの長きにわたって、たった一人で「命」を待ち続けた星野道夫は、
どのような想いだったのだろうか・・・・と想像してみたら・・・・・
一瞬の内に、身体が“身震いするような感覚”に見舞われた。
同時に、涙があふれ出してきて、しばらく止めることができずにいる私がいた・・・。

基本的には、人それぞれではあるが・・・・世の中の景色は、
「価値観をどこにおくのか」によって、「あらゆるものが変わって見える」ものだ。