ラヂオアクティヴィティ[Ra.] 第二部・国境なき恐怖 103夢の島 ![]() 舞台は東京にかわる。 「東京って暑いよね」 東京に住民票を置いている勇気が勉に話しかける。 「だけど、10日に雨が降って、熱帯夜連続18日で止まったらしいよ」 眠そうな勉。 「熱帯夜? 東京は熱帯地方だったのかい」 マイクが語りかけてきた。 「ところが、都会というのは、どこの国でもヒートアイランド現象が問題になっているらしいよ。マイクは住んでいるのは、都会じゃないというわけだね」 「まあ、そうだよ。空気がきれいだよ。人間のジャングルの都会の方が人間らしくない生活をしていると思うよ」 マイクはどんなときにも負けたくないと思っているのだろうかと、勉は思った。 負けたら、仲良くできることもあるというのに。 「ヒートアイランド現象ね、聞いたことがあるような気がするよ、勉、教えてくれないか」 「いいよ。沖縄より東京より暑い日が多いそうだよ。いやになるよね。東京都心の10日明け方の最低気温は、雨が降った影響で23.9度となり、最低気温が25度以上になる熱帯夜は連続十八日で止まったらしいよ。気象庁によると、観測以来3位の連続記録だったらしいよ。最高は1984年の23日連続らしいよ。本日のニュースとしてはアメリカでの住民集会で、核軍縮と廃絶を決めたってあったよ」 「本当かい、マイク、それはよかったね」 勇気はマイクに微笑んだ。これで、バーバラが原爆乙女になる確率は減少したというものだろう。 「そんなに簡単にいうなよ。いろいろ世の中は複雑ってもんだよ」 もうマイクは意見をかえていた。 「アメリカでも、反対の人たちはいるというわけだね。マイクみたいな人ばかりじゃないというわけだね」 新聞を取り出して、勉は話す。 「米バーモント州では、元軍人の老人が反対しているらしいよ。マイクみたいに、原爆信仰をしている人たちもいるみたいだよ」 どこどこ、貸してといい、勇気が新聞を取り読んだ。 「婦人がにらみつけ。核兵器にかけたお金がもっといいことができただろうって怒っているそうだよ」 勉は新聞を取り返して話す。 「楽しむことや、幸せだなあーと感じることは大切なことだよね、人間として……」 東京ディズニー・ランドに行き、皆はいろいろな乗り物やアトラクションを楽しむ。 その中のスモールワールドに入った。 「♪世界は一つ、みんなの……」 ミス・ホームズは歌いだした。ナンシーも、マイクも歌いはじめた……。 でも、発展途上国といわれる国の弁護士は歌わなかった。 地球が一つなんて、思えなかったからだ。 「それじゃ、次の所へ行くぞ」 「もう……行くの?」 みんなは仕方なくバスに乗りこんだ。 「次に行くのは夢の島です……」 「夢の島! やったー」 マイクは喜んでいる。
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