ニュース雑記帳

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中3女子2人、担任教諭の給食に抗うつ剤入れる

2006-04-27 11:44:55 | Weblog

「中学3年の女の子2人が、担任の先生の給食に抗うつ剤を混ぜた」というニュースがありました。理由は「友だちの机に落書きをして叱られた。他の子もしているのに、自分たちだけ叱られたのに納得出来なかった。先生に、優しくして欲しいと思って、薬を入れた」という話でした。

まっ、警察の取調べで、少女たちが、どこまで本心を話しているかは分からないし、報道が何も隠さず事実を伝えてくれているとも限らないし、少女たちが自分たちで思っている動機と、心の底にある本当の動機が違っている場合もあるし・・・彼女たちの言葉を、そのまま信じて材料にして話すのも違うかなとは思うのですが・・・かといって、本当を知る術もないことですから、特定の出来事としてではなく、一般化した状態で、考えてみることにしましょう。

 このニュースを聞いたとき、わたしは息子が小学校六年の時に言ったことを思い出しました。あれは、確か・・・学校で禁止されていた飴を、廊下で舐めていて、先生に叱られた時のことでした。飴を舐めていたこともなんですが、それを注意した時の息子たちの態度が気になったということで、わたしは先生に呼び出されました。それで、帰ってから、息子に詳細を聞いてみたら、息子が今回の事件を起こした少女たちと同じようなことを言ったのです。「同じ事をしても、叱られない子と、ひどく叱られる子がある。それが許せんから、謝らんかった」と。

その先生は、五年生の時から受け持ってくださっている先生で、息子は最初、とても懐いていたし、ずっと「今度の先生、すごくエエ先生や」と言っていたので、正直、この息子の言葉は意外でした。小学校高学年という、自我や批判意識が目覚める年頃であることと、先生に対する期待が、今の反発になっているのかなと感じたので、わたしは、それを自分の感想として先生にお話しておくことにしました。先生は、嫌な顔をせずに、聞いてくださいました。

 たしかに、先生も人間ですから、多少のエコヒイキは、あっても不思議ではありません。が、たいていの先生は、そんな自分の感情を押し殺して、出来るだけ公平に接しようと努力してくださっていると思います。すると、先生のバランス感覚から、逆に、自分を慕ってくれている生徒や、気心が通じていると感じる生徒には厳しくしてしまう場合もあるでしょう。また、子どもに限らず、大人でも、他人に対する注意を気に留めることはないのに対して、自分が注意されたことは根に持ってしまいがちですから「自分たちばかりが叱られる」と感じてしまうことは、ありがちなことです。それに、叱るか叱らないかは、その時だけの行動によるのではなく、それ以前の行動とも連動していますから、何かにつけ叱られる場合は、自分の日ごろの行動に何か原因があるのかもしれないわけですが・・・人は、そういう自分に都合の悪いことは考慮しない習性にありますから、先生の行動が理不尽に思えたりもするのです。もちろん、実際に先生に問題がある場合も、ないことはないですが・・・そういうことも含めて、学ぶのが学校という場でもありますし・・・親の立場としては、子どもたちに、心の中で渦巻く自分たちの不満をどう処理していくかを学ばせたいと考えています。

 ただ、今度の事件の場合、もう一つ気になったのは、漏れ伝わってきた「優しくして欲しかった」という、少女たちの言葉です。わたしは、男性社会のことは、あまり分からないのですが・・・女性の職場に置いて、上司の関心を取り合うタイプの女性というのを、何人か見てきましたが・・・少女たちにも、彼女たちと共通するものを感じました。上司も、同僚も、そんなことには全く拘っていないのに、上司は「○○さんのことを気にいっている」とか「△△さんには特に優しい」というようなことに、異常な拘りを持つ人が、大人になってもいるのです。それは、時に攻撃性を持ち、人間関係のトラブルを引き起こしたりするので、バカバカしいと笑って済ませられない、深刻な問題なのです。

そういう意味では、先生たちは、そういう資質の子どものことは、特に注意して、言葉がけなどに工夫をした方がいいように思います。愛が欲しいという欲望は、他のどんな欲望より、処理が厄介だったりします。だからといって、特別に優しくしすぎるのも厄介のもとですが、要チェックであることは間違いないと思います。

 とにかく・・・先生は大変だと思うのですが、子どもたちの先生に対する目、先生に期待するものは、実に重いのです。それに、まんま答えていたら、身が持たないとは思いますが、どうか上手にイナシテ欲しいです。喩えは適切ではないかもしれませんが、水商売の女性が、お客の男性をアシラウがごとく、上手に手のひらの上で転がして欲しいです。心を尽くして、本気で付き合っても頂きたいですが・・・やはり、テクニックも必要だと、そう思います。だから、教職課程では、そのような勉強も、是非、取り入れていただきたい・・・と、わたしは思うのであります。