ニュース雑記帳

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楳図かずおさんの「まことちゃんハウス」騒動に思うこと

2008-09-30 13:25:37 | Weblog
最初に話題になった時に、コメントしたかもしれません。もししていたら、それと変わらないことを言うと思いますが・・・勘弁して下さい。

この騒動は、漫画家の楳図かずおさんが、東京都武蔵野市内に新居を建築しようとした際、その外壁の模様が赤白ストライプだったため、ご近所さん2人が「やめてくれ」と訴訟を起こしたというものですね。

で、昨日、楳図さん本人が東京地裁に初出廷したということで、また話題になったわけです。

いつも言っているように、わたしは、何事においても「絶対的な正しさ」は無いと思っています。いえ、在るかもしれませんが、われわれには、その判断はつかないと思ってます。だから、この件に関しても、どっちの主張が正しいとか、あるいは、どちらでもないこの判断が正しいとか、そういうことは言えません。なので、自分なら、どう感じ、どう行動するかなと・・・それを考えてみました。

わたしが、この裁判の原告の立場なら・・・気持ち的には、原告の人たちと同じように感じるかもしれません。紅白のストライプがどうだこうだという意味ではなく、自分とは相容れないセンスでもって創られた巨大な物体が、自分の住まいの近くに建てられたなら、それに対して不快を感じるだろうなと、そう思います。

けど、だからといって、それを排除しようという行動をとるかといえば・・・それは、高い確率で「しない」だろうと思います。

何故かと言うと・・・まずは、その行為が相手の権利を侵害するだろうなという、比較的冷静な社会的判断があるからなんですが・・・それ以上に「わたし自身の感性を他者に蔑ろにされたくない」という、感情的な理由からです。自分の感じ方を大切にしたいなら、自分以外の人の感じ方も大切にするしかないでしょ。

もちろん、程度というものはありますよ。けど、その程度の基準が、また難しいわけです。

ちょっと分野は違いますが、ずいぶん前に、我が子に「悪魔」という名前を付けようとして、お役所に拒否された人がいました。その人にすれば、お役所の判断は、個人の権利を侵害する越権行為だと感じられたでしょうが、わたしのメジャーでは、役所ではなく、子どもに「悪魔」という名をつけようとした人の方が、程度を心得ない権利の乱用をしようとしたように思えました。そういう意味では、原告の人たちにすれば、楳図さんの新居も、程度を越えた権利の乱用なのだと思いますし。

だから、思うのは・・・お互い、自分の感性を大切にする事や、自分の権利を守ることだけじゃなく、相手の感性や権利も大切に守ることを考えなきゃいかんということですよね。お互いに、それを考えた上で、それでも妥協点が見つからなければ、それはもう第三者に仲裁してもらうしかないですけど。

それが、この「まことちゃんハウス騒動」に関しては、どうも両者とも、相手のことは考えてなさそうなムードが漂っていて・・・あまり、愉快な出来事ではないなと、そう思ってしまうのでありました。

ちなみに、わたし個人の感性では、紅白ストライプの外壁は近所の人に我慢してもらって・・・でも、塔の丸窓から、電光を1秒おきに点滅させるのは、楳図さん控えてもらってはどうかと思うのであります。ほんとに個人的な感覚ですが・・・色より、光の方が、わたしは我慢できないので。でも・・・それも、個人の感覚で、人によっては、真逆の事を思われるかもしれないし・・・異なる個性をもった人たちが、共に暮らしていくって、けっこう大変なことですよね。

ただ、その大変さを乗り越える方法として・・「正しい事を決めて、それに統一する」方向ではなく、「お互いの違いを受け容れる」という方向が、わたしは好きなんですよねぇ~。
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