窓際日記・福島原発

窓際という仕事の雑感

ダークマターは興味深いですね(2)

2019-04-13 11:32:52 | Weblog
・東大など、ホーキング博士の暗黒物質の説を覆した?<--リンク

ホーキングさんが「PBHがダークマターの正体だ」と主張していたとは知りませんでした。

この話の詳細はこちら

・観測成果 ダークマターは原始ブラックホールではなかった!?

しかしながら当方の主張
「PBHがプランクスケールのマイクロBHとなって存在し続けている。
それがダークマターの正体である。
そしてそれはホーキングさんが主張したこと、PBHが蒸発して消え去る、ということは正しくはない」という主張でもあります。

以上の主張は今回のすばるの観測結果を持ってしても棄却できてはいませんね。


以下、すばる観測報告からの要点の引用となります。

月質量程度の原始ブラックホールの場合は、天球上のアンドロメダ銀河の星とブラックホールの位置関係、あるいはブラックホールの速度に従って、星の明るさの時間変化は典型的に 10 分から数時間にかけて起こります。
これは、変光星など明るさが変化する通常の星と比較して、短い時間変動です。
この重力レンズ効果では、星の多重像を分解して観測できず、一つの星が明るさだけ変化するように見える現象なので、重力マイクロレンズ効果とも呼ばれます。
・・・
しかし、重力レンズ効果は非常に稀な現象で、滅多に起こりません。
それでも、アンドロメダ銀河の多数の星を観測し、また地球とアンドロメダ銀河の間の広大な空間には大量のダークマター、つまり多数の原始ブラックホールが存在すれば、重力マイクロレンズが起こる確率は非常に高いはずです。
・・・
その結果、ダークマターが原始ブラックホールである場合は 1,000 個程度の重力レンズ効果を発見できるという予言に対して、たった1個だけの重力マイクロレンズ候補星を見つけました (図3)。
これが本当の原始ブラックホールの重力マイクロレンズ効果であれば大発見となることから、追観測が待たれます。
逆に、たった1個の重力レンズ候補天体しかなかったということは、これが本当の原始ブラックホールであったとしても、原始ブラックホールの総量はダークマターの約 0.1% 程度の質量にしか寄与していないことになります。』

PBHで「月質量程度の原始ブラックホールの場合」を探索しました。
1000個見つかるはずが1つ見つかりました。
したがって、ダークマターの候補としては「月質量程度の原始ブラックホール」というのは不適当ですが、この一つがPBHとすると「大発見」になります。・・・
という主張です。

そうして当方との主張との大きな相違は「探索すべきPBHの質量の大きさ」にあります。
探索すべきは「月質量程度のPBH」ではなく「プランク質量程度のPBH」なのですよ、すばるさん。

PS
・ビッグバン後最初の分子イオン、宇宙空間で検出

参考までに。

PS
・ダークマターは原始ブラックホールではなかった!?<--リンク

以下本文からの引用
『具体的には、太陽質量の10億分の1(月質量の30分の1程度)の軽い原始ブラックホールがダークマターであるシナリオを初めて棄却しました。
一方、今回の観測では、太陽質量の1-10兆分の1程度の原始ブラックホールがダークマターである可能性は棄却できませんでした。』

このようにちゃんと「境界条件」を言わないと誤解をする人がでてきますので、そこのところ、すばるさん、よろしく。

PS
・ブラックホールが中性子星を食らう瞬間、初観測か
・その2
・その3

興味深い話であります。

PS
・3度目のノーベル賞狙う3代目、建設費概算要求に

『ニュートリノ研究では、カミオカンデによる観測で02年に小柴昌俊・東大特別栄誉教授が、スーパーカミオカンデで15年に梶田隆章・同研究所長が、それぞれノーベル物理学賞を受賞しており、費用に見合う成果を得られると判断した。』

主語は「文科省」ですね。

ノーベル賞ねらいとは、なんとも世知辛い話でありますなあ。



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