窓際日記・福島原発

窓際という仕事の雑感

市場

2024-08-09 21:34:43 | Weblog

 日本株の急落は金融緩和を前提にしたトレードの終焉を意味しているーー2日間で日経平均が3192円下げた日本市場についてこのような指摘が出ている。日銀が利上げを決め、植田和男総裁が追加利上げに前向きな姿勢を示し、株式市場は転機を迎えているというわけだ。

加えて、海外投資家からインフレヘッジの手段として位置づけられていた側面が後退していることも影響しているようだ。

松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは「(株安は)緩和トレードの巻き戻しだろう。低金利持続を前提にしたストラテジーが修正を迫られている」と指摘する。海外投資家が日本で資金を調達して投資する手法は、金利が上昇するようなら見直す必要が出てくるとの見立てだ。

著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社バークシャー・ハサウェイの投資先として注目を集めた商社株の下落が象徴的との受け止めが市場では聞かれる。バークシャーは日本株投資の資金の大半を、相対的に金利が低い円建てで資金を借り入れて調達しているとみられている。

商社を含む卸売業は、この日の業種別下落率の5位に入った。市場では「バークシャーが戦略を見直すのではないかとの警戒感が浮上し、追随して商社株を買っていた中長期投資家などから売りが出たのではないか」(国内証券のアナリスト)との思惑が聞かれた。

<インフレトレードにも巻き戻し>

世界的なインフレトレードからの資金引き揚げの一環で日本株が売られているとの見方をJPモルガン証券の高田将成クオンツ・ストラテジストは示す。「ハト派的なパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見が、インフレトレードからの即時撤退にお墨付きを与えた可能性がある」と高田氏はみている。

インフレトレードとは、インフレヘッジできる資産を買う取引で、インフレ連動債の上場投資信託(ETF)やコモディティ、高配当株などの取引を指す。グローバル投資家の間では、この中に日本株も含まれている。

これまではグローバルでインフレのときでも、日本では基本的に利上げはできず、その結果として円安になり株高になるという傾向がみられ「期待インフレが高まる中で日本株がアウトパフォームすることが、この20―30年の通説だった」(JPモルガン証券の高田氏)という。

フランス系資産運用会社コムジェストのポートフォリオマネージャー、リチャード・ケイ氏は「この1-2年の間に日本株に入った海外短期筋のマネーが逃げていることが主な要因だろう」と、株安の背景を説明する。

この日の業種別の下落率では、証券や銀行、保険などの金融株が1―3位を占めた。日銀の連続利上げが見込まれる中での大幅安を、松井証券の窪田氏は「日本株が叩き売られていることの現れ」とみる。コムジェストのリチャード氏は、日銀が追加利上げに動いたことで「(海外短期筋にとって)好材料出尽くしになった」ためという。

JPモルガンの高田氏は、インフレトレードの巻き戻しのほか、予想外の日銀タカ派化で日本の景気失速を市場が織り込み始めたことや、膨らんでいた円ショートや日本株ロングのポジションがいずれも急速に巻き戻された結果、日本株は大幅に調整しているとも指摘している。

積み上がったポジションが調整を終えるには1─2週間ぐらいかかるのではないかとコムジェストのリチャード氏はみている。     一方、全体相場が大きく調整した中でも、日本製鉄やコナミグループ、アステラス製薬など直近に決算を発表した銘柄群は上昇した。「物色意欲は払底したわけではない」としんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹シニアファンド・マネージャーは指摘している。     足元の相場はパニック的な動きのため3万5000円程度への下落はあるかも知れないものの、株価収益率(PER)はデフレ時の過去平均並みの水準に低下してきたとして「きっかけがあれば短期間で反発する余地はある」と、藤原氏は予想する。

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先ほど外国為替市場で円相場は1ドル=146円台をつけ、3月中旬以来、およそ4か月半ぶりの円高・ドル安水準となりました。

午後9時半に発表されたアメリカの雇用統計で、農業分野以外の就業者数が市場の予想を大幅に下回り、失業率は予想を上回ったため、市場ではアメリカの景気が減速しているとの見方が拡大。日米の金利差の縮小を見込んだ円買い・ドル売りが膨らみ、円高につながりました。

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経済アナリストの森永卓郎氏(67)が5日、文化放送「大竹まこと ゴールデンラジオ」(月~金曜後1・00)に出演。東京株式市場の急落についてコメントした。
 この日、東京株式市場の日経平均株価(225種)の前週末比の終値の下げ幅は4451円28銭となり、1987年の米国株式相場の大暴落「ブラックマンデー」翌日に記録した3836円を超え、史上最大となった。

 森永氏は「世界の景気がどんどん悪化していて、イギリスは利下げ、景気を刺激する方向に金融政策を変えた。アメリカも9月に利下げに行く。その中で日本だけが先週、利上げをするっていう逆噴射、暴挙に出たわけですね。それが背中を押して大暴落につながった」と説明。

 先月末に日銀が追加利上げを決めたことを受けて、それを後押ししたとされる岸田文雄首相と河野太郎デジタル相、自民党・茂木敏充幹事長について「マーケットでは日本の三大悪人と呼んでいる人もいる」とバッサリ。森永氏は「最悪は岸田総理」と考えているそうで、「“貯蓄から投資へ、新NISAをやりましょう”と国民全体で10兆円もやっちゃった。岸田さんに乗っかった人がいっぱいいるわけです」と指摘した。

 では、株価急落を受けてどうしたらいいのか。森永氏は「下がってきたから割安だと買いに入るのは絶対にダメです」と断言。さらに「かと言ってもっといけないのは、下がって損をしたからと言ってもっと金を突っ込んで損を取り返そうとする、これはもっと最悪です。今は撤退する一手です」と言い切った。

 森永氏はかつてバブル期の1989年に日経平均が大幅に下がった際、「これだけ下がったんだからもう下がらないだろう」と日経平均連動の投資信託に資金を「ぶっ込んだ」という。しかしその後も株価は下がり続け、バブルでもうけた金は泡と消える事態に。「今は潮目が変わったので、下がったから買うという選択は絶対しちゃいけないし、取り返そうと思って新たな金を突っ込むと悲惨なことになる」と自身の経験を基にリスナーへ助言していた。

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7月末に追加利上げを決めた後、金融市場で歴史的な株価下落や急激な円高に見舞われた日銀。

 これを受け、内田真一副総裁は7日の記者会見で、早期の再利上げを封印した。賃金と物価の「好循環」実現を見据え、段階的に利上げしていく日銀の戦略は、株価や円相場の乱高下でいったん停止を余儀なくされるなど、誤算が生じた格好だ。

 「経済・物価の反応を確認しつつ、適時かつ段階的に利上げしていく必要がある」「賃上げといった前向きな企業行動が確認されていけば、その都度、金融緩和の一段の調整を進めていく」。8日公表の日銀が追加利上げを決めた7月金融政策決定会合の主な意見では、さらなる金利引き上げを視野に入れる見解が複数示された。

 日銀が7月会合後に実施した市場参加者向けの「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」に関する恒例の説明会でも、「日銀幹部から年内に複数回の利上げを意識させる発言があった」(出席者)といい、市場では一時、次回展望リポートが公表される10月の再利上げ観測も浮上した。

 しかし、日銀が利上げに積極的なタカ派に変身したことが市場で嫌気され、8月に入ると、円高が進行し、株価も急落。内田副総裁は7日の会見で「市場が不安定な状況のときに利上げをすることはない。これまでより慎重に考える要素が生じている」と強調。タカ派路線を早くも軌道修正した。

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円安株高の投機の巻き戻しから、8月5日には日経平均が前日比4451円下げるセリングクライマックスに至った東京株式市場。その後はやや回復したものの、積み上がったポジションの整理にはまだ時間を要する。

他方で、米国の景気や不穏な中東情勢が懸念され、大統領選までは米国の政策は方向が定まらない。大統領選後も消化に時間がかかり、年内は株式市場の動揺は続きそうだ。

 日本銀行はさらなる利上げが難しくなり、再び受け身の状態になる。円安インフレは和らぐが、人手不足による供給制約もあり、日本のスタグフレーション的な状態は続く。

■ 植田総裁は記者会見の質疑応答が下手

 8月の株価暴落の最大の要因は円安株高投機の巻き戻しであり、日本銀行の利上げはそのトリガーを引いたとはいえる。しかし、植田和男総裁はかねてさほどハト派的だったわけではない。

 筆者はむしろ、4月の「展望レポート」以降、円安インフレの状況次第で日銀は利上げに踏み切り、連続利上げもあるとみていた。市場関係者の間でも利上げ観測は燻り続けていた。

 ただ、植田総裁は記者会見などでの質疑応答が下手であり、利上げに慎重だと見られて、安易に円安に賭けるFX投機が積み上がり、円キャリートレードや円安に連動して上昇する日本株買いの信用取引も膨らんでいた。これが7月31日の金融政策決定会合での利上げによって一気に逆回転した。

 そもそも、7月中旬を境に米国の株式市場がもたつきはじめていたという事情があった。

 第1に米国の景気後退への懸念が急浮上したこと。第2に相場をけん引してきたエヌビディアやGAFAMなどのAI関連企業は市場の期待ほど利益を出せるのかという疑問。第3にイスラエルがイランにいたハマスの最高幹部ハニヤ氏を殺害したことによるイスラエルとイランの軍事衝突への懸念の高まり。

 これらの悪材料に日本株のクラッシュが重なった。暴落の規模だけでなく、複数の要因が重なったという点でもブラックマンデーに似ている。

 FX投機はかなり巻き戻されたが、株の信用取引の巻き戻しにはまだ時間がかかる。直近の公表数字である8月2日時点では東京市場の信用の買い残は4.87兆円もあり(売り残は5587億円と少ない)、整理には時間がかかる。

 8月7日の内田眞一副総裁の「金融市場が不安定な状況で利上げすることはない」との発言から、落ち着いてはいるものの、複数の不安材料とそれがドル円に及ぼす影響を見ながらの一進一退が続く。米国景気指標の悪材料が続くようなことがあれば、株価は二番底のおそれもある。

 もっとも、今回の暴落がリーマンショックのような金融システム危機につながる可能性は小さい。民間債務が積み上がっていないからだ。

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9月:

円相場は四半期ベースでここ数年で最大の上昇に向かっている。円強気派がほとんどいなかった数カ月前とは様変わりだ。この好転は誰の手柄なのか。

  米連邦準備制度の利下げが間近に迫っていることと、日本銀行の新たなタカ派スタンスがドル・円相場の反転をもたらしたと主張することはできるだろう。

  日米の金利差がドル高・円安の最大要因だったため、その開きが縮小する見通しの意味合いは非常に大きい。しかし、あるプレーヤーは十分な評価を受けていない。それは日本自身だ。

  政府・日銀は何度か円買いの市場介入を行った。円は7月前半以来、対ドルで10%余り上昇。円高の流れをつくったのは当局の為替介入だ。

  為替介入は日常的に実施されれば批判の対象となるが、当局が危険を冒してでも講じる手だてであることを思い出す。量的緩和と同様、あると重宝する。1970年代初頭に固定相場制が廃止された後の数年間、政府による介入はよく行われていた。決して日本だけがそうだったわけではないが、日本は多くの国よりも長くこの慣行を続けた。

  大蔵省(現財務省)で財務官などを務めた榊原英資氏は、「ミスター円」と呼ばれていた。日本は今世紀に入るころは為替介入に積極的だったが、その後は規模を縮小した。

  外為トレーディングデスクは今回の介入を教訓とすることができるだろう。私が2000年代初めにロンドンでブルームバーグの為替ニュースを担当していた時、「介入は決してうまくいかない」というのが決まり文句だった。

  なぜそうなのか。私には理解できなかった。恐らく人為的に高められたバリュエーションが崩壊したアジア通貨危機の記憶を反映していたのだろう。

  イングランド銀行(英中央銀行)がポンド防衛でジョージ・ソロス氏に敗れたことによる長引くトラウマも、一役買っているのかもしれない。その上、市場は政府よりもはるかに大きいのだ。国際決済銀行(BIS)によれば、1日の為替取引は7兆5000億ドル(約1060兆円)に膨れ上がっている。

歴史の1ページ
  確かに成否は目的に左右される。特定の水準を守るのも一つの方法だ。急激な動きを緩和し、時には市場の心理を揺さぶることもある。ある水準で抵抗があることを投資家に理解させるのだ。

  資本フローの専門家であるブラッド・セッツァー米外交問題評議会(CFR)上級研究員は先月、日本は「この夏、円に底値を設けた」と英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)に寄稿。「介入の一般的な無効性についての理論はアップデートされる必要がある」と指摘した。

  日本の戦術は称賛に値するものだった。政府関係者は、この攻防に加わる水準を特定することを嫌った。実際には、1ドル=160円前後が重要な水準だった。4月下旬、財務省は流動性の乏しい祝日を好機と捉え、介入を実施。円は急騰した。

  また、7月12日夜も予想下回る米インフレ率の発表後、円相場が急伸。この時のインフレ統計は全般的なドル安の引き金となった。方向性が好転するまで待ち、追加の一押しで、政府・日銀は良い結果を達成した。

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