CLASSIC ROCKを聴こう! PLUS

1960年から1980年代のロックを紹介していきます。またPLUSと言うことで、ロック以外の話題も!

オイラのニュー・ミュージック原点

2023年12月17日 | JAPANESE

60年代末から70年代初期の日本のフォークやロックって言えばテレビで一般ウケする歌謡曲寄りのアーティスト以外はまだまだアンダー・グラウンドって感じでたまにラジオでオン・エヤーされる程度だった。

洋楽を主に聴いていたオイラはそれほど和物には興味が無かったけれど、荒井由美のデビューによって徐々に日本のアーティストにも興味を持つ様に…

個人的に和物の原点となるアルバムと言えば、彼女のファースト・アルバムのひこうき雲も捨て難いが、やっぱり1974年のミスリムを推す。

(なぬ〜 秘技、幽体離脱?)

それまでの歌謡曲にないメロディーやアレンジメント、更に彼女の初々しい歌唱が新鮮に感じた。

まさしくオイラにとってニュー・ミュージックだった。

ただ、次作のコバルト・アワー以降のアルバムは、確かにアーティストとしてのキャリアを重ねるごとに更に進化したのかも知れないけれど、それほど興味を持つことはなかった。

やっぱり初期の頃の初々しさからくる透明感を求めていたのかも…


原点に帰ってやらかしました

2023年12月16日 | BEATLES-BADFINGER関連

本日はポール・マッカートニー・アンド・ウィングスの1979年のアルバム、Back To The Eggでも。

アルバム制作中にバンドから2人の脱退があってなんとか残りの3人で前作のLondon Townを完成させたものの、これじゃレコードの制作はなんとかこなせてもやっぱりバンドとして一体感のあるライブが出来ないのはポールにとって理想的な活動とは言えない。

そのため2名の新メンバーをリクルートして新生Wingsが誕生、早速ニュー・アルバムの制作に取り掛かる事に。

1979年に完成したアルバムはBack To The Egg、初心に戻るって事で当時私の中では結構期待値大だった。

(我が家にあるのはまさかのUK盤。米盤は北米での販売権件を新たに契約を交わしたコロンビア・レーベルから発売された。)

このアルバムの目玉は新生Wingsによるバンド・サウンドと英ロック界のオール・スターを集めたロッケストラ・バンドよるセッションから生まれた2曲だった。

ただよく出来たアルバムではあるが、天才ミュージシャン、ポールに対する個人的な期待度から言えば驚く様な出来では無かった。

しかも、発売後の1980年の世界ツアーで日本を訪れた際空港税関においてマリファナ所持の容疑で現行犯逮捕されその後のツアーは全て中止の憂き目に。ちなみに1975年にウィングスとして来日を果たす予定だったが、ポールに麻薬所持の前科があって日本の法務省がビザを発給しなかったことから、1980年の公演はビートルズ来日から34年ぶりのコンサートって言われていたんだけれどね〜

更にその翌年ウィングスの結成当時からのメンバーだったデニー・レインがバンドから脱退し、ウィングスはここで消滅してしまう事に…

何か生み出される前に目玉焼きにして卵食べちゃったって事ですかね。


雨が降ろうがモダン・ポップでいこう!

2023年12月15日 | AMERICAN ROCK/POPS

本日はホール・アンド・オーツのRCA移籍後の1979年の5枚目のスタジオ・アルバム、X-Static(モダン・ポップ)でも。

(70年代に音質重視のステレオのラジカセが登場して、ポップ・ミュージックも屋内からストリートへと進出。かく言う私も、ソニーがステレオ・ラジカセZILBA'P CF-6500を1977年に出して、そのあまりのかっこよさにかなり無理して買った記憶が...)

以前はブルーアイド・ソウルとかR&B系のデュオと捉えられていたが、ぜんさくのAlong The Red Ledgeでプロデューサーをデビッド・フォースターを起用しポップなサウンド志向に転換。

本作でもソウル、ディスコにニュー・ウェイブなどの要素をミックスしよりポップな作品に仕上がっている。

残念ながら、ちょっと時代を先取りし過ぎたのかセールス的には全米33位と伸び悩んだが、その後彼らが同路線を更に進化した形で大ブレークする助走路としての役割は十二分に果たしたと思う。


たかがRock’n Roll、もう開き直るしかねえ!

2023年12月14日 | ROLLING STONES関連

ストーンズの1974年のアルバム、It’s Only Rock’n Rollを久しぶりに聴いてみる。

(82年末にストーンズはアトランティックとの契約終了後コロンビア・レーベルと新規のアルバム4枚の制作の契約を締結し、旧譜のアルバムの再発も行った。これは1986年のCBSからの再発盤。ただ日本ではレコードでの発売は無くCDでのみ再発された様な...)

キースは当時ドラッグ中毒だったし、ブライアンの代わりに加入したギタリスト、ミック・テイラーも本作の制作後に様々な理由でバンドから脱退することになる。

またベガーズ・バンケットからプロデュースしてきたジミー・ミラーも既にそこにはない。

バンドとしては結構追い込まれた状態だったのかな?

それまでのアルバムの象徴でもある泥臭くラフなルーツ系の曲は今回見当たらず、アーバンと言えば少々語弊があるかもしれないが耳に馴染みやすいあっさり目のロックやソウル系の曲で構成されている。

ただ本作の売り上げは前作と比べると確かに落ちたもののアルバムは全米1位を確保し、当時のバンドの状況から考えるとさすがストーンズって事ですかね。


サイケデリック・ムーブメントの中で

2023年12月13日 | Bob Dylan, Byrds, Band and etc.

ビートルズの1966年のRevolverや翌年のSgt. Peppersなどのアルバムが出てきてヒットしミュージック・シーンにサイケデリック・ムーブメントを巻き起こす。

アメリカでもバーズが1966年に意欲的な作品、Fifth Demensionsを発表したもののフォーク・ロック調だった前作を超えることが出来なかったため、作風をもう少し練り直す事に。

そして完成したアルバムが翌年のYounger Than Yesterdayで、バンド内の3人のソング・ライターがそれぞれ工夫を施し新しい一面を見せた。

ロジャー・マッギンとデビッド・クロスビーの関わった作品はそれまでのフォーク・ロックサウンドによりサイケデリックなアレンジメントが加わえ進化させ、とりわけクロスビーの作品はインド音楽に影響を受けたラーガ・ロックの入り口的なサウンドを示した。更にジーン・クラークがバンドから脱退したことによってクリス・ヒルマンが曲作りに精力的に参加し後年のカントリー・ロック的なサウンドを披露。

しかしながらアルバムは前作と変わらず全米23位の中ヒット、またこのアルバムに収録されたディランのカバー曲、My Back Pagesを巡ってマッギンとクロスビーが対立。クロスビー曰く、この曲を収録する事によって過去のアルバムの作風に回帰する事によってバンドの進化が見出せないと批判。この事が引き金になったのかクロスビーはバンドから脱退することに。

てな事でバンドのかっての人気を取り戻せず、メンバー3名になってしまったバンドのその後の方向性が定まらぬ事に…

ただディランがジミヘンのAll Along The Watchtowerのカバーがこの曲の最終形だと高評価したが、オイラもバーズのMy Back Pagesのカバーが最終形だと思うぐらい気に入っている。


今日はモノクロで

2023年12月12日 | S&G and etc.

真っ暗なステージにスポット・ライトが当てられ、二人の姿が浮かび上がる。

2002年に登場したアルバムはサイモンとガーファンクルのホーム・グラウンドでもあるニューヨークでの1967年の公演を収録した、Live Form New York City。

初期3枚のスタジオ・アルバムから選曲されたこのアルバム、二人のコーラスにポールのアコギが絡むシンプルなステージではあるがスタジオ録音よりも瑞々しさを感じさせる。

特に日々瑞々しさを失っていくオイラがLeaves That Are Green(木の葉は緑)なんか聴くとまだまだ世間知らずで自由だった昔を思い出しグッとくるものがあるね。


素人が聴くブルー

2023年12月11日 | SSW

数多くの批評家やリスナーから高い評価を受けたSSWのジョニ・ミッチェルの1971年に出た4枚目のアルバム、Blue。

ハイトーンの美声を武器に個性ある節回しで歌う恋愛物を含む私小説的な作品の数々。シンプルで控えめなバック・バンドと彼女の独特なチューニングのアコギとピアノは彼女のボーカルをより際立て、玄人受けする独特な響きの作品に仕上がっている。

ただ、この分野のトウシロのオイラがこの作品にすんなり入っていけるかって問われると、正直なところ難儀な話。

願わくは心持ちメロディアスな味付けだったらって思う次第。

玄人衆からは何言ってんだ~、このヤロ~!って咎められるかもしれないけれど…


やっぱりブルース・ロック、その5

2023年12月10日 | Bob Dylan, Byrds, Band and etc.

1966年にアルバム、Blonde On Blondeをヒットさせ数々のツアーもこなして精力的に音楽活動を行なっていたディランであったが、モータ・バイクでの事故で重傷を負ってしまい療養生活に入る。

その時期に心の中に何か期するものが、次のアルバム制作において作風にも変化が。

1967年の末に出た8枚目のオリジナル・アルバム、John Wesley Hardingは数曲ティール・ギターが登場するも基本ディランのアコギもしくはピアノにドラムスとベースのシンプルなトリオ編成のバンドで制作された。

(ジャケのデザインもいたってシンプル)

今回のアルバムはブルース・ロックと言うよりは、ディランが従来のフォーク・ロックにカントリーやブルースなどの味付けを施した事で穏やかでまた少々鄙びた印象も。ただ作詞には無法者のJohn Wesley Harding、Drifter(放浪者)、Lonesome Hobo(さびしい流れ者)やPoor Immigrant(貧しい移住者)など表舞台に登場しない社会の底辺の属する人々に視点を当てている。

ところで見張り塔から何が見えたって?

馬に乗ったJoker(道化)とThief(盗人)が今の境遇から抜け出す術があるはずだと会話しながらやってくるのが...

Princes(王子達=支配者階級)はその二人を見てある故事を思い起こす。

あの栄華を極めたバビロンでさえ滅んだ様に我々だっていつかは滅ぶって。

カントリー・タッチののんびりした味わいのアルバムと思いきや、ディランさん結構攻めてるね。


やっぱりブルース・ロック、その4

2023年12月09日 | LED ZEPPELIN関連

一般的にはハード・ロックのカテゴリーに分類されているレッド・ツェペリン。

しかし実態はブルース・ロック・バンド進化系ですかね。

ブルース・ロックにキレのある印象的なギター・リフを散りばめ、それをリズム・セクションがパワー・アップし、更にボーカルの高音を持ち味としたハイ・クオリティーなシャウトがハートに突き刺さる。

本日は彼らの1969年のセカンド・アルバムでも。

(高校時代に買った1973年の再発米盤で聴いてみる。何故当時日本盤でなく米盤買ったのか記憶が全くない。)

彼らの永遠のトレード・マークともなる様なヒット曲満載で、このアルバムを初めて聴いた時はぶっ飛んだ記憶が...

曲によっては既発のブルース・ナンバーから引用した箇所がいくらかあってその作者のクレジットが見受けられない事にしばしば批判が集まるが、それらは単なる模倣ではなく演奏者達の類稀な才能によってブルースから進化した真似のできない新たなロックを作り上げたのだと思う。

実質的な創作活動が1979年のIn Through The Out Doorで終了しているにも関わらず、それから45年ほど経った今でも相変わらず人気を誇っているのがそれを証明している。


懐かしのプログレ、その10

2023年12月08日 | PROG ROCK

本日はイエスの分家その1的なプログレ・バンド、Flashでも。

イエスに在籍していたギタリストのピーター・バンクスがイエスの1970年のセカンド・アルバム、Time And A Word制作後音楽の方向性の違いによりバンドから脱退。

個人的にはピーター・バンクスのギターはイエスのスティーブと比べると少しばかりポップよりの印象があるように感じていて、シンフォニックなサウンドを目指したイエスとは相容れなかったのかな?

メンバーを募って1971年にボーカル、ギター、ベースとドラムスの4名で新バンド、Flash を結成。キャピトル・レコードの傘下 のソバーリン・レーベルと契約しELPやイエス同様にアメリカのマーケットで成功を目指した。

そして同じくイエスを脱退したキーボードのトニー・ケイをゲストとして加えレコーディングをスタートさせ、翌年の1972年にファースト・アルバム、Flashが完成。

速攻でアメリカ・ツアーを敢行、アメリカ・マーケットをターゲットにした明るいサウンドを持つデビュー・アルバムは全米33位にランクされ、またアルバム収録の10分強の長尺曲 Small Beginningsは3分程度に編集しシングル・カットされ全米29位にランクとまずまずの出だしだった。

ただその勢いは続かず、計3枚のアルバムを出して1973年に解散。

現実は厳し~!


やっぱりブルース・ロック、その3

2023年12月07日 | ROLLING STONES関連

今回はギトギトのブルース・ロックというよりは、電化ブルース、ソウルにゴスペルなどを含むR&B(リズム・アンド・ブルース)という広義なカテゴリーからピック・アップしたアルバムでも。

1964年、アメリカ・ツアーの際訪れたブルース・R&Bの殿堂とも呼ばれたシカゴのチェス・スタジオで収録されたストーンズの5曲入りのEP盤、Five By Five(5人で5曲)。

2010年に出た12”復刻EP盤。

5曲のうち3曲は当時のストーンズが好んだブルースやR&Bの曲カバーが秀逸。

ビートルズのPlease Please MeやI Should Have Known Betterなどで演じられる明るいハーモニカに対してミックやブライアンのそれはブルージーで、あたかも光と影のごとく対照的な印象を受ける。

ストーンズのファンはきっとそういったところに惹かれるのだろうね。


やっぱりブルース・ロック、その2

2023年12月06日 | AMERICAN ROCK/POPS

60年代から70年代にかけて活躍したマイク・ブルームフィールドも偉大なブルース・ギタリストではあるが、彼と肩を並べるこのお方も忘れてはいけない。

1969年当時60万ドルとも言われた破格の契約金でコロンビア・レコードとサインしたことから100万ドルのブルース・ロック・ギタリストと呼ばれたジョニー・ウィンター。

その彼のコロンビア・レーベルからのメジャー・デビューが1969年のセルフ・タイトルのブルース・アルバム、Jonny Winter。

ジョニーのギンギンに弾きまくるギターをしっかりサポートするのは後にスティービィー・レイ・ボーン率いるダブル・トラブルに加入するベーシストのトミー・シャノンとドラムスのジョン・ターナーらのリズム・セクション。

このスリー・ピースのバンドが繰り広げる熱演のテキサン・アンド・デルタ・ブルースは値が付かない自称ギタリストであるオイラの一押し。

かっこいい!


やっぱりブルース・ロック

2023年12月05日 | AMERICAN ROCK/POPS

60年代から70年代にかけて活躍したブルース・ロック・バンドは数あれど、個人的にはこれを推したい。

1968年フィルモア・ウエストのライブ録音され、1969年に発売されたマイク・ブルームフィールドとアル・クーパーのコンビによるThe Live Adventures。

因みに彼らはディランのHighway 51 Revisitedのレコーディング・セッションで出会い、マイクのあまりに上手いギター・プレイにアルはギターを諦めキーボードで参加したそうな。

このライブ・アルバムではレイ・チャールズ、アルバート・キング、ザ・バンドのWeightやトラッフィクのDear Mr. Fantasy、それにエルビスの歌唱で有名なThat’s All Rightのカバー、サイモンとガーファンクルの名曲、The 59th Street Bridge Song(Feelin’ Groovy)のカバーなどが収録されていてマイクのギターが存分に楽しめる。

特にFeelin’ Groovyのブルージーで秀逸なカバーの変わり様には驚く。ポール・サイモンもトラック・ミキシングの際にバック・コーラスをオーバー・ダブしたような話もあって、ポール本人もこのカバー・バージョン結構気に入ってるのかな?


懐かしのプログレ、その9

2023年12月04日 | PROG ROCK

1973年、何と274回のオーバー・ダブで完成したマイクオール・フィールドのデビュー・アルバム、Tubular Bells。このアルバムはリチャード・ブランソンが設立したレコード会社、バージン・レーベルからの記念すべき第一弾でもある。

(2001年に出たHybrid-SACDで聴いてみた。5.1chの再生システムがないので2chで再生。SACDの2chと通常のCD2chの音源聴き比べてみたけれど、私の駄耳ではその違いは感じられなかった。残念!)

別のアーティストでの演奏ではあるが、ホラー映画の大ヒット作、エクソシストのサントラ音源にその一部が使われた事によって注目が集まった事と、元々独創的かつ緻密で秀逸な内容のアルバムだったことからで無名アーティストのデビュー作にも関わらず全英・米それぞれ1位と3位を獲得する大ヒット作となった。

てな事でこのプログレ・ロックの歴史的名盤は富山の置き薬の如く我が家にも1枚存在する。

エクソシストのイメージは忘れてヒーリング感覚でバック・グラウンドで流すと仕事も捗る。

ところで二百数十回ものオーバー・ダブ、短期間の制作時間でよく完成させたものだと感心する。

マックのガレージ・バンドのソフトを使って出来合いの8ビートのリズムに合わせて私のへっぽこエレキでたった2分程度の曲に3回のオーバー・ダブを試みるも、あまりの下手さ故に時間はかかりその仕上がりも聴くに耐えない。

やっぱりプロはすごいね。


懐かしのプログレ、その8

2023年12月03日 | PROG ROCK

イアン・アンダーソンのフルートが絡む唯一無二のロックなサウンドを産み出している事からして、ジェスロ・タルをプログレ・ロック・バンドと呼称しても差し支えないと思う。

本日は彼らの1972年のコンピ・アルバム、Living In The Pastを聴いてみることに。

(CD1枚で出た輸入盤の再発CDは収録時間の関係で2枚のLP盤の全ての曲を収録出来ず、オリジナルの21曲から2曲がオミットされている。)

彼らの1968年のファースト・アルバム、This Wasから1971年の4枚目のアルバム、Aqualungまでの活動時期に制作された音源を集めたものであるが、その選曲はそれまでのアルバムに収録されていない過去のシングル、EP盤にライブでの音源を主として構成された2枚組のLPでコンピ・アルバムというよりは一聴すれば結構新鮮な選曲の新譜という感覚だった。

この後に登場する組曲形式の切れ目のない長尺な曲を収録したアルバムとは異なり、短くとも曲それぞれが独立して収録されているので聴き手としては区切りがついて分かり易いかも?

何か文句ある?って不敵な感じ。