
久しぶりにキング・クリムゾンの宮殿というアルバムをレコードで聴いてみた。ワーナー・パイオニアが出したレコード番号がP-10115Aの国内盤で、1976年再発のやつである。
40年ほど前のレコードではあるが、比較的コンディションはいいのだが、やはりB面1曲目の静かなムーンチャイルドを聴くと、CDの音源のように完全に雑音なしというわけにはいかない。しかし“ながら聴き”で且つひっくり返してレコードの両面を聴くという一手間が、かえってのんびりした気持ちにさせ、雑音はそれほど気にはならなかった。
このアルバムは、あのビートルズのアビー・ロードを1位から引きずり降ろしたとよく言われているが、オフィシャルのチャート・アクションは全英が5位、全米が28位だったので、実際は引きずり降ろすくらいの勢いだったという事かな?
また、当初ムーディー・ブルースのプロデューサーであったトニー・クラークがレコーディングの制作を引き受けたのだが、メンバーがムーディー・ブルース調になるのを嫌がり、セルフ・プロデュースとなったと言われている。
1969年頃というと、ムーディー・ブルースはメンバー・チェンジ後の3枚目にあたるアルバム、ON THE THRESHOLD OF A DREAM(邦題、夢幻)を出したばかりで、トニー・クラークはそのアルバムの マイク・ピンダー作のメロトロンが使われたゆったりした感じのプログレ組曲、HAVE YOU HEARD PART-1 – VOYAGE - HAVE YOU HEARTD PART-2 あたりのサウンドを狙っていたのかもしれない。
もしトニー・クラークがプロデュースを続けたなら、アルバム冒頭のキング・クリムゾンの宮殿における、あの破壊的なサウンドはまろやかな感じになったのだろうか?
それから、今回、レコードの中央に貼り付けられた丸いレーベルについて少し書いてみよう。
非常にマイナーな事だが、ジャケットの中とレーベルにIN THE COURT OF CRIMSON KING AN OBSERVATION BY KING CRIMSONと記載され、バンド名としてはKING CRIMSONの表記はなかった。この手の表記は次作以降みられない。

ジャケット内側の表記
AN OBSERVATION BY KING CRIMSON(キング・クリムゾンによる観察?)はWIKIによると、このアルバムの副題と称されているが、のちにレーベルの変更などによる再発でAN OBSERVATION BYという表記がレーベル面(特にCDのレーベル)から消えている。これはどうした事なのか?
もう一つは、レコードがアトランティック・レーベルになっている事である。

P-10115A アトランティック・レーベル
これは、英国のE.G.PRODUCTIONという音楽関連の出版社に所属していたことから、アイランド・レコードと販売契約を結ぶのだが、テリトリーはヨーロッパ限定で、アメリカ、極東やその他の地区ではアトランティック・レコードと契約を結んだからである。

初期ピンクアイランドのレーベル

40周年記念盤のレーベル
アトランティックは元々R&Bやソウル専門のレーベルで、日本ではオーティス・レディングやアレサ・フランクリンらが特に有名であったが、1967年ワーナー・ブラザーズの傘下となり、ロック・アーチストの契約獲得に積極的に乗り出した。まあ、アメリカのレコード販売のマーケット規模が大きいので、 世界各国に拠点をもっていない英国のインディペンデントのレコード会社と比較すれば、当然アメリカの会社と契約をかわすのは妥当であろう。
レッド・ツェッペリンなどは、その辺の事を見据えて 有利な契約を勝ちとろうと思ったのか、マネージャーのピーター・グラントが直接ニューヨークに乗り込みアトランティックと専属契約を結んだ。そのため、英国でも同レーベルで販売している。レッド・ツェッペリンはデビュー・アルバムから売れに売れアトランティックのドル箱となった。大型契約のリスクを考えるとなかなか優れたバンドに対する目利きだったといえる。
その後、レッド・ツェッペリンやキング・クリムゾン以外で同様に英国バンドのイエスやELPなどの大物バンドもアメリカ経由で70年代初めに日本にやって来る事になったのである。
そういや、当時は少し違和感を感じたがディープ・パープル(ワーナー・レーベル)やクイーン(ワーナー系エレクトラ・レーベル)らもアメリカ経由だった。
現在、業界は寡占化が進み、ユニバーサル、ソニーとワーナーのグループに集約されアメリカ経由というような事は無くなった。しかしレーベルごとに独特な個性を出していた中小のレーベルも大手に吸収されると、名ばかりのような存在となり少し残念に思う。
King Crimson - 21st Century Schizoid Man - BBC session (1969) HQ
40年ほど前のレコードではあるが、比較的コンディションはいいのだが、やはりB面1曲目の静かなムーンチャイルドを聴くと、CDの音源のように完全に雑音なしというわけにはいかない。しかし“ながら聴き”で且つひっくり返してレコードの両面を聴くという一手間が、かえってのんびりした気持ちにさせ、雑音はそれほど気にはならなかった。
このアルバムは、あのビートルズのアビー・ロードを1位から引きずり降ろしたとよく言われているが、オフィシャルのチャート・アクションは全英が5位、全米が28位だったので、実際は引きずり降ろすくらいの勢いだったという事かな?
また、当初ムーディー・ブルースのプロデューサーであったトニー・クラークがレコーディングの制作を引き受けたのだが、メンバーがムーディー・ブルース調になるのを嫌がり、セルフ・プロデュースとなったと言われている。
1969年頃というと、ムーディー・ブルースはメンバー・チェンジ後の3枚目にあたるアルバム、ON THE THRESHOLD OF A DREAM(邦題、夢幻)を出したばかりで、トニー・クラークはそのアルバムの マイク・ピンダー作のメロトロンが使われたゆったりした感じのプログレ組曲、HAVE YOU HEARD PART-1 – VOYAGE - HAVE YOU HEARTD PART-2 あたりのサウンドを狙っていたのかもしれない。
もしトニー・クラークがプロデュースを続けたなら、アルバム冒頭のキング・クリムゾンの宮殿における、あの破壊的なサウンドはまろやかな感じになったのだろうか?
それから、今回、レコードの中央に貼り付けられた丸いレーベルについて少し書いてみよう。
非常にマイナーな事だが、ジャケットの中とレーベルにIN THE COURT OF CRIMSON KING AN OBSERVATION BY KING CRIMSONと記載され、バンド名としてはKING CRIMSONの表記はなかった。この手の表記は次作以降みられない。

ジャケット内側の表記
AN OBSERVATION BY KING CRIMSON(キング・クリムゾンによる観察?)はWIKIによると、このアルバムの副題と称されているが、のちにレーベルの変更などによる再発でAN OBSERVATION BYという表記がレーベル面(特にCDのレーベル)から消えている。これはどうした事なのか?
もう一つは、レコードがアトランティック・レーベルになっている事である。

P-10115A アトランティック・レーベル
これは、英国のE.G.PRODUCTIONという音楽関連の出版社に所属していたことから、アイランド・レコードと販売契約を結ぶのだが、テリトリーはヨーロッパ限定で、アメリカ、極東やその他の地区ではアトランティック・レコードと契約を結んだからである。

初期ピンクアイランドのレーベル

40周年記念盤のレーベル
アトランティックは元々R&Bやソウル専門のレーベルで、日本ではオーティス・レディングやアレサ・フランクリンらが特に有名であったが、1967年ワーナー・ブラザーズの傘下となり、ロック・アーチストの契約獲得に積極的に乗り出した。まあ、アメリカのレコード販売のマーケット規模が大きいので、 世界各国に拠点をもっていない英国のインディペンデントのレコード会社と比較すれば、当然アメリカの会社と契約をかわすのは妥当であろう。
レッド・ツェッペリンなどは、その辺の事を見据えて 有利な契約を勝ちとろうと思ったのか、マネージャーのピーター・グラントが直接ニューヨークに乗り込みアトランティックと専属契約を結んだ。そのため、英国でも同レーベルで販売している。レッド・ツェッペリンはデビュー・アルバムから売れに売れアトランティックのドル箱となった。大型契約のリスクを考えるとなかなか優れたバンドに対する目利きだったといえる。
その後、レッド・ツェッペリンやキング・クリムゾン以外で同様に英国バンドのイエスやELPなどの大物バンドもアメリカ経由で70年代初めに日本にやって来る事になったのである。
そういや、当時は少し違和感を感じたがディープ・パープル(ワーナー・レーベル)やクイーン(ワーナー系エレクトラ・レーベル)らもアメリカ経由だった。
現在、業界は寡占化が進み、ユニバーサル、ソニーとワーナーのグループに集約されアメリカ経由というような事は無くなった。しかしレーベルごとに独特な個性を出していた中小のレーベルも大手に吸収されると、名ばかりのような存在となり少し残念に思う。
King Crimson - 21st Century Schizoid Man - BBC session (1969) HQ
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